辻菜摘(ネバダたん) 御手洗怜美(さとみ)

佐世保小6女児同級生殺害事件

2人は共に地域のミニバスケットボールクラブに所属していたが、小学5年生の終わり頃に加害女児は受験勉強を理由にミニバスケットボールクラブを引退している(学校では加害女児はコンピューター研究部に、被害女児は映画研究クラブにそれぞれ所属していた)。この引退が加害女児にとっての「居場所」を奪い、孤立を深める原因の1つになったとされる。このころから女児はインターネットを唯一安心して自己を表現できる「居場所」にしたとされる。

加害女児の成績は中の上で、おとなしい普通の女子児童であったが、5年生の終わり頃から精神的に不安定になっていったと周囲の人々は語っている。人と話すときに人の目を見なくなり、目を泳がせて落ち着かない素振りを見せることがしばしばあり、また些細なことで逆上し、罵詈雑言を吐いたり、カッターナイフを振り上げるようなこともあった。

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事件現場は佐世保市立大久保小学校

加害者と被害者の関係は悪化

犯行を行った加害女児と被害者は、互いにコミュニティーサイト(カフェスタ)の提供するウェブサイトを運営し、パソコンでチャットや、電子掲示板で書き込みをする仲。トラブルを巡って、加害者と被害者の関係は悪化。

背後からカッターナイフで首と左手を切りつけた

当日、加害女児は午前中の授業が終わった後の給食準備中、被害者を3階の学習ルームに呼び出し、そこでカーテンを閉めて椅子に座らせ、手で目を隠し背後から首と左手を切りつけた。被害者の首の傷は深さ約10センチ(普通の大人の首の太さは直径で13 – 15cmぐらい)、長さ約10センチになり、左手の甲には、骨が見えるほど深い傷(防御創)があったという。

テレビのドラマ殺人シーンを参考に

加害女児は殺害方法として、カッターナイフの他に絞殺、アイスピックで刺すことなどを検討していたが、加害女児が前夜に見たTBS系列(同県ではNBC長崎放送で放映)テレビドラマ『ホステス探偵危機一髪6』にカッターナイフで人を殺害する場面があり、女児自身「これを参考に殺人を計画した」と後に供述したことから、その後、各テレビ局が殺人シーンのあるドラマの放送を自粛する事態にもなった。

また、被害者家族、学校関係者、惨状を目の当たりにして心的外傷後ストレス障害(PTSD)を負った救急隊員に、惨事ストレスやサバイバーズ・ギルトの兆候が見られる状態になった。

インターネットに端を発していることや、当局の情報よりもインターネット上の情報が先行した点で、IT化した現代社会を象徴する事件とされる。

カフェスタ」というサイトはもう現存しない

当時流行していたポ-タルコミュニケーションサイト「カフェスタ」はもう現存しない。