政治家が不祥事に対する言い訳で「全く記憶にない」という場合「実は記憶があるが、忘れている事にして時間稼ぎをしたい」心情

「全く記憶にない」という言い訳は「実は記憶があるが、忘れている事にして時間稼ぎをしたい」心情

政治家が「記憶にない」と述べる心理的・戦略的背景

政治家が不祥事や過去の接点を問われた際に「記憶にない」と回答するのは、単なる健忘ではなく、高度に計算された政治的・法的な防御策である場合が多々あります。

心理学的な側面と、リスクマネジメントの観点からその心情を分析します。

嘘を吐かないための回避策

「行っていない」「関係ない」と断定して否定し、後に証拠(写真や音声)が出てきた場合、それは「虚偽答弁」となり政治生命に直結します。

一方で「記憶にない」という表現は、現在の自分の主観的な状態を述べているに過ぎません。

後に証拠を突きつけられても、「記憶が呼び起こされた」「当時は認識していなかった」と釈明する余地を残すための「退路」を確保する心情が働いています。

調査を口実にした時間稼ぎ

「調査する」と付け加えることで、その場での追及を一時的に停止させる効果があります。

特に選挙直前というタイミングでは、有権者の関心が他の話題に移るのを待つ、あるいは投開票日をやり過ごすための時間稼ぎという側面が強くなります。

「忘れていることにしたい」という心情の裏には、即座に事実を認めると、さらなる詳細な説明(いつ、どこで、誰と、何を話したか)を求められ、墓穴を掘るリスクを避けたいという心理があります。

認知の不協和と自己正当化

政治家自身が「自分は正しいことをしている」という自己イメージを持っている場合、過去の不適切な接点は自分の中で「重要度の低い出来事」として処理されます。

そのため、自分に都合の悪い事実は意識の外に追いやり、本当に「重要ではないこととして記憶から消去した」と思い込もうとする心理的メカニズムが働くこともあります。

 

 

「記憶にない」と言い続けた政治家たちの結末

政治史を振り返ると、「記憶にない」という答弁は、一時的な回避策として機能することもあれば、逆に政治家としての信頼を致命的に損なう原因となることもありました。

代表的な事例と、その後の結末を整理します。

疑惑の真相がうやむやになるケース

過去の汚職事件やスキャンダルにおいて、決定的な証拠(録音や領収書など)が出てこない限り、この言い回しで追及を逃げ切る政治家は少なくありません。

「記憶がない」以上、それ以上の具体的な事実を語る必要がなくなり、検察などの捜査機関も「主観的な記憶」を覆すのは困難だからです。

この場合、政治的な責任(辞任など)は免れても、世論からの不信感は残り続け、その後の選挙での得票数減少につながるという形での「審判」を受けることになります。

後の証拠提示で「虚偽」とみなされるケース

もっとも悲惨な結末は、後から動かぬ証拠が出てくる場合です。

「記憶にない」と述べた後に、本人が出席している鮮明な映像や、署名入りの書類が提示されると、有権者はそれを「単なる物忘れ」ではなく「意図的な嘘」と判断します。

この段階に至ると、説明責任を果たさなかったことへの非難が爆発し、閣僚の辞任や離党、あるいは政界引退に追い込まれるケースが散見されます。

「秘書のせい」へのスライド

「記憶にない」とセットで使われるのが、「事務的な処理は秘書に任せていたので、自分は詳細を知らない」という論法です。

自分自身の記憶を否定しつつ、責任の所在を他者に転嫁することで、法的な責任を免れようとする手法です。

しかし、これは「トップとしての管理能力」の欠如を露呈することになり、リーダーシップを売りにする政治家にとっては大きなダメージとなります。

野田氏のケースにおけるリスク

今回の野田氏の場合、25年前という「記憶が薄れても不自然ではない期間」であることが一点の猶予となっています。

しかし、「佳勝会」という自身の名前を冠した会合の記憶がないという主張が、有権者に「不自然な忘却」と受け取られるか、「多忙な政治家ゆえの混同」と受け取られるかが、今後の分水嶺となるでしょう。

 

 

「中道」の野田佳彦氏、統一教会関係者との写真報道に「全く記憶にない。調査する」

野田佳彦氏と旧統一教会関係者の接点報道に関する分析

2026年1月の衆議院選挙公示直前というタイミングで、中道改革連合の野田佳彦共同代表に、約25年前の旧統一教会関係者との接点疑惑が報じられました。

この報道はインターネット番組「デイリーWiLL」によるもので、2001年(平成13年)当時の「佳勝会発足式」とされる写真が根拠となっています。

野田氏は記者団に対し、当時の会合への参加について「全く記憶にない」と述べ、詳細を調査する意向を示しています。

選挙戦への政治的影響

この報道は、翌日に控えた衆院選の公示に極めて大きな影響を与える可能性があります。

野党側は、高市早苗首相率いる自民党に対して「旧統一教会との関係隠し」を批判の急先鋒に据えていました。

しかし、野党第一党のリーダーの一人である野田氏に同様の疑惑が浮上したことで、自民党追及の論理的整合性が問われる事態となっています。

過去の接点と現在の認識の乖離

野田氏は「当時は多くの会に呼ばれており、特定の名称は覚えていない」と釈明しています。

また、現時点においては旧統一教会との組織的な関連はないとの認識を強調しました。

政治家にとって四半世紀前の会合の記憶は曖昧であるとする主張がある一方で、有権者からは「追及する側」としての厳格な説明責任が求められる局面です。

今後の注目点

今後の焦点は、野田氏による調査結果がいつ、どのような形で公表されるかに集まります。

選挙期間中に具体的な事実関係が明らかになれば、中道改革連合だけでなく、野党共闘全体の追い風、あるいは逆風となるでしょう。

高市政権側がこの問題をどのように反論材料として利用するかも、選挙戦の行方を左右する重要な要素となります。

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