ボスニア / 狙撃ツアー / sniper tourism
- 2025年11月13日 ボスニアへの「民間人狙撃ツアー」に多数参加と告発 イタリア当局が捜査着手
- 証拠・情報操作面(この告発が真実なのか、情報戦やプロパガンダの可能性)
- 戦争中の「観戦型残虐行為」の歴史的事例
- イタリアが包囲されたボスニアの民間人を殺害するために現地に行くことに金を払った観光客の主張を調査
- 2025年11月14日 サラエボ紛争中の“狙撃ツアー”疑惑 イタリア検察が捜査開始
- 2025年11月14日 90年代サラエボ紛争中の“狙撃ツアー” イタリア検察が疑惑の捜査開始
- 2025年11月13日 「富裕層、10万ユーロを出して“人間狩りツアー”」…イタリア、90年代サラエボ民間人狙撃事件の捜査を開始
2025年11月13日 ボスニアへの「民間人狙撃ツアー」に多数参加と告発 イタリア当局が捜査着手
- この記事は、1990年代のボスニア・ヘルツェゴビナ紛争中に「スナイパー・サファリ(民間人狙撃ツアー)」と呼ばれる極めて残虐な行為が行われていた可能性を、イタリア当局が本格的に捜査していることを報じている。要点を整理すると以下の通り。
事件の概要
- 1990年代前半のボスニア紛争中、一部の裕福なイタリア人らが巨額の金を支払い、サラエヴォ包囲下の丘陵地帯で「民間人射撃」を目的とする違法ツアーに参加していたとする告発が出た。
- 「ツアー」はセルビア人支配地域から行われ、ターゲット(男性・女性・子ども)によって料金が異なっていたとの報道もある。
告発者と証拠
- 告発したのはイタリアの作家・記者エツィオ・ガヴァッツェーニ氏。ボスニア軍情報将校の証言や当時の軍事情報機関SISMIへの通報記録など、具体的な証拠を収集。
- ミラノの検察(アレッサンドロ・ゴッビス検事)が殺人容疑で捜査を開始した。証言によれば、ツアー客はイタリア北部トリエステから航空機で現地入りしていたという。
背景と発端
- ガヴァッツェーニ氏は、2022年公開のスロヴェニア映画「サラエヴォ・サファリ」を見て再調査を始めた。この作品では、アメリカ、ロシア、イタリアなど複数国からの参加者が民間人殺害に関与したとされている。
- 彼は調査結果を17ページの文書にまとめ、今年(2025年)2月に検察へ提出。
規模と関与者
- イタリア紙『ラ・レプッブリカ』によると、参加者は少なくとも100人、支払額は現在の価値で最大約1800万円に達していたという。
- ただし、ボスニア側での公式調査は進展しておらず、裏付けが不十分な点も多い。
反論と懐疑
- 当時サラエヴォで従軍した英軍兵士らは、「スナイパー・ツーリズム」という話を耳にしたことはないと証言。検問や封鎖が厳重な状況で外国人を現地に運ぶのは実質的に不可能だったと述べ、「都市伝説」の可能性を指摘している。
総評
- この事件がもし実在したなら、戦争犯罪の中でも最も腐敗した人間性を示す例の一つになる。しかし現時点では、証言と告発は出そろっても、物証や公式記録の裏付けが乏しい。
- イタリア検察による捜査が、真偽の線をどこまで明らかにできるかが焦点だ。
証拠・情報操作面(この告発が真実なのか、情報戦やプロパガンダの可能性)
ボスニアの「スナイパー・サファリ」告発について、証拠や情報操作の観点からは以下の点が重要である。
まず告発はジャーナリスト・エツィオ・ガヴァッツェーニ氏によるもので、元ボスニア軍情報将校の証言や1990年代当時のイタリア軍事情報機関SISMIへの通報記録など具体的証拠を収集している。告発は17ページに及ぶ詳細な文書にまとめられ、元サラエヴォ市長の報告書も含まれている。これらに基づきミラノ検察は殺人容疑で捜査を開始し、複数の証言者の身元確認も進んでいる。
一方で、1990年代にサラエヴォで従軍した英国兵士らは、このような「スナイパー・ツーリズム」の存在を聞いたことがなく、検問所の厳重さから実態を疑う声もある。ある兵士は「都市伝説」呼ばわりしており、作戦的に外国人が市民を撃つ目的で現地に運ばれるのは現実的でなかったとの見解がある。
