2025年07月10日 ドイツ、軍用機が「中国軍艦からレーザー照射受けた」 中国は否定

2025年07月10日 ドイツ、軍用機が「中国軍艦からレーザー照射受けた」 中国は否定

この記事は、2025年7月10日に報じられたドイツと中国の間の軍事的緊張を伝えている。

ドイツ外務省によると、紅海上空で偵察任務にあたっていたドイツ空軍機が、中国海軍の軍艦からレーザー照射を受けたとされる。照射後、同機は安全確保のためジブチ基地へ帰還し、任務を中止した。この行為に対し、ドイツ政府は「乗員を危険にさらし、作戦を妨害するもの」として強く抗議、中国の駐独および駐EU大使を呼び出した。

一方、中国外務省の毛寧報道官は、「ドイツの主張は事実と異なる」と否定。中国側は、アデン湾やソマリア沖での「護衛作戦」を正当な活動と説明し、誤解を避けるための意思疎通強化を求めた。

背景には、イエメンのフーシ派がイスラエル支持国の船舶を攻撃している紅海情勢がある。EUはこれに対抗し、加盟国が共同で商船を防衛する任務を展開中。ドイツ機はその一環として活動していた。

中国は2017年にジブチに海外初の軍事基地を設置しており、近年、紅海周辺での行動を活発化させている。西側諸国はこうした動きを、中国の海洋進出や影響力拡大の一環として警戒している。

要するに、この事件は紅海という戦略的海域で、中国と欧州勢の軍事存在が直接的に交差した初めての重大な摩擦の一つであり、今後のEU−中国関係に影響を与える可能性が高い。