Heroic Legend of Arslan(アルスラーン戦記)の地図と相関図



1:2015/10/23(金) 16:08:12.93 ID:???

<イラン>日本アニメ『アルスラーン戦記』からペルシャ史見つめるイランの若者たち

イランでいま、日本のテレビアニメ『アルスラーン戦記』が若者たちのあいだでひそかな人気となっている。田中芳樹氏原作のファンタジー小説をもとにした作品で、舞台は古代イランを想定したパルス王国。敗軍の将となり、国を負われた14才の無力な王太子アルスラーンが、仲間とともに数々の死地を乗り越え、敵国ルシタニアによって陥落した王都エクバターナの奪還を目指す壮大な物語だ。土地、人名、その他の多くの用語にイランの言葉であるペルシャ語が盛り込まれ、いにしえの英雄叙事詩を彷彿とさせる。

描かれることのない古代史

日本のアニメは、たちまちのうちに各国の言語に翻訳され、動画サイトにアップロードされることが知られているが、イランのアニメ動画サイトにもペルシャ語字幕がつけられた作品がいくつも並ぶ。翻訳はアニメファンの「有志」たちによるものだが、そこに著作権という言葉はないようだ。

イランで人気のアニメサイトを覗いてみると、『アルスラーン戦記』のコメント欄には850件を超える書き込みが寄せられている。その大半は、アニメを楽しみ、気に入ったという内容で、「日本人よ、イランの歴史を描いてくれてありがとう」、「自国の歴史と文化に誇りを持てた」というものだ。

一方で、この作品がイラン人の民族意識を非常にくすぐる内容でありながら、イスラム体制下では決しておおやけに描かれることのないイスラム史以前を想定した物語であり、それを外国人によって描かれたことへの複雑な心情、ひいては自国の映画やアニメ制作の現状に対する不満も垣間見える。

「イランはイスラムゆえにアラブ人たちの歴史の映画ばかり作ってきた。日本人はイランの歴史を哀れんでこんなアニメを作ったのさ。世界は少しずつ我々の文化や古代の物語のことを理解しているんだよ」

「わが国には誇るべき栄華、たくさんの物語がありながら、それに見合う映画やドラマが自国で作られてこなかった。宗教的な映画やドラマはいくつもあったけど、その舞台や主人公は必ずしもイラン人ではなかった。300年ほどしか歴史がないアメリカのような国でさえ、自国の歴史の映画やドラマを作っているばかりか、イランの歴史を勝手な解釈で映画にして貶めようとようとする。例えば『プリンス・オブ・ペルシア』、『スリーハンドレッド』、『アレクサンダー』などは不愉快だ」

「こんなアニメを広めるべきじゃない。無知な人間は信じてしまうかもしれない。国は我々自身の歴史についてアニメーションを制作することを考えるべきだった。そうすれば他人が好きなように我々の歴史を描いて提示することもなかったのに」

「このアニメをくだらないと言っている人たちは、なぜ自分たちでもっといいものを作らないの?これはとてもよいアニメよ。気に入らないなら見なきゃいい」

「そんなにイランのアニメーターを責めないでくれ。僕はアニメーションを学ぶ学生だけど、わが国のアニメーターには多くの困難があって、学べる場も媒体も限られている。問題はアニメーターの不在ではない。ディズニーで栄誉を手にしたラスーレ・アーザーダーニーのようなイラン人もいる。『アラジン』、『ヘラクレス』、『ラマになった王様』なども彼に負うところが大きい」

貞節をめぐる陰謀論

宗教色の強い視聴者からは厳しいコメントも書き込まれている。なかでも作中に登場する女性たちの装い、とりわけ主人公アルスラーンに仕えるミスラ教の女神官ファランギースの露出度の高すぎる服装についての批判だ。

