直接ロシアに敵対するより、中国を相手にして間接的に抵抗する
すべては2021年に始まった
リトアニアが数カ月の間に2回も中国の目を突いたのだ。
17+1からリトアニアが脱退
最初は、東欧や中欧の17カ国が中国との関係性を深める「17+1」と呼ばれるグループからリトアニアが脱退したことだった。その後リトアニアは他の構成国にも脱退を呼びかけた。中国は「一帯一路」と呼ばれるインフラプロジェクトをはじめ、この地域に数多くのビジネス上の権益を持っている。これを考えれば、中国にとって欧州からの反発はどんな形でも望ましいものではない。
欧州で初めて、台湾に「台湾」の名前で事実上の大使館を開くことを認めた
次は昨年11月だ。リトアニアは欧州で初めて、台湾に「台湾」の名前で事実上の大使館を開くことを認めた。欧州や米国における同様の事務所は、台湾が首都とする「台北」の名を使い、中国からの独立を暗示する呼び名を避けてきた。台湾の外交部(外務省)はリトアニア首都ビリニュスでの台湾代表事務所の開設について、「台湾とリトアニアの新しい、前途ある道を開くことになる」と述べた。
この争いは欧州連合(EU)も巻き込んだ
この争いは欧州連合(EU)も巻き込む形となり、EUは加盟国のリトアニアを支持している。EUは中国によるリトアニアの扱いを、EUの他の加盟国への脅威とみなしてる。1月27日には、EUは世界貿易機関(WTO)に中国を提訴。中国のリトアニアに対する差別的な貿易慣行を非難し、そうした慣行は欧州単一市場からの他の輸出品にも打撃を与えているとした。 WTOへの提訴は、EUの中国に対するより強硬な姿勢の始まりに過ぎない可能性がある。
元リトアニア首相「中国が許されていたのは、金持ちだったから」
リトアニアのクビリュス元首相はCNNに対し「中国は教訓を学ぶ必要がある。なぜなら、これまで彼らが我々の価値観やルールに沿わない方法で振る舞うことが許されていたのは、単に彼らがとても金持ちだったからだ」
輸出先に占める中国の割合が小さい
リトアニア当局が他国よりもこうした姿勢を取りやすかった理由の一つは、輸出先に占める中国の割合が小さいことだ。
中国に対抗することで、ロシアにも対抗している
中国に対抗することで、ロシアに対してメッセージを発することを期待していると語る。リトアニアはNATO加盟以降、常にロシアからの圧力にさらされている。リトアニアは、中国やロシアの独裁体制に屈しないというEU加盟国内の前例を作ろうとしている。
欧州における米国の立場を強める
チャカロバ氏は、「リトアニアは中国を論争に引き込むことで、欧州における米国の立場を強めようとするとともに、EUやその主要加盟国(ドイツとフランス)に中国との二国間関係から生じる将来的なリスクや危険性を警告しようしている」との見方を示す。
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