ペルソナ・ノン・グラータ / 薛剣 / 呉江浩
「勝手に突っ込んできたその汚い首は一瞬の躊躇もなく斬ってやるしかない。覚悟ができているのか」
騒動後の動向
薛氏は投稿後しばらく公の場での姿を控え、Xの更新も止めた。2026年2月頃、春節の行事で約3カ月ぶりに公の場に現れ、その後も活動を再開した。
2026年9月には国慶節のレセプションで「日本は反中・嫌中の世界チャンピオンになった」と発言した。
人事の状況
薛氏は2021年6月末に着任した。2026年6月時点で在任6年目に入り、歴代最長となっている。過去の総領事は最長でも約4年4カ月で、半数超が3年以内に離任していた。
外交関係者の間では、騒動で異動が難しくなり、在任が長期化しているとの見方が強い。栄転も左遷も中国側にとって負担が大きいため、現状維持が続いているとの指摘がある。
日本側がペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)指定を求める声もあったが、政府は抗議にとどめ、国外退去には至っていない。
現時点で薛氏の帰任や異動は報じられておらず、駐大阪総領事として活動を続けている。
2025年11月18日 薛剣氏投稿は「党指導部への演出」、毅然対応で「日本の価値確認を」香港民主活動家・李氏
- この記事は、香港の民主活動家・李伊東(アリック・リー)氏による分析と提言を伝えたものだ。要点は3つある。
1. 薛剣・駐大阪総領事の投稿は「演出」
- 李氏によると、薛剣総領事が高市首相に対して発した挑発的なSNS投稿は、「日本人向け」ではなく「中国共産党指導部への忠誠を示すための政治的演出」だという。
- このような発言は、中国の外交官が「どう外国を怒らせたか」で評価されるという体制の下で行われており、二国間関係の改善よりも「中国の強さ」を誇示するのが目的だと指摘している。
2. 「挑発的外交」の背景
- 習近平政権下では、外交官が「敢於亮劍(剣を抜く勇気を持て)」というスローガンのもと攻撃的言動をとる傾向が強まった。
- 李氏は、2014年の雨傘運動以降の香港中央政府代表部の言動が次第に「市民を侮辱し、罵倒や脅しを含む」形に変質した経緯を述べ、中国外交全体の言語スタイルが粗暴化していると分析している。
3. 「怒れる日本」への警告
- 李氏は、日本側がこうした挑発に感情的に反応すれば、中国国内で「日本に勝った」という宣伝材料に利用される危険があると警鐘を鳴らす。
- 彼は「国際基準に沿った毅然とした姿勢」を保ち、文明的な水準を崩さない対応こそが、日本の価値を確認することにつながると訴えた。
この分析は、中国外交官の発信が「対外メッセージ」というより「対内パフォーマンス」であることを踏まえ、日本がそのゲームに巻き込まれない冷静さを持てと警告している。
感情より戦略で応じろ――というのが李氏の本旨だ。
