イラン側は「アメリカと協議する予定はない」と主張。「内部抗争・指導部内の分裂はない」とも主張していた

イラン側は「アメリカと協議する予定はない」と主張していた

仰る通り、イラン側は「現時点ではアメリカと直接協議を行う予定はない」という立場を一貫して主張してきました。

しかし、その背景にはイラン指導部内での複雑な対立があり、交渉のテーブルに着くための条件として「アメリカ側の誠意」を厳しく求めている状況があります。

イラン側の主張とスタンス

イランのアラグチ外相は、これまでの報道やSNSを通じて、以下のような姿勢を示しています。

  • 直接協議の否定: 「トランプ政権と直接対話をする計画はない」と明言しており、パキスタンでの動きもあくまで「仲介国を介した調整」という位置づけを崩していません。
  • 前提条件の提示: 協議に応じるためには、アメリカ側が敵対的な政策を改め、核合意(JCPOA)への復帰や制裁解除に向けた具体的な行動を示すことが不可欠であると主張しています。
  • アメリカへの不信感: 今回の特使団訪問中止を受けても、「アメリカが外交に対して真に真剣であるかは不明だ」と述べており、アメリカ側の予測不能な行動が不信感をさらに強めています。

指導部内の「二重構造」

イランが「協議の予定はない」と主張しつつ、パキスタンでの仲介の場には外相を派遣した背景には、国内の意見対立があると考えられています。

  • 現実派: 経済状況の悪化を食い止めるため、条件次第ではアメリカとの交渉も辞さないとするグループ(ペゼシュキアン大統領やアラグチ外相など)。
  • 強硬派: アメリカを「信用できない敵」と見なし、いかなる譲歩も拒否する最高指導者ハメネイ師に近いグループ。

トランプ氏が指摘した「誰が責任者か分からない混乱」とは、この指導部内の激しい主導権争いを指している側面もあります。

現状の構図

イラン側は「話す予定はない」という建前を維持しつつ、アメリカ側の出方を伺い、アメリカ側は「すべてのカードは我々にある」として強硬姿勢を崩さないという、極めて緊迫した「にらみ合い」が続いています。

 

 

イラン側は「内部抗争はない」とも主張していた

ご指摘の通り、イラン側は「内部抗争」や「指導部内の分裂」について、公式に強く否定しています。

トランプ氏が「誰がリーダーか分からないほどの混乱がある」と主張したのに対し、イランのアラグチ外相や国会議長らは、2026年4月23日から24日にかけて「イランはかつてないほど結束している」と反論の声明を出しました。

イラン側の主張:鉄の結束

イランの指導部や軍高官は、トランプ氏の「内紛説」を否定するために、以下のようなメッセージを一斉に発信しています。

  • 「戦場と外交の不一致はない」: アラグチ外相は、軍事的な行動(戦場)と交渉(外交)は完全に連携しており、一つの目的のために動いていると強調しました。
  • 「過激派も穏健派も存在しない」: ガリバフ国会議長は、国内に派閥の争いはなく、全員が「イラン人」であり「革命家」として、最高指導者ムジャタバ・ハメネイ師に忠誠を誓っていると述べました。
  • 「一つの魂、一つの国民」: アレフ第一副大統領も、国家の尊厳を守るために全ての違いを乗り越えて団結していると主張しています。

トランプ氏の主張と「内紛」の指摘

一方で、トランプ氏やアメリカ側が「混乱」を指摘する背景には、実際の政策決定における食い違いが露呈した場面があったためと見られています。

  • ホルムズ海峡を巡る不一致: アラグチ外相がSNSで「海峡は完全に開放されている」と発信した直後、革命防衛隊(IRGC)に近いメディアがこれを厳しく批判し、実際には封鎖措置が継続されるといった混乱が見られました。
  • 交渉への姿勢: ペゼシュキアン大統領らの「現実派(交渉による制裁解除を狙う)」と、革命防衛隊などの「強硬派(妥協を拒否する)」の間で、対米交渉の条件を巡る主導権争いがあるとの分析が欧米メディアで報じられています。

現状の対立構造

イラン側は「団結を誇示することで交渉力を高めたい」と考えており、トランプ氏は「内部の混乱を突くことで、より有利な条件を引き出そうとしている」という、高度な情報戦・心理戦の様相を呈しています。

パキスタンでの協議が中止されたのも、こうした「相手が本当に交渉できる状態にない」というトランプ氏流の揺さぶりの一環と言えます。

トランプ大統領、イランとの停戦期間の延長を表明

仲介役パキスタンの要請を受けたものですが、イラン側はこれに反発し、アメリカ側の意図を「奇襲のための時間稼ぎ」と非難しています。

 

 

トランプ米大統領、特使団のパキスタン訪問中止を指示

トランプ米大統領は2026年4月25日、イランとの紛争交渉のために予定されていた特使団のパキスタン訪問を急遽中止しました。

中止の理由は、イラン指導部内の混乱や、長時間移動の非効率性を挙げ、アメリカ側が交渉において有利な立場にある(すべてのカードを握っている)と主張しています。

訪問中止の経緯

トランプ大統領は、特使のスティーブ・ウィトコフ氏と娘婿のジャレッド・クシュナー氏に対し、イスラマバードへの出発を見合わせるよう指示しました。

SNS(Truth Social)への投稿や報道機関へのインタビューで、18時間もの飛行時間をかけて何も決まらない話し合いをするのは時間の無駄であると述べています。

トランプ氏の主張

大統領は、現在のイラン指導部について「誰が責任者なのかも分からないほどの激しい内紛と混乱がある」と指摘しました。

また、「我々がすべてのカードを握っており、彼らは何も持っていない」と述べ、対話が必要ならイラン側から電話をしてくるべきだという強硬な姿勢を示しています。

背景と周辺の動き

パキスタンは、アメリカとイランの仲介役として第2回直接協議の場を設けるべく調整を進めていました。

イランのアラグチ外相は24日にイスラマバード入りし、パキスタン側と会談を行いましたが、アメリカ特使団の訪問中止を受けて、すでにパキスタンを離れ、オマーンやロシアへ向かっています。

今月初めに行われたバンス副大統領とイラン国会議長による第1回協議は、21時間に及びましたが進展はありませんでした。

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