ベナーサイクルの概要

ベナーサイクルは、1875年にアメリカの農夫サミュエル・ベナーによって考案された経済予測モデルです。
農産物や鉄などの価格変動を長年観察した結果、経済には一定の周期性があることを発見し、それをチャート化しました。
このチャートは「A:パニックの年」「B:好景気(売り時)の年」「C:不況(買い時)の年」の3つのラインで構成されています。
2035年に予測されるパニック
ベナーの予測チャートにおいて、2035年は「A:パニックの年(Panic Years)」に指定されています。
この「パニックの年」とは、市場が極端な変動を見せ、投資家が非合理的な売買を行うことで、価格が急落または急騰する時期を指します。
ベナーは、パニックが起こる周期を「16年・18年・20年」の繰り返しであると定義しており、これまでの歴史上の大きな経済危機(大恐慌やITバブル崩壊など)の時期と重なることが多いことから、現代でも一部の投資家の間で注目されています。
前後のサイクルと戦略
2035年のパニックに至るまでの流れは、以下のようなサイクルで予測されています。
2026年:B(好景気・売り時)。市場がピークを迎え、資産を売却するのに最適な時期とされています。
2027年〜2032年:C(困難な時代・買い時)。市場が停滞し、次の上昇に向けて資産を蓄える時期とされています。
2035年:A(パニック)。再び市場に大きな混乱が訪れると予測されています。
予測の信憑性と注意点
ベナーサイクルは150年以上前の農業ベースの観察から生まれたものであり、現代の複雑な金融システムをすべて説明できるわけではありません。
過去の的中率については、数年の誤差を含めると高い精度を持つという評価がある一方で、現代の経済環境にはそぐわないという批判もあります。
2035年の予測についても、あくまで一つの歴史的なアノマリー(理論的根拠はないが経験的に見られる法則)として捉えるのが一般的です。
S&P500 8000ポイント論争の真実
2026年の米国株市場をめぐる予測は、記録的な高値と深刻な停滞という、真逆のシナリオがぶつかり合う異例の状況となっています。
現在の市場で議論されている「8,000ポイント論争」の背景と、今後10年を見据えた具体的な資産防衛術を整理しました。
2025年の残酷な格差と「OBBBA」法案
2025年の米国株は、表面上の好調とは裏腹に、極端な「勝ち組」と「負け組」に分かれました。AIブームの恩恵を受けた巨大IT企業がS&P500を牽引する一方で、中小型株などはインフレと高金利に苦しみ、実質的なマイナス成長を記録しています。
この格差をさらに決定づけるのが、2025年7月に成立した「OBBBA(One Big Beautiful Bill Act)」法案です。
企業へのボーナス:設備投資の100%即時償却が恒久化され、AI投資を行う企業は大幅な節税が可能になります。
家庭への格差:減税の財源確保として社会保障が削減される懸念があり、富裕層と低所得層の二極化が進む「K字型経済」を加速させます。
8,000ポイントか、4,450ポイントか
2026年の予測は、専門家の間でも驚くほど分かれています。
強気派(ドイツ銀行など):AIによる生産性革命とOBBBAの減税効果により、S&P500は8,000〜8,100ポイントに達すると予測しています。
弱気派(BCAリサーチなど):景気後退(リセッション)を背景に、4,450ポイントまでの暴落を警告しています。
150年前の予言(ベナーサイクル):1875年にサミュエル・ベナーが唱えた周期説では、2026年は「グッドタイムズ(好況)」の頂点であり、そこが最大の「売りシグナル」であるとされています。
「失われた10年」への備え
多くの主要金融機関が、過去10年のような年率10%のリターンは望めない「平均への回帰」が始まると予測しています。バンガードは今後の年率リターンを3.5%〜5.5%程度、ゴールドマン・サックスもこれまでの黄金時代の終焉を示唆しています。
これらを踏まえた、1億円を目指すための鉄壁の戦略は以下の通りです。
コア資産の維持:S&P500の積立は淡々と継続します。歴史上、20年以上の長期保有で損失を出した例はありません。
電力公益株(ユーティリティ):AIデータセンターの爆発的な電力需要により、地味だった電力株が「AIゴールドラッシュのスコップ」として注目されています。不況にも強く、守りの要となります。
インドなど新興国株:30年スパンでの米国高齢化リスクに備え、人口ボーナス期にあるインドなどをサテライト枠(補助的枠)で組み込みます。
現金の戦略的活用(ドライパウダー):2026年の熱狂期には無理に買い増さず、現金を貯めておきます。次に訪れる2027年以降の調整局面や、ベナーサイクルが予言する2035年のパニックを「人生最大のバーゲンセール」に変えるための準備です。
2026年の高値は「終わりの始まり」かもしれませんが、正しく準備をしている投資家にとっては、次の大きな成長への足がかりとなります。