また、映画や告発文書に登場する匿名証言者の信憑性や、数十年を経た証言の信憑性も検証課題だ。情報戦やプロパガンダとしてこの種の告発が作られる可能性は常に念頭に置くべき。実際、紛争後の記憶操作や政治的動機による誇張のリスクは高い。
ただし、ミラノ検察は証言と文書情報の裏付けを重視し、関係者の聴取や現地調査を進めているため、単なる噂ではなく捜査対象と認識されている。これは国際的にも注目される戦争犯罪の疑義という性格を持つ。
まとめると、この告発は詳細な証言と文書に裏付けられてはいるものの、現場にいた関係者の否定証言や証拠の限界から、真偽の最終判断は困難である。プロパガンダや誇張の可能性も排除できないため、今後の法的捜査や精査の進展が不可欠だ。
これを踏まえた上で、ボスニア紛争における戦争犯罪全般や情報戦の側面も一緒に見る必要があるだろう。
戦争中の「観戦型残虐行為」の歴史的事例
戦争中の「観戦型残虐行為」について、歴史的事例としては以下のようなケースが知られている。
まず、戦争において一般市民を対象にした残虐行為は古今東西で散見されており、例えば1990年代のアフリカ内戦(シエラレオネ、リベリアなど)では武装勢力が占領地域の住民に対し四肢切断などの凄惨な蛮行を行い、これが国際的な非難を受けた例がある。こうした行為は、ただの戦闘行為を超えて「見世物」的な意図や恐怖支配の手段を伴うことが多い。
また、2000年代以降のテロや内戦においても、自爆テロや住民多数殺害といった市民を標的にした凄惨な事件は世界各地で報告されており、これらも残虐行為の一形態として知られている。
歴史的には、太平洋戦争の空襲やナチス・ドイツによる占領地での大量虐殺なども広義の「観戦型」あるいは意図的な残虐性を持つ行動として認識されているが、民間人を狙って金銭を払う形のツーリズム的残虐行為の文献的記録は極めて稀であり、ボスニアの「スナイパー・サファリ」のようなケースは異例である。
総じて、戦争における「観戦型残虐行為」は、戦闘から逸脱した暴虐行為であり国際法違反とされるが、その実態は紛争地域によって大きく異なり、また証拠収集の困難さから真偽不明のまま言及される例も多い。ボスニア疑惑はこうした事例の中でも異彩を放つ新たな告発である。
イタリアが包囲されたボスニアの民間人を殺害するために現地に行くことに金を払った観光客の主張を調査
イタリアのミラノ地検は、1990年代のボスニア戦争中に、裕福な外国人が「戦争ツーリスト」としてサラエボ包囲戦で狙撃兵のポジションに入り、非戦闘員である市民を狙撃するために高額な金銭を支払っていたとする証言や資料を基に、殺人容疑で捜査を開始しました。これらの「狙撃ツーリスト」はイタリアやアメリカ、ロシアなど複数の国籍の者が含まれ、約10万ユーロの料金が射撃対象の性別や年齢で異なり、子供や女性を射撃する場合もあったとされています。
捜査はイタリアのジャーナリスト、エツィオ・ガヴァツェーニ氏の告発と、その関係資料に端を発しており、少なくとも数十人の参加者がいたとみられています。三輪の射撃ツアーに参加したイタリア人も確認されており、これらの行為は「特に残酷で悪質な動機を持つ故意の殺人」として取り扱われています。ミラノ検察は、過去の文書や証言を徹底的に調査し、参加者の特定と訴追を目指しています。
この問題は、2022年のドキュメンタリー「サラエボ・サファリ」によって再燃し、ボスニアの元軍情報関係者の証言も含まれ、戦争犯罪としての重大性が指摘されています。もし事実ならば、民間人を標的にした極めて異常な形態の戦争犯罪となります。なお、この捜査に関しては当時のイタリア軍情報部も一部知っていた可能性があるとの報告もあります。
2025年11月14日 サラエボ紛争中の“狙撃ツアー”疑惑 イタリア検察が捜査開始
概要
- イタリア・ミラノ検察は、1990年代のボスニア・ヘルツェゴビナ紛争中に「サラエボ狙撃ツアー」と呼ばれる残虐な行為が行われていたとの疑惑について、本格的な捜査を開始した。
