植物プランクトンの死骸がマントルによって運ばれ、原油の原料に
海が吸収した二酸化炭素は、海洋表層にいる植物プランクトンが光合成を行うことで利用されます。植物プランクトンは太陽光をエネルギーに、二酸化炭素と水から有機物を作り出し、その過程で酸素を放出します。この光合成活動が海中の二酸化炭素濃度を下げるため、大気中から海への二酸化炭素の吸収が促進されます。
そして、植物プランクトンが繁茂して大増殖することがありますが、彼らの死骸は炭素を含んだまま海底へと降り積もります。この炭素は有機物の形で海底に堆積し、地殻のプレート運動によってマントル内に運ばれることもあります。その有機炭素が長い年月をかけて石油の原料になることが知られています。
この一連のプロセスは「生物ポンプ」と呼ばれ、海が大気中の二酸化炭素を吸収し、長期的に隔離する仕組みとして地球の気候調節に貢献しています。
要点まとめ
- 植物プランクトンが光合成で海中のCO2を利用し酸素を放出
- 増殖した植物プランクトンの死骸が炭素を含んで海底に堆積
- 堆積物はプレート運動によってマントルに運ばれ、石油の原料となる
- この炭素循環は地球の気候安定に重要な役割を持つ
この仕組みにより、海は大気中の二酸化炭素のかなりの部分を吸収し、地球温暖化の抑制にも寄与しているのです。
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