課題も多く、今後はこれらの問題解決が問われる
現実的な課題・批判
- 充電インフラの混雑。急速な普及に伴い、特に休日や旅行シーズンには急速充電ステーションが「長蛇の列」となり、充電待ち渋滞が社会問題化。
- 電気代の高騰。欧州のエネルギー危機や水力発電の発電量変動により、EV充電コストが想像以上に高水準へ。家庭でも電気代が高騰し、EVを選んだ主な理由だった「燃料費の安さ」が揺らいでいます。
- 冬季・寒冷地での実用性。バッテリーの性能低下、充電時間延長、センサーやカメラへの雪の付着による自動運転機能の制限、車体が重いことによる「アスファルト摩耗粉塵の増加」といった副次的な健康・環境リスクも見られます。
- 地域間のインフラ格差。ノルウェー北部では充電インフラが充実していますが、南部では電力供給力不足もあり、インフラ整備の遅れや電力購入依存が課題とされています。
- ガソリン車・ハイブリッド車人気の復活も。近年、日本メーカーのハイブリッド車が人気を集めるなど、多様なモビリティ需要も健在です。
総合評価と今後の展望
- 世界のEV推進実験国として注目。ノルウェーはEV政策支援の効果・限界が双方鮮明に現れているため、今後の各国政策にとって参考ケースとされています。
- 完全なEV一本化には課題も多い。優遇措置の段階的縮小、充電インフラのボトルネック解消、恒常的な安価な電力供給の保証といった実務的な課題も明らか。
まとめ
- ノルウェーはEVの「理想」と「現実」の両面が可視化された先進事例です。驚異的な普及率とサポート体制によりEV交通社会のモデルとなっていますが、現実にはインフラやコスト、気候対応など課題も多く、今後はこれらの問題解決が問われる段階に入っています。
- 冨山和彦による本書は、日本社会が今後直面する少子高齢化による人手不足と、テクノロジー・デジタル化の進展によって生じるホワイトカラーの人余り(雇用の過剰)という、表裏一体の危機的現象をテーマとしています。
- グローバル産業では効率化・自動化が進み従来型の事務職が急速に減少。一方、ローカル経済では人手不足が深刻化する――この矛盾を背景に、働き方やキャリア、社会構造の大転換を日本に問いかけています。
人手不足・人余りの同時進行問題
- エッセンシャルワークは今後も需要が高く、現場で働く力がますます高評価・高賃金化しやすい
- 「ホワイトカラー」と括られる事務系職種は、AI・自動化で多くが消滅し、一部の高度人材やクリエイター、マネジメント層に集約される
「現場回帰」と「リスキリング」の必然性
- デジタル化の先においても現場での人間力・複雑対応力が重要視される
- 既存ホワイトカラーは、専門技術や資格取得を目指した能力転換が不可欠
社会全体への具体的提言
- ローカル経済とグローバル経済両面での人材流動性強化、教育・訓練システムの再構築
- 政策として生産性の低い企業の自然淘汰、成長領域への再配置を容認すべきと提案
本書が示す今後の働き方の方向性
- 「一つの会社、一つの職種で一生働く」時代の終焉
- 分野横断的な学び直し・転職が当たり前の社会観へのシフト
- エッセンシャルワークや地域志向のキャリア再評価
- 組織・企業も現場重視へ構造転換し、単純事務ではなく「現場+知性」の人材を育成
注目点
- 本書は、単なる警鐘にとどまらず、再生のための20の具体的提言を伴い、働く個人や企業がどうアクションを起こすべきか、その現実路線を力強く推進しています。
- 発売直後からビジネス書ランキングで上位入りし、社会的な関心も非常に高い一冊です。
どのように今後の働き方を変え、社会的転換の荒波を乗り切るのか――冨山氏の現実的な視点は、企業人・転職希望者だけでなく、日本社会全体のサバイバル戦略として重要な指針となっています。
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