環境への悪影響、採算性に乏しい、資源・軍事的狙い
中国「一帯一路」構想の企み 「実利より政治」のダム建設
政治的意図が優先されるダム建設
- 中国の「一帯一路」構想の下で進められている海外ダム建設は、経済的な採算性よりも中国の国際的影響力拡大という政治的目的が強く優先されています。中国はアフリカやアジアを中心に巨大ダムを多数建設し、これを「海外版三峡ダムプロジェクト」として宣伝していますが、実際には多くのプロジェクトが利益を生まず、国の威信や対外的な宣伝効果を重視して進められているケースが目立ちます。
環境・経済・社会への影響
- 環境コスト:一帯一路のダム建設は、環境への悪影響が大きいことが各地で指摘されています。三峡ダムの例に見られるように、生態系破壊や下流域の水資源対立などが深刻化しています。
- 経済的な課題:多くのダムは採算性に乏しく、建設国の財政負担や債務リスクを高めています。中国国営銀行による融資の回収が困難になる懸念も浮上しています。
- 資源・軍事的狙い:中国は電力供給や経済支援を名目に、建設国の資源確保や軍事的拠点の構築も狙っています。しばしば汚職や契約上の不透明性も問題となっています。
中国企業の圧倒的シェアと「軍隊方式」展開
- 中国は世界の水力発電プロジェクトの7割以上を受注しており、2013年以降10年間で300を超える海外水力発電プロジェクトに参画しています。中国の国営企業は、金融・外交・プロパガンダなどを総動員した「軍隊方式」で海外展開し、他国企業を圧倒しています。
「大国の重器」としてのダム
- 習近平主席は三峡ダムを「大国の重器」と表現し、巨大インフラを国家戦略の中核と位置づけています。中国はこのモデルを海外にも拡大し、インフラを通じた長期的な影響力確保を目指しています。
結論
- 中国の「一帯一路」構想によるダム建設は、経済的実利よりも政治的・戦略的意図が色濃く反映されており、環境・経済・社会面でのリスクや課題が顕在化しています。これらのプロジェクトは、中国の国際的な影響力拡大と自国モデルの輸出を目的とした「実利より政治」の象徴と言えるでしょう。
中国はWTOから除名すべきか ルールなき超大国の代償
この記事は、中国の世界貿易機関(WTO)加盟以降の行動が国際貿易秩序や各国経済に与えた悪影響を論じ、中国のWTO除名を主張する論評です。
主な論点と内容
WTO加盟と期待の裏切り
- 2001年の中国WTO加盟は、経済改革や市場開放への期待を集めたが、現実には中国共産党の統制が緩むことはなく、WTOルールの悪用が続いたと指摘しています。
中国による7つの損失
- 記事は中国のWTO加盟によって世界が被った「7つの損失」として、以下を挙げています。
- 巨額の貿易不均衡・・・中国の対米貿易黒字は2001年の1千億ドルから2023年には4千億ドル以上に拡大。中国の輸出促進策と外国企業への市場アクセス制限が原因としています。
- 数百万人の雇用喪失・・・アメリカでは2001~2015年に340万人の雇用が中国に奪われ、工業地帯の衰退を招いた。
- 知的財産の盗用・・・強制的な技術移転やサイバー窃盗により、米企業は年間2250~6000億ドルの損失を被った。
- 産業の空洞化・・・欧米企業の技術引き渡しやサプライチェーンの中国依存が進み、国家安全保障にも影響。
- 中間層の衰退と社会問題・・・製造業雇用減少により、欧米の中間層が衰退、失業や格差拡大が深刻化。
- 一帯一路による過剰債務・・・開発途上国が中国からの過剰債務を負い、戦略資産の譲渡や主権の損失が発生。
- 海上交通要所の支配・・・中国が戦略的港湾を掌握し、軍事・経済的影響力を強化。
WTOの信頼性低下と中国除名論
- 中国のルール違反がWTOの信頼性を損ない、アメリカは43件中23件を中国相手にWTO提訴したが、執行力は弱いと批判しています。
- 記事は「中国の除名は公平な競争環境を生む可能性があるが、過去の経緯から期待薄」としつつも、現状のままではWTOの意義が失われると主張しています。
反対意見への言及
- 中国除名がWTOやグローバル貿易を弱体化させるとの懸念も紹介しつつ、現実には中国の敵対的貿易慣行がWTOを破壊しているとしています。
結論
- 記事は「中国はWTOから除名されるべきだ」と断言し、自由主義国同士での公正な貿易の重要性を訴えています。
背景:大紀元(エポックタイムズ)について
- この記事を掲載している「大紀元(エポックタイムズ)」は、アメリカ・ニューヨークに本拠を置く多言語メディアで、中国共産党に批判的な論調が特徴です。発行母体は法輪功関係者が中心で、トランプ前大統領や欧米保守政党への支持でも知られています。
まとめ
- この記事は、中国のWTOルール違反や経済的影響を強く批判し、中国のWTO除名を主張する論評です。中国の貿易慣行が世界経済やWTOの信頼性を損なっているとし、自由主義国同士の新たな貿易枠組みの必要性を訴えています。
中国の「紅白の顔」戦術とは
「紅白の顔」戦術(中国語:红白脸战术)は、中国共産党(中共)が外交や交渉の場面でよく用いる戦術的な態度の変化を指します。この表現は、もともと中国の伝統的な京劇で「紅い顔(正義や善)」と「白い顔(悪や狡猾)」が異なる性格を象徴することから転じたものです。
戦術の内容
- 一方で厳しく、もう一方で穏やかに対応する
- 例えば、ある問題について中国側が一方では強硬な姿勢や厳しい発言(白い顔)を見せ、同時に別の担当者や場面では協力的・友好的な態度(紅い顔)を示すというものです。
