2025年09月12日 自動車版サブプライム破綻、ウォール街に衝撃拡大-証券化市場に火種
テキサスのサブプライム自動車ローン会社トライカラー・ホールディングスが連邦破産法7条の清算を申請し、不正融資疑惑で連邦検察の捜査対象となっています。これにより、サブプライム自動車ローンを裏付けとする証券化市場(約800億ドル規模)が動揺し、JPモルガンやブラックロックなど大手金融機関にも影響が及んでいます。
主なポイント
- 事件の概要
トライカラーは一部担保を複数の融資枠で重複使用していた疑いがあり、詐欺の可能性で捜査を受けています。同社は数時間後に破産清算を申請しました。 - 影響の広がり
債権者は2万5000以上。フィフス・サード、JPモルガン、バークレイズなど大手銀行が数億ドル規模の損失リスクに直面。投資家が保有していた同社ABS(資産担保証券)は額面を大幅に下回る水準まで下落しました。 - 背景要因
・新型コロナ後の自動車価格高騰で借入額が膨張
・金利上昇と雇用市場の悪化で返済能力低下
・サブプライム住宅危機と同様、甘い融資基準と過剰な証券化投資依存 - 市場全体への懸念
自動車ローンABS市場は住宅ローン市場に比べ規模は小さいが、1社の崩壊がウォール街全体に不信感を生みつつあります。一部専門家は「炭鉱のカナリア」として、より広い金融不安への前兆とみています。 - 社会的背景
トライカラーの顧客は主に低所得層、とくに社会保障番号を持たない移民が大半であり、返済リスクの高い層を対象にしていたことが今回の破綻リスクを拡大させました。
今回の破綻がリーマンショック級に拡大する可能性は現時点で低いものの、信用力の弱い消費者向け市場に依存した証券化モデルが大手金融機関に波及する危うさが露呈しています。
創造性やクリエイティビティが経済と都市の中心要素となる時代を論じた書籍です。Kindle版も販売されており、内容はクリエイティブ経済の実態、働き方の変化、都市とコミュニティの役割、そして地域格差や社会構造の矛盾などを詳述しています。著者はトロント大学の教授で、旧版『クリエイティブ資本論』の発展版にあたり、クリエイティブクラスの社会的・経済的影響について深く分析しています。日本語訳は井口典夫氏によるものです。
内容のポイントとしては、技術・才能・寛容性の「3つのT」が地域経済成長のカギとなることや、クリエイティブ・クラスの価値観や社会的地位、都市がいかにクリエイティビティを集積させるかが丁寧に説明されています。都市論や経済論としても重要な視点を持つ書籍です。
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