シャインマスカットは輸出できない 植物検疫 知的財産権の国内外での不整備 

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生産者に十分な説明も無く進めたのは悪手です

2025年10月03日 シャインマスカット“海外流出” 無断販売も…損失は年間100億円以上か ライセンス契約めぐり山梨県と国は対立 日本の“ブランド果実”どう守る?【識者解説】

この記事は、日本が開発した高級ぶどう「シャインマスカット」の海外流出問題と、それを巡る山梨県と国(農水省)の対立構図を詳しく伝えています。

問題の概要

  1. 品種登録:
    2006年に日本で品種登録。皮ごと食べられ、甘く種なしにもできる品種。
  2. 海外流出:
    苗木が中国や韓国などに流出し、無断で栽培・販売。中国では2.5kgが約300円で販売され、日本の損失は年間100億円以上と推計。
  3. 日本の課題:
    種苗法により輸出は禁止しているが、流出は完全には防げず、知財流出問題が深刻化している。

国と山梨県の対立

  1. 農水省案:
    ニュージーランドとライセンス契約し、海外生産を認めることを検討。

    • メリット:
      不正流出をある程度抑制できる。旬を通年で提供可能。
    • デメリット:
      海外産が日本産より安く市場に流入すると競争力を失う恐れ。
  2. 山梨県の立場:
    ・輸出拡大を重視し「海外ライセンスは徹底抗戦」と強硬姿勢。
    ・山梨県は検疫や通関の問題で輸出が難航している中、安売りされる海外産の流入を強く懸念。

日本の果物が狙われる理由

  • 品種改良技術が世界的に高水準で、品質が優れているため。
  • イチゴの「章姫」「レッドパール」、高級ぶどう「ルビーロマン」も同様に海外流出疑惑がある。

今後の対応策

  1. ライセンス契約モデル:
    不正流出を牽制しやすいが、農家へ利益が還元されにくい。国庫寄与が中心。
  2. 輸出拡大モデル:
    農家の収益直接化が可能だが、不正栽培を防ぐ根本解決には至らない。
  3. 必要な対策:
    ・日本産ブランド価値の徹底アピール(品質の違いを市場に認知させる)
    ・検疫制度や輸入規制緩和で輸出ルート整備
    ・ブランド化による「日本産でなければ意味がない」市場づくり

折笠俊輔研究員は「農家が利益を受けられる選択が最優先」と指摘し、日本産ブランド力を武器にした輸出体制構築の重要性を強調しています。

 

 

シャインマスカットは日本の農林水産省が開発した

シャインマスカットは日本の農林水産省所管の農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)が開発したブドウの品種です。広島の農研機構果樹試験場安芸津支場で、1988年に「安芸津21号」と白南を交配した実生から選抜され、約33年の歳月をかけて開発されました。品種登録は2006年に行われ、育成に関わった主要な担当者には山田昌彦氏など13名の研究者がいます。山田昌彦氏は現在日本大学特任教授も務めています。

この品種は「皮ごと食べられる」「種なし」「大粒」「高糖度」という特徴を持ち、日本国内外で高く評価され、特に日本では高級ブドウとして人気があります。非常に手間のかかる人工授粉など細かい手作業を繰り返して育成されました。日本の品種改良技術の高さの象徴としても知られています。

つまり、シャインマスカットの開発者は農研機構の研究チームで、その中心人物の一人が山田昌彦氏です

 

 

シャインマスカットが海外に輸出できないのはなぜ?

シャインマスカットが海外に輸出できない理由は主に以下の点にあります。

  1. 植物検疫の規制:
    シャインマスカットは高級果実であり、輸出先の国の病害虫検疫が非常に厳しく、日本からの輸出には検疫上の壁があるため、輸出が進みにくい状況です。
  2. 知的財産権の国内外での不整備:
    シャインマスカットは約30年前に日本で開発されましたが、当時は海外での品種登録が遅れていました。そのため、中国や韓国で無許可に大量に栽培され、非正規品が野放し状態となっており、日本からの正規輸出が阻害されています。
  3. 海外生産のライセンス問題:
    農林水産省はニュージーランドなど海外で正式にライセンス生産を認めることで、非正規品の流通を抑え、日本産のブランド保護や市場拡大を目指していますが、これが国内の主要生産地である山梨県などから反発を招いています。特に、輸出環境が整わないまま海外生産が増えると国内産地の衰退につながる懸念があるためです。

つまり、シャインマスカットが海外に輸出できないのは、日本産の品質やブランド保護のための検疫と知的財産管理が十分に整わず、かつ海外での無許可栽培が広がっていることから、未整備な輸出環境が最大の障壁となっているためです。

 

 

2025年10月02日 シャインマスカットが“異例の安さ” 国は海外生産認める方向で検討…生産地は「ありえない」と猛抗議

この記事は、シャインマスカットの価格下落と農林水産省の海外ライセンス戦略を巡る国内の反発を報じています。豊作により価格が安くなった一方で、国は海外生産をライセンス契約で解禁する方向を検討しており、生産地から強い抗議が起きています。

価格の下落

  • 大阪市内のスーパーでは昨年は1房1000円以上だったが、今年は843円と安値に。
  • 豊作が要因で、売れ行きは前年の約1.3倍。

国の方針

  • 農水省がライセンス料を取って海外生産を認める戦略を検討中。
  • 小泉進次郎農水相が現地産品を視察し、「立派」とコメント。

生産地の反発

  • 山梨県の長崎幸太郎知事は「海外ライセンスは徹底抗戦」と強調。
  • 国内の輸出体制が整わない段階で海外を優遇するのは「産地の衰退につながる」と批判。
  • 「まず対等な条件で国内から輸出をサポートすべき」と主張。

生産者側の懸念

  • 兵庫県などの農家は品質維持を最重要視。
  • 海外での生産手法の違いから「品質が落ち、消費者の信頼が損なわれる」危険を指摘。
  • 「味が悪ければ“シャインマスカットはおいしくない”という誤解を生む」と不安を表明。

背景的含意

  • シャインマスカットは日本で開発された高級ブドウで、現在ではアジアを中心に無許可栽培が広がっています。国は知的財産管理や市場シェア確保のためにライセンス解禁を模索しているとみられますが、生産地は「国内市場・ブランド価値の保護」を優先すべきだと反発しています。

この問題は「高級果実ブランドの国際戦略」と「日本の農家の利益保護」の両立が難しい典型例といえます。

 

 

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