中国と韓国による「日本に対してのレーダー照射」

時系列で列記

中国によるレーダー照射事件

  1. 2013年1月19日:東シナ海で中国海軍フリゲート艦から海上自衛隊護衛艦「おおなみ」のヘリコプターへ射撃管制用レーダー照射の疑い。​
  2. 2013年1月30日:尖閣諸島沖で中国海軍江衛II型フリゲート「連雲港」(522)から海上自衛隊護衛艦「ゆうだち」へ約3km離れた距離で数分間射撃管制用レーダーを照射。​
  3. 2025年12月6日:空母「遼寧」から発艦したJ15戦闘機が航空自衛隊F15戦闘機に対し、午後4時32~35分と午後6時37~7時8分にレーダー照射。​

韓国によるレーダー照射事件

  1. 2018年12月20日:能登半島沖で韓国海軍駆逐艦から海上自衛隊P-1哨戒機へ午後3時頃火器管制レーダーを照射。

 

 

軍事的な挑発は弱い国が強い国に対して行う傾向がある

  • 軍事的な挑発は、軍事力で劣る国(弱い国)が優位な国(強い国)に対して行われる傾向が歴史的に観察される。​

主な事例と要因

  1. 日露戦争(1904-1905年):
    日本がロシアの極東地域の軍事脆弱性を突き、局地的な優位を活かして挑発・攻撃に踏み切った。​
  2. 中印国境紛争(1962年):
    中国がインドの報復を過小評価し、軍事的に劣勢な相手に挑発行為を実施。​
  3. 湾岸戦争前(1990年):
    イラクがクウェートを攻撃し、国際介入を誤認して米主導の強国連合に挑んだ。​

傾向の分析

  • 弱い国が挑発する主な理由は、強固な動機(領土・資源欲求)、誤った認識(報復回避の見込み)、同盟依存、相手の脆弱性(地理・分散配置)にある。 これにより抑止が失敗しやすく、22%の紛争で劣勢国が先制した事例が確認される。 中国の南シナ海行動も、周辺弱小国への威圧として類似パターンを示す。

 

 

2025年12月07日 中国海軍の空母艦載機が空自戦闘機に断続的にレーダー照射 “空対空”の照射は初公表 小泉防衛大臣「中国側に強く抗議」

12月6日午後、中国海軍の空母「遼寧」から発艦したJ-15戦闘機が、沖縄本島南東・公海上空で航空自衛隊F-15戦闘機に断続的なレーダー照射を行いました。照射は少なくとも2回確認され、防衛省が「中国軍機による空対空での照射」を正式に公表したのは今回が初めてです。

小泉進次郎防衛大臣は未明の臨時会見で、「これは航空機の安全な飛行に必要な範囲を超える危険な行為であり、極めて遺憾」と述べ、中国側に強く抗議し再発防止を申し入れたと明らかにしました。

防衛省は、「中国側の意図は断定できないが、位置関係を測る目的であってもこのような断続的照射は不要」としており、挑発的または威嚇的行為との見方が広がっています。

空母「遼寧」は12月5日から沖縄近海を航行しており、ミサイル駆逐艦3隻とともに沖縄本島と宮古島の間を太平洋に向けて通過していたことが確認されています。その間、自衛隊機は領空侵犯を警戒するためスクランブル発進を行いました。

なお、自衛隊機やパイロットへの被害は報告されていません。

この件は、中国軍の行動が自衛隊機に対する直接的なレーダー照射(いわば“空から空へのロックオン行為”)だった点で、従来の艦船からの照射事例よりも緊張度が高いと受け止められています。

日中間の軍事的摩擦が再び高まる懸念があり、防衛当局は警戒を強めています。

 

 

遼寧の性能

中国海軍の空母「遼寧」(Type 001)は、満載排水量約6万トン、全長305m、速力30ノット(約56km/h)で、主にJ-15戦闘機24-36機とヘリコプター10機を搭載可能。​

スキージャンプ式甲板を採用し、カタパルトがないため、艦載機のJ-15は重装備での発艦が制限され、航続距離や攻撃力が米空母に比べて劣る。​

武装は1130型CIWS近接防空システム3基、HHQ-10短SAM2基、RBU-6000対潜ロケット2基を備え、乗員は約2000名。 2018年の改装で艦載機システムや動力などが向上し、長期運用が可能になった。 主な任務は沿岸防空で、遠隔パワープロジェクションには課題が多い。

 

 

アメリカは敢えて最新の装備を見限った。最新式が必ずしも有利とは限らない

アメリカ海軍の空母は、他国空母のように重武装を自艦に搭載せず、空母打撃群(護衛のミサイル駆逐艦群)で補う運用形態を取る。​

これにより、単艦の兵装負担を減らし、信頼性と柔軟性を優先。遼寧のようなスキージャンプ式空母の重装備とは対照的に、ニミッツ級はカタパルトで重装備艦載機を発艦可能で、1日出撃回数が遼寧の3~4倍に達する。​

最新鋭フォード級も原子炉強化で将来兵器対応を想定するが、基本コンセプトは打撃群重視で、過度な単艦最新装備を避け実戦優位を維持。