米中間選挙、物価高が共和に逆風 民主、イスラエル支援巡り内紛
11月に迫る米中間選挙では、物価高の影響で共和党が伸び悩み、民主党はイスラエル支援を巡り党内で意見が割れています。世論調査では民主党が優勢な状況です。
選挙の現状
11月の中間選挙まで残り3か月となり、トランプ大統領率いる共和党は上下両院での過半数維持を目指しています。一方で民主党が議席を増やす動きを見せています。
各党の課題
共和党は、イラン攻撃に伴う物価高が裏目に出ており不利な情勢です。トランプ氏は移民対策や薬価引き下げなどの成果をアピールしています。
民主党は、イスラエルへの軍事支援方針について党内で対立を抱えています。
世論調査と展望
上院は激戦州の結果次第で、民主党が多数派になるには4議席の追加が必要です。下院は民主党有利との見方が強まっています。
7月下旬の世論調査では民主党の支持率が47%、共和党が39%となり、民主党がリードを広げています。
トランプは物価を下げると言って当選した。現実には物価を上げるような政策
トランプ政権の主要政策(高関税、移民抑制、対外強硬姿勢)は、本来の目的とは裏腹に国内の供給コストを押し上げる構造を持っています。本人は「関税は外国から取る」「国内生産を増やす」と主張していましたが、現実には輸入コスト増や労働力不足となり、物価上昇(インフレ)として米国民に跳ね返っています。
高関税政策による輸入コストの増加
輸入品に一律または高率の関税を課すことで、外国企業ではなく米国の輸入業者や小売企業が負担を被っています。その増えたコストが店頭価格にそのまま転嫁され、食料品や日用品、電子機器などの値上げにつながっています。
不法移民の取り締まりによる人件費高騰
厳格な国境管理や不法移民の強制送還により、農作業、建設、物流、外食産業などで深刻な人手不足が発生しています。労働力を確保するために賃金を上げる必要が生じ、その人件費増加分がサービス価格や製品価格に上乗せされています。
中東情勢など対外強硬策によるエネルギー高
イランなどに対する強硬な外交・軍事姿勢の影響で原油価格が上昇し、ガソリン代や輸送コストが高止まりしています。エネルギー価格の上昇は、あらゆる流通コストに影響を及ぼします。
自国優先主義(アメリカ・ファースト)と構造的インフレ
トランプ氏の掲げる「国内産業の保護」や「国内生産への回帰」は、長期的には雇用を生む可能性がありますが、短期的には安価な海外製品や海外労働力を排除することになります。その結果、製品の製造コスト全般が底上げされる構造になっています。
政策を修正せず続けているのはなぜか?
トランプ政権がインフレを招いている政策を撤回・修正しないのは、支持層(MAGA)との約束、独自の経済理論、そして政治的なメンツが強く影響しているためです。
支持層に向けた「約束の履行」を優先するため
関税引き上げや移民の強制送還は、トランプ氏の中核的な支持層にとって単なる経済政策ではなく、自国優先政治のシンボルです。これを撤回すると「弱腰」「約束違反」と受け取られ、政権の基盤である熱狂的ファンの支持を失うリスクがあります。
独自の経済ロジックを固執して信じているため
「関税は外国から徴収するものであり、米国人が払うものではない」「関税をかければ外国企業が米国内に工場を作り、すべて解決する」という独自の持論を曲げていません。主流の経済学者や金融機関が「インフレを招く」と警告しても、それを「フェイクニュース」や反対派のネガティブキャンペーンとして拒絶する姿勢をとっています。
撤回による政治的敗北を避けるため
選挙前に方針を撤回すれば、民主党やメディアから「政策の失敗を認めた」と攻撃される格好の標的になります。間違っていたと認めて引き返すよりも、強気な姿勢を崩さず「インフレの本当の原因は前政権やFRB(連邦準備制度理事会)、あるいは海外の情勢にある」と責任を他へ転嫁する戦略を選んでいます。
短期の痛みを経た「長期の成果」だと主張できるため
「今は国内産業を取り戻すための移行期であり、一時的な物価高は必要な痛みだ」という論理で説明をつけることができます。短期的にはインフレが悪化しても、長期的には米国の自給能力が高まって結果が出ると主張し続けることで、修正を引き延ばしています。

コメント