中国の発電施設における燃料の割合（2025年時点）
- 石炭火力発電が依然として主力で、発電全体の約33％を占めている。ただし年初からわずかに減少傾向が見られる。
- 再生可能エネルギー（太陽光・風力・水力など）は発電全体で約34％に達し、石炭を初めて上回った。特に太陽光発電の増加が著しい。
- 原子力発電や天然ガス発電も一定の割合を占めているが、石炭と再生可能エネルギーの勢力図の変化が顕著である。
なお、発電に使用されるエネルギーのほぼ80％は国内供給で賄われる再生可能エネルギーや石炭が中心で、石油・ガス・輸入燃料の割合は相対的に小さい。
このため、中国の発電は再生可能エネルギーの比率を急速に高めつつあり、将来的にはさらに化石燃料依存を減らす方向にあります。具体的には、2025年末には非化石燃料による発電割合を約39％まで引き上げる計画も進行中です。
中国の発電における問題点
- まず、再生可能エネルギー（太陽光、風力など）の急速な普及に伴い、発電能力と需要や送電インフラのミスマッチが深刻化しています。特に太陽光発電では「出力抑制」という現象があり、発電が可能でも送電能力や蓄電設備の不足で電力を無駄にしてしまう問題が顕著です。このため、効率的な電力活用やインフラ整備が課題となっています。
- また、電力市場の改革により価格保証制度の廃止などで新規太陽光設備の導入が伸び悩む懸念も出てきており、太陽光パネルの過剰生産と価格競争も産業面での問題となっています。
- さらに、依然として石炭火力発電に頼る部分が大きく、石炭価格の世界的高騰や炭鉱の安全規制強化による燃料供給不足が電力不足の一因とされています。政府は脱炭素目標に基づき石炭使用削減を進めつつも、安定供給との両立に悩んでいます。
これらが中国の発電における大きな課題であり、エネルギー転換、インフラ投資、産業調整のバランスが求められている状況です。
環境・社会・国際関係の多面的な問題をはらむ
- 環境破壊と地滑りリスク
巨大ダム建設に伴い、周辺の自然環境や生態系が破壊される恐れがあります。山間部での地滑りや土砂災害も懸念されています。 - 下流地域への水資源影響
チベット高原は「アジアの水の塔」と呼ばれ、インド、バングラデシュなど多くの国々の水源です。このダムにより水流が人工的に操作され、特に乾季に下流の河川の水量が85％も減少する可能性が指摘されています。このため、下流域での洪水や水不足のリスクが高まる懸念があります。 - 国際的な緊張・紛争リスク
中国のチベットダム建設は、水資源を巡る領有問題や国境係争とも絡み、インドなど周辺国との緊張が激化する恐れが強いです。一部では軍事衝突のリスクも指摘されています。 - 気候変動との相互影響
地球温暖化に伴いチベット高原の氷河融解が進み、水量変動が激しくなっています。ダムによる水流制御が一時的には可能でも、長期的には水源の枯渇や制御不能に陥る可能性があります。 - 経済・社会的なコストも大規模
ダム建設は超巨大プロジェクトで、費用は数兆円規模にのぼり、工事期間も長期化が予想されます。地元住民への影響や汚職問題も懸念されます。
以上のように、中国のチベット自治区におけるダム建設は、環境・社会・国際関係の多面的な問題をはらんでいます。特に下流域の水資源管理と国際的な平和への影響が重大な課題です
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