何が?父親は“脳死”、中傷ビラも 自殺偽装事件(2018/06/21 17:53)
- 練炭自殺に見せ掛けて弟を殺害したとして姉が逮捕された事件が広がりを見せている。事件の前には父親がインスリンを大量に摂取し、脳死状態に。また、死亡した弟の自宅周辺では、弟の妻を中傷するビラがまかれていたことも分かった。一家に何があったのだろうか。
- 大阪府堺市の足立朱美容疑者(44)。今年3月に3歳年下の弟・聖光さん(当時40)を殺害したとして20日に逮捕された。父親とともに建設会社を経営していた朱美容疑者。事務所は実家の1階で2階が両親の住まい。弟・聖光さんの遺体はこの2階のトイレで見つかった。中は煙っていて床に座り込んだ状態。タンクの上には練炭があったという。
- 足立朱美容疑者「(Q.自殺だと思うか?他殺だと思うか?)普通に考えて自殺だと思います。(会社の関係者から)なんらかの圧力が掛かったか、弟が知られたくないことを弱みを握られたか」
- 逮捕前のインタビューで自殺の可能性を強調していた朱美容疑者。10代後半の息子がいて両親とは別の家で暮らしていたが、この日はなぜか前日から泊まったという。一方、亡くなった聖光さん。実家を出て別の建設会社の社長をしていた。事件当日は、妻に「忙しいけどちょっと寄る」とメールをして実家に行ったとされる。そこで、事件が。遺体を見つけたのは妻。朱美容疑者に呼び出されたという。
- 足立朱美容疑者「義妹(弟の妻)がトイレのドアを開けて、『いやー』と一言、言って弟を引きずり出したんですけど、その後、私が心臓マッサージをしている間は(義妹は)『死んだ』と決め付けて電話していて、まだ温かいから『まだいける』と思いながら、ちょっと違和感を感じながら(マッサージをしていた)」
- 自らの関与を否定するような説明だが、警察の見立ては逆だ。聖光さんは、朱美容疑者に睡眠薬を飲まされてトイレに運ばれたとみられる。飲まされた家族は1人ではなかった。家族の異変は他にも。朱美容疑者の父親は1月、なぜかインスリンを大量に摂取。現在、脳死状態だ。この件について朱美容疑者は、弟・聖光さんの関与をにおわせていた。
- 足立朱美容疑者「(Q.遺書の内容は?)父親にインスリンを打ったということと、私の会社を吸収しようと思っていたと」「(Q.(父親も弟も)心当たりは全く?)ないです」
- 異変はまだあった。聖光さんの自宅周辺には事件後、こんなビラがまかれたという。
- 4月にまかれたビラ「聖光の妻は同僚と愛人関係にある。2人が聖光を自殺に追い込んだ」
- しかし、このビラに関連するデータが朱美容疑者の自宅のパソコンから見つかった。父親が倒れた後、聖光さんは妻に「朱美は気を付けろ」と話していたという。聖光さんの事件に関して警察はいくつもの不審な点を発見しているという。例えば、自殺をしたとされるトイレは接着剤で扉に目張りがされていたが、接着剤の容器や練炭を燃やしたマッチなどは別の部屋にあったとされる。警察は、聖光さん殺害の詳しい経緯を調べるとともに父親の件についても調べている。
「自殺」一転「殺人事件」 逮捕前の姉が語ったこと(2018/06/20 18:12)
- 当初、自殺とみられていた男性の死は一転して殺人事件となった。大阪府堺市で、弟を練炭自殺に見せ掛けて殺害したとして44歳の姉が逮捕された。
- 弟の死を涙ながらに語る足立朱美容疑者。だが、20日に弟殺害の疑いで逮捕された。大阪府堺市。3月に弟の聖光さん(当時40)が実家の2階のトイレで倒れていたところに居合わせた朱美容疑者。トイレには燃えた練炭が置かれていて、聖光さんの死因は一酸化炭素中毒。一見すると練炭自殺のような現場だった。現場には遺書のようなものがあったが、聖光さんが使わない言い回しが使われていたという。聖光さんの遺体からは睡眠導入剤が検出され、同種の睡眠導入剤が朱美容疑者の自宅から見つかった。聖光さんに睡眠導入剤を飲ませた後に練炭を燃やし、殺害した疑いが持たれている。朱美容疑者は容疑を否認している。朱美容疑者の周辺では1月に父親がインスリンを大量に摂取して脳死状態になっていて、警察がこの経緯も調べている。