ベネズエラの背後にロシア

世界

 

2025年08月11日

米の懸賞金引き上げに反発―ベネズエラ  「政治的プロパガンダ」

アメリカ政府は2025年8月7日、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領に対する懸賞金を従来の2倍となる5,000万ドル(約74億円)に引き上げました。これはマドゥロ政権がコロンビアの反政府武装組織と協力し、米国向けの麻薬密輸を支援し、米社会の混乱・弱体化をもたらした「麻薬テロ」に関与したとの主張に基づくものです。米司法省は2020年にマドゥロ氏を麻薬テロ関与で刑事告発し、ニューヨーク連邦地裁で起訴しています。米司法長官ボンディ氏はSNSでマドゥロ氏を「麻薬密売の大物で安全保障上の脅威」と非難しました。

一方で、ベネズエラのヒル外相は、この懸賞金引き上げを「政治的プロパガンダでばかげている」と反発しています。

 

 

2024年04月23日

ベネズエラ国営石油、仮想通貨での決済拡大 米制裁再開で

ベネズエラ国営石油会社PDVSAは、米国による制裁再開に対応して、原油と燃料の輸出決済において暗号資産(仮想通貨)を増やす計画を進めています。特に、米ドルに連動したステーブルコイン「USDT(テザー)」への移行を加速させており、新規顧客にはデジタルウォレットにUSDTを保持するよう要請している状況です。これは、米財務省が制裁緩和措置として認めていた「一般ライセンス」の更新を停止し、5月31日までにこれに基づく取引を終了するよう求めたため、銀行口座凍結リスクを減らすための動きです。

ただし、USDTでの取引は多くの取引業者の法令順守部門が認めておらず、PDVSAと取引相手は仲介者を介して取引をせざるを得ないため、利益率の低下を招く可能性が指摘されています。米国の制裁対象者リストに基づき、テザー社自身も制裁対象者との取引を凍結するなど、制裁の影響は依然として大きい状況です。

この動きは、ベネズエラ政府が経済制裁に対抗し、石油輸出の資金回収や取引の継続を図るための戦略の一環とみられます。しかし、仮想通貨での決済導入には法的・運用面で難題も多く、完全な解決策とは言えない状況です。

 

 

2023年12月05日

ベネズエラの背後にロシア=ブラジル北部侵略の可能性も?!

ベネズエラで2023年12月3日に行われた国民投票では、隣国ガイアナのエセキボ地域の併合に関して、95%以上の賛成票が得られた。この地域はガイアナ国土の約70%を占め、石油資源や水資源が豊富である。投票の結果を受け、マドゥーロ大統領はエセキボ地域に新たな州を設立し、国営石油会社の子会社を設立するなどの戦略的行動計画を発表し併合の意思を示した。しかし、実際に領土としての実効支配を強める具体的な手順や国際的な承認は不透明である。

マドゥーロ政権はロシアと強い関係を築いており、ロシアからの武器供与や軍事支援を受けているとされる。これによりベネズエラは米国など西側諸国の経済制裁に対抗しつつ、エネルギー市場の安定化を狙った協力をロシアと進めている。ロシア外相のベネズエラ訪問やエネルギー協力の深化も報じられている。ジャーナリストのアレシャンドレ・ガルシア氏は、「ベネズエラの背後にはロシアがいる」と指摘し、北ブラジル領土への軍事的影響を懸念している。

国民投票の結果やロシアの後ろ盾を背景に、地域の緊張が高まっており、ガイアナ側は米国との防衛協力を進め、ブラジルも国境沿いの軍事態勢を強化している。ブラジル北部には小規模な防備隊しか置かれておらず、軍の増強措置もあるが、それだけでは十分ではないとの指摘もある。

また、ブラジル北部の電力インフラとエセキボ地域の水資源・水力発電の可能性も地域安全保障を左右する要素となっている。

・国民投票結果:95%以上賛成、エセキボ地域をベネズエラの州に組み込むことを問う
・マドゥーロ大統領は併合を宣言し、経済・軍事面での強化を示唆
・ロシアの軍事支援と経済協力が背景にあり、西側との対立軸に位置付け
・ガイアナは米国と連携し防衛強化、ブラジルも国境警備を強化中
・地域は石油や水資源が豊富で戦略的価値が極めて高い

この動きに対し、国際司法裁判所は紛争の現状維持を求めており、両国間の武力衝突を避けるための対話も進められているが、将来的な展開は依然として不透明な情勢にある。

 

 

2013年03月07日

原油埋蔵量世界1位、ベネズエラの今後 原油埋蔵地の開発は停滞

3月5日、ベネズエラのウゴ・チャベス大統領が癌(がん)のため58歳で亡くなった。原油大国ではあるが、住宅や食料、物資、電気が不足しており、国民は高いインフレ率と犯罪の横行に苦しんでいる。

チャベス氏が推し進めた孤立的な経済政策のため、広大な原油埋蔵地の開発は停滞しており、原油生産量は2001年以降25%減少している。昨年、北西部パラグアナ半島のアムアイ製油所で爆発事故が発生した際には、アメリカからのガソリン輸入に追い込まれた。

まもなく大統領選が行われるが、国民の選択に世界中が注目している。

 

 

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