「日本人は確かにイランの文明を題材にしたストーリーを作ったが、この仕事の背後には必ずある思惑があり、それはここで描かれている女性の服装を一目見れば明らかだ。たしかに当時のイランの女性たちは頭に被り物をしていなかったが、身体をしっかりと覆う服を着ていた。他者がイランの歴史を我々の前で再現する前に、我々自身で自分達の善き歴史を学ぼうではないか」

「ファランギースはヘジャーブを被っていないが貞節は備えているなどという見解は馬鹿げている。女性の貞節とヘジャーブは直結しており、慎み深くあればあるほど、身を覆う度合いも増してくるものだ。この問題は明らかにイランの女の子たちをだまそうという意図があるが、彼女たちはずっと賢明であり、敵は見誤っている」

だが、こうした批判的意見には、すぐさま反論コメントが寄せられる。その応酬は、イランのあらゆる分野で常にくすぶっている、この国特有の政治的、思想的、宗教的確執を再現するものだ。

「このほんとにイスラム的な人たちは一体何がしたいの?この国はひとつのアニメーションでさえ自分たちに毒を食らわせるものだと思いたがる。一部のコメントを見ると気分が悪くなるわ。こんな仮想空間でさえ、気楽に過ごすことができない。こんなところでコメント残してる暇があるなら、自分たちの専門分野でちゃんと仕事をしなさいよ」

「イランの古代の女性たちはこんな服装はしていないと言っている人たちは間違っている。古代イランの壁画の一部には、裸体の女性すら見られるというのに。ペルセポリスの遺跡には確かに完璧なヘジャーブ姿の女性が描かれているが、あれはリュディアからの使者であり、王に新年の祝辞を述べるために、自分の地域の服装で訪れたのだ」

「いつも悪い印象ばかりを広めようとする人がいる。仮想の敵を生み出すことは国や世論に最悪の損害を加えるものだ。その文化が世界に知られる、日本のような善良な国を、何か企みがあるなどと批判するのは間違えている。ほとんどのアニメーションは制作者の意図のみを反映し、その裏に黒幕がいるなんてことはない。残念なことに私たちの国の一部の人たちは、他の国が私たちの国とは反対に、新聞やアニメや映画において思想や言論の表明が自由であるなどとは考えたくないようだ」

「女性の服装を槍玉にあげても、今どきのアニメはどれもそんなもの。背後にシオニストも黒幕もいないよ。なぜイラン人はそんなに他者を疑ってかかるのだろう。特に日本についてはまったく見当違いだ。日本人研究者によって書かれた、イランの文化を賞賛するイラン学の書籍の数は本当にたくさんあるというのに」

「このアニメは我々の歴史にとても関連があるし、単語や用語もよく考えられている。シャーナーメ(イラン創生の民族叙事詩)の中の、ロスタムとアシュキャブースの物語、ファランギースの物語、スィアーヴァシュとザッハークの物語を読めば、このアニメのことをもっと理解できるし、イランの歴史・文化と無縁だなんて言えなくなるよ」

日本人にとっては古代ペルシャへと誘う異国情緒にあふれた娯楽作品だが、イランでは個々の宗教観、歴史観をめぐり、若者たちの議論を呼び起こしているのは興味深い。日本では第1期の地上波テレビ放送が先月終了したが、イランでは早くも「第2期はあるんだろうな!」とのコメントが並び、続編への期待が高まっている。

2ch

王都炎上―アルスラーン戦記
4334764037

9:2015/10/23(金) 16:25:26.59 ID:blykWLP0

フィクションどころか
ファンタジーですよこれ

12:2015/10/23(金) 16:32:52.31 ID:Zw4CLTf+

ペルシア風ファンタジーだけど、アニメ化された事によって
まさかアルスラーン戦記がイラン人の目に触れる時が来るとは……
わりとマジで驚いたんだけど、
正直荒川さんのキャラデザが好きじゃないので複雑だな
90年代の劇場映画の方が原作のイメージには近かったから

UverWorldは健在。

TVアニメ「アルスラーン戦記」PV