一説によると「アメリカは中国が定める第一列島線から後退する」と言われていた

フィリピンと米国、エネルギー安全保障分野での協力拡大を目指す

Philippines, US Looking to Expand Cooperation on Energy Security

  • フィリピンと米国のエネルギー省長官がワシントンで会談し、エネルギー安全保障における連携強化を議論しました。
  • 主な議題は、フィリピンにおける戦略的石油備蓄の創設、原子力発電(123合意に基づく協力)、地熱発電や天然水素などの国産エネルギー資源の開発支援です。
  • 中東情勢に伴う供給混乱や燃料価格高騰のリスクを背景に、石油輸入依存度が高いフィリピンのエネルギー供給の多様化と回復力の強化を目指しています。

会談の背景と目的

フィリピンエネルギー省(DOE)のシャロン・ガリン長官と米国のクリス・ライト・エネルギー長官が会談を行見ました。フィリピンは石油を輸入に依存しているため、世界的な情勢不安に伴う原油価格の高騰や供給断絶リスクに対する脆さが課題となっています。今回の協議は、国内供給の安定化とエネルギー源の分散を図ることを目的としています。

主な協議内容

戦略的石油備蓄制度の構築

フィリピン国内での緊急用原油・石油製品の備蓄計画に向けて、米国側の知見や蓄積されたノウハウを活用する支援策が話し合われました。

原子力分野での協力(123合意)

2024年に発効した原子力協定(123合意)に基づき、小型モジュール炉(SMR)などの導入に向けた技術支援や専門人材の育成、事業者とのマッチング(商談ミッション)の実施などが議論されました。

国産エネルギーおよび新規資源の開発

地熱発電の協力推進に加え、地中から採取される新たな低炭素資源として注目される「天然水素(天然ヒドロキセン)」の探査事業(米系企業Koloma社等による取り組み)などについて連携の拡大が協議されました。

まとめ

現時点で法的な拘束力を伴う新たな合意や具体的な資金調達枠組みの決定には至っていませんが、両国は長期的なパートナーシップを通じてフィリピンのエネルギー安全保障基盤を固めていく方針です。

 

 

一説によると「アメリカは中国が定める第一列島線から後退する」と言われていた

  • 「アメリカが第一列島線から後退する」という説は、中国のミサイル能力向上(A2/AD:対介入・領域拒否)により、米軍が米領グアムや豪州など「第二列島線」へ拠点を分散・後退せざるを得なくなるとする軍事戦略上の議論を指します。
  • しかし、実際の米国の戦略は単なる「後退」ではなく、拠点を一箇所に集中させず分散配置し、有事の際にも分散した小規模部隊が第一列島線内で遊撃戦を行う「分散アプローチ」へ移行しています。
  • フィリピンや日本との軍事・エネルギー協力を強化している動きは、第一列島線を見捨てるのではなく、同盟国との連携を高めて足場を強固にする戦略の一環です。

第一列島線からの「後退説」と現在の現実

後退説が言われた理由

中国は東シナ海から台湾、フィリピンを結ぶラインを「第一列島線」と位置づけ、その内側への米軍侵入を防ぐため、対艦弾道ミサイル(DF-21D等)や極超音速兵器などのA2/AD能力を急速に高めました。これにより、沖縄の嘉手納基地などの大型固定基地が真っ先に攻撃対象となるリスクが高まり、米軍はグアムやテニアン、さらにはオーストラリア北部といった「第二列島線」へ主要拠点を引き下げるのではないかという見方が示されていました。

実際の米軍の戦略:後退ではなく「分散と連携」

米軍は第一列島線から完全に退くのではなく、戦力を柔軟かつ生き残りやすい形で配置し直す戦略を採用しています。

遠征前方基地陣地運用(EABO)

米海兵隊などが進める構想で、中国のミサイル射程内(第一列島線)にある小さな離島などに小規模部隊を分散配置し、移動しながら対艦ミサイルなどで相手を牽制する運用です。

アジャイル・コンバット・エンプロイメント(ACE)

米空軍が大規模な飛行場一箇所に航空機を集中させず、第一列島線周辺の複数の簡易滑走路や民間空港に分散運用することで、ミサイル攻撃による一括破壊を防ぐ手法です。

同盟国との関係強化

フィリピンでのアクセス拠点の拡大(EDCAに基づく基地使用権の追加)や、今回のニュースに見られるようなエネルギー安全保障面での協力、さらには日本との指揮統制枠組みの強化などは、アメリカが第一列島線領域での関与を維持・強化している具体的な表れと言えます。

単に拠点を後ろに下げるのではなく、第一列島線内の同盟国を補強しつつ、米軍自身は打撃に強い分散型の構えにシフトしているのが現在の実態です。

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