目的
- 相手に揺さぶりをかけ、交渉を有利に進める。
- 一時的に事態を和らげたり、相手国の態度や世論を分断する。
- 相手に「譲歩すれば協力的になれる」という期待を持たせる。
具体例 米中間のフェンタニル問題
- アメリカが中国にフェンタニルの輸出停止を求めた際、中国側は一方で協力的な態度を見せつつ(紅い顔)、他方では「それは米国自身の問題だ」と責任を転嫁し、強硬な態度も取った(白い顔)。
- こうした「紅白の顔」戦術によって、アメリカ側の対応を揺さぶり、交渉の主導権を握ろうとする意図がうかがえます。
解説
- この戦術は、単なる「飴と鞭」よりも複雑で、同時並行的に異なる態度を示すことで、相手に「中国は本気で協力するつもりがあるのか」と疑念や期待を抱かせ、交渉を有利に進めるための心理的な駆け引きと言えます。
- 「中共は、意図的に『紅白の顔(=一方では厳しく、もう一方では穏やかに対応する戦術)』を演じ、協力的な姿勢を見せて事態を一時的に和らげようとしている可能性がある」
まとめ
- 中国の「紅白の顔」戦術は、交渉や外交で相手に対し、強硬と協調の両面を巧みに使い分けることで、主導権を握ろうとする典型的な戦術です。これは現代中国外交の特徴的な手法の一つとなっています。
フェンタニル問題における中共の米国への責任転嫁
概要
2025年5月12日、トランプ大統領はホワイトハウスの記者会見で、中国共産党(中共)がフェンタニルの米国流入を阻止することに同意したと発表しました。しかし、その直後に中国外交部は「フェンタニルは米国自身の問題であり中国の問題ではない」と主張し、責任転嫁の姿勢を鮮明にしました。
中共の主張と米国の対応
- 米国は、中国から流入する合成麻薬フェンタニルの問題を理由に、対中関税(20%)を維持しています。
- 中国外務省の林剣報道官は、「アメリカ側が中国の善意を無視しフェンタニル関税を課すことは、中国とアメリカの麻薬禁止における協力に衝撃を与え、中国側の利益に重大な損害を与えている」と反発し、「アメリカ側が中国と協力したいのであれば中国を中傷し責任転嫁することをやめ、平等なやり方で対話すべきだ」と牽制しました。
- このように中共は、フェンタニル問題を米国の内政問題と位置付け、中国の責任を否定しています。
専門家の見解
- 台湾南華大学の孫国祥教授は、「中共はフェンタニル問題を米国の内政問題とし、中国とは無関係だと主張しているが、これは強い政治的意図に基づくもので、法的にも事実にも根拠がない。実際には、中国は長年にわたりフェンタニルやその前駆体化学品の最大供給国だ」と指摘しています。
- 専門家はまた、中共のこうした責任転嫁が米中貿易協議に不確実性をもたらし、貿易交渉の新たな変動要素になると分析しています。
米中貿易協議への影響
- フェンタニル問題は米中貿易戦争の交渉材料となっており、米国は公衆衛生と国内の人命安全を理由に対中圧力を正当化しています。
- 中国側はフェンタニル問題で協力的な姿勢を見せつつも、責任を米国に転嫁する「紅白の顔」戦術を用いていると指摘されています。
まとめ
中共はフェンタニル問題について米国への責任転嫁を強調し、自国の関与を否定する一方、米中貿易協議ではこの問題を交渉材料として利用しています。専門家は、こうした中共の態度が米中関係の不確実性を高めているとしています。
日本は大丈夫?アメリカで年間7万の命を奪うヤバすぎる薬物の現状
1. フェンタニルとは?
- フェンタニルは医療用の強力な鎮痛剤(オピオイド)で、モルヒネの数十倍から数千倍の効力を持つ。
- 正規の医療現場では有用だが、違法流通すると極めて危険。
2. アメリカでの現状
- アメリカでは2015年頃から違法フェンタニルが急増。
- 2021年には年間約7万人がフェンタニル関連で死亡。第二次世界大戦の米軍死者数に匹敵する規模。
- 流通の背景には、メキシコのカルテルが中国から原材料を仕入れ、大規模な秘密工場で製造している構造がある。
- アメリカの「同調圧力」やパーティ文化、娯楽の少なさも蔓延の一因。
3. 日本への影響
- 日本でも過去にフェンタニルの密輸未遂が摘発された例はあるが、アメリカほどの蔓延はしていない。
- 日本は娯楽が多く、オピオイド系薬物の文化的忌避感が強いため、流行しにくいと考えられる。
- ただし、安価で強力なため、今後一部で流行するリスクはゼロではない。
4. フェンタニル流通のサプライチェーン
- 原材料は主に中国企業からメキシコへ輸出され、現地カルテルが製造。
- メキシコからアメリカへ陸路で密輸される。
- 原材料は工業製品にも使われるため、完全な規制が難しい。
5. 政治的背景
- トランプ政権時代、中国に対しフェンタニル原材料の規制を強化するよう圧力をかけた。
- バイデン政権では、規制を表向き強化しているが、実際は補助金などで輸出が続いている現状も。
6. まとめ・警鐘
- フェンタニルは「安くて強力」なため、犯罪組織にとってコスパが良い。
- 日本でも油断せず、薬物乱用防止の啓発が重要。
ポイント
- フェンタニルの危険性は極めて高く、少量で致死的。
- アメリカでの蔓延は社会的・経済的・文化的な要因が複雑に絡む。
- 日本も対岸の火事ではなく、今後の動向に注意が必要。
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