ロシアのミサイル攻撃は生産・備蓄減少により半減 自爆ドローンが急増したが、イランの部品供給難で今後は減少

ウクライナ戦争に重大な変化もたらすイスラエルのイラン空爆、ロシアの無人機生産が激減へ

ミサイル攻撃の減少

  • ロシアによるウクライナへのミサイル攻撃数は、2023年の月平均約250発、2024年は300発以上だったが、2025年には平均130発と半減している。
  • この減少の主な要因は、ミサイルの生産量・保有量の減少であり、ロシアの備蓄が枯渇しつつあるとみられる。

攻撃規模の推移と理由

  • ミサイル攻撃の増減は、攻撃の効果、保有数・製造数の増減、ウクライナの攻撃への報復などが背景にある。
  • たとえば、冬季のエネルギーインフラ攻撃や、ウクライナによるロシア本土攻撃への報復で一時的に増加するが、全体としては減少傾向。

自爆型無人機(ドローン)攻撃の増加

  • ロシアはミサイルに代わり、イラン製「シャヘド」などの自爆型無人機による攻撃を増やしている。
  • 2024年8月以降、無人機攻撃は急増し、2025年には月間4500機近くに達している。
  • 無人機はミサイルに比べて安価で製造が容易なため、経済的苦境や資材・人員不足のロシアにとって現実的な選択となっている。

イラン・イスラエル情勢の影響

  • ロシアの無人機生産はイランからの部品供給に大きく依存しているが、2025年春以降、イスラエルによるイラン空爆でイラン自身がミサイル・無人機を大量に必要とする状況となり、ロシアへの部品供給余力がなくなっている。
  • そのため、今後ロシアの無人機生産は急速に減少する可能性が高い。
  • ロシアは中国への依存を強める可能性があるが、重要部品の調達は簡単ではなく、時間がかかる見通し。

ウクライナ側の対応と今後の展望

  • ウクライナは長距離無人機によるロシアの生産拠点攻撃や、防空兵器の強化によって対抗している。
  • ロシアの攻撃手段が減少すれば、今後の停戦協議でロシアの交渉力は低下する可能性がある。

まとめ

  • ロシアのミサイル攻撃は生産・備蓄減少により半減。
  • 代替手段として自爆型無人機攻撃が急増したが、イランの部品供給難で今後は減少が見込まれる。
  • ロシアの攻撃手段減少は、ウクライナ戦争の流れに重大な変化をもたらす可能性が高い。

あの国の本当の思惑を見抜く 地政学
B0DP2VK7RT