オバマ政権の大功績の一つ SWIFT排除 イラン経済に深刻な損害を与え、イラン政府を交渉のテーブルにつかせた

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オバマ政権の大功績の一つ 対イラン SWIFT排除

アフマディネジャド大統領が大変な強気だったのは、国民の支持があったからだろう。国際平和研究所が2010年9月に行った世論調査では、イラン人の71%が核の開発を支持しており、同機関による過去の世論調査を大幅に上回ったという。

ところが、である。イラン政府は2012年4月の会合で、一気に軟化したのだ。さらに、世論も激変していた。同年7月にイラン国営メディアが行った世論調査では、イラン人の3分の2が制裁の段階的な緩和と引き換えに、ウラン濃縮の停止を支持していることが明らかになったという。

一体、約1年半の間に、イランに何が起きたのか。それこそが、2012年3月のスウィフトの停止だったという。スウィフト切断されて、イランとの取引は、企業も公共機関も個人も、あまり大っぴらには言えないお金もすべて、現金を運ぶか、まだブロックされていない小規模なイランの銀行を介してのみでしか可能でなくなったのだ。

ドイツの新聞「Die Zeit」のカルスティン・コーレンバーグと、マーク・シエリッツは、スウィフト排除の影響について、イラン経済に深刻な損害を与え、イラン政府を交渉のテーブルにつかせたと評している。

その後タフな交渉が続き、ようやくイランと6カ国が2015年7月、イランの核兵器開発を大幅に制限することに合意したのだった。オバマ政権の大功績の一つとみなされている。「歴史的合意」と呼ばれ、欧州では新聞の一面を飾った。国連の安保理でも決議された。もっとも、イランの敵対国イスラエルは「歴史的な降伏」と述べたが。

スウィフト停止は、それまでの様々な制裁を完全なものにしたとも言える。今まで多くの国や組織が、資産の凍結、イランへの武器の輸出禁止、原油の取引の禁止や制限などを行ってきた。しかし、隠れて行っていることが当然出てくる。スウィフト全面停止にしてしまえば、各戸やビルの水道の元栓を閉めるのではなく、水道局の元栓を閉めるのと同じ効果がある。

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トランプ大統領のひっくりかえし

国際社会はこんなに努力して、やっと問題に決着がついたのに、これをひっくりかえそうとしたのがトランプ政権だった。

トランプ大統領は2018年、オバマ大統領の功績をつぶそうとするかのように、合意から一方的に離脱して、イランに経済制裁を加え始めた。

さらにトランプ政権は、イランを再びスウィフトから切り離せと主張したのである。イランは合意を守っていたのに、である。

当然関係国は反発、EUは抵抗した。合意が崩壊したら、イランと敵対する国々が核兵器を持ち始める「核のドミノ」が起きてしまうかもしれない。

それでもスウィフトは、11月にトランプ政権の要求を受け入れて、イランのブロックを決定した。圧力に負けたのだという。

ここまでの情報は、目に触れやすいレベルではないが、求めれば出てくる。しかしその後どうなったかが、なかなかみつからなかった。少なくともスウィフト公式サイトの「制裁」欄に、この部分の記述はない。

あるアメリカの記事によると、EUに同情的なムニューシン財務長官と、制裁を主張した超タカ派のボルトン国家安全保障問題担当大統領補佐官が対立、最終的にポンペオ国務長官(外相)がムニューシン側についたので、頓挫したとのことだ(その後、ボルトン氏は、トランプ大統領に解任されている)。

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