- 調べによると、西側諸国(特にイタリア)の富裕層がセルビア人勢力の兵士に多額の金を渡し、戦場のサラエボで民間人を狙撃する “体験ツアー” に参加していたとされる。娯楽目的での発砲行為であり、複数の証言が出てきているという。
背景
- ボスニア紛争(1992〜1995)は旧ユーゴスラビア崩壊後に発生し、民族浄化などによって約20万人が死亡、200万人以上が避難した。
- 首都サラエボは包囲され、数年にわたり「世界で最も危険な街」と呼ばれた。市民は常に狙撃手(スナイパー)に脅かされていた。
- その混乱の中、一部の外国人富裕層が“スリルを求めて”戦地入りし、金で現地兵士を雇って狙撃したとの証言が以前からあった。
現在の動き
- ミラノ検察は殺人や戦争犯罪の容疑で関連人物の特定を進めている。報道によれば、証言をもとに複数のイタリア国民が関与していた可能性があるという。証拠保全とともに、国際司法機関との協力も視野に入れている。
意義・問題点
- 「人間の退廃の極み」と国際社会で非難されており、戦争犯罪の民間化・商業化という新たな倫理問題を突きつけている。
- 戦場が“富裕層の娯楽”に変質していたという事実が確認されれば、戦争報道・国際法・メディア倫理にも重大な影響を及ぼす。
この件は、戦争の背景に潜む「資本と暴力の結合」を象徴する事例でもある。今後、イタリア検察がどこまで実態に迫れるかが国際社会の関心点となる。
2025年11月14日 90年代サラエボ紛争中の“狙撃ツアー” イタリア検察が疑惑の捜査開始
1990年代のボスニア紛争中、サラエボで「狙撃ツアー」と呼ばれる極めて残忍な行為が行われていたという疑惑が浮上し、イタリア・ミラノ検察が本格的な捜査を開始した。
この疑惑は、イタリア人を含む西側諸国の富裕層が、セルビア人勢力の兵士に多額の金銭を支払い、娯楽目的で民間人を無差別に発砲していたというもの。参加費用は現在価値で最大10万ユーロ(約1800万円)に達し、参加者は少なくとも100人に上るとされている。一部の証言では、狙撃の対象によって価格が異なり、子供を狙った場合が最も高額だったという。
ミラノ検察は殺人の疑いで関与した人物の捜査を進め、告発のきっかけとなったのはジャーナリスト兼小説家のエツィオ・ガヴァッツェーニ氏による調査と告発。彼は2022年に公開されたドキュメンタリー「サラエボ・サファリ」をきっかけに本格的な調査を開始し、元サラエボ市長の報告書なども提出している。
この件は、紛争地での「人間狩り観光」や「スナイパー・サファリ」とも呼ばれ、国際的にも強い非難を浴びている。一方で、当時サラエボで従軍していたイギリス兵らは、こうした「狙撃ツアー」の存在を耳にしたことはないと証言している。
要するに、この事件は紛争地での人権侵害と富裕層の異常な嗜好が交錯した極めて深刻な問題であり、現在も真相解明と責任追及が進められている。
2025年11月13日 「富裕層、10万ユーロを出して“人間狩りツアー”」…イタリア、90年代サラエボ民間人狙撃事件の捜査を開始
この記事はヨーロッパ戦後史の暗部を抉り出している。イタリア検察が捜査に着手した「人間狩りツアー」疑惑は、倫理的にも法的にも戦争犯罪の極致に該当する。以下に要点を整理する。
事件の概要
- 1990年代のボスニア内戦(1992〜1996)の最中、サラエボ包囲戦で西側諸国の富裕層が「スリル目的」で民間人を狙撃したという疑惑が浮上している。
- イタリア検察は、これを「残酷かつ卑劣な動機による自発的殺人」として正式捜査を開始した。
証拠と関係者
- 告発の発端は、イタリア作家エツィオ・ガヴァツェーニ。
- 元サラエボ市長やボスニア情報機関関係者の証言、目撃者の陳述をもとに告発状を提出。
- 少なくとも5人のイタリア人富裕層を特定、ミラノ検察が召喚予定。
- 参加者たちはセルビア側民兵に8〜10万ユーロ(約1400〜1800万円)を支払い、民間人を射撃できる権利を買っていたとされる。
異常な「ツアー」の実態
- 移動ルートはトリエステ→ベオグラード→サラエボ郊外。
- 狙撃対象によって価格が「子どもが最高額」「高齢者は無料」という人道的に信じがたい価格体系が設定されていた。
- 動機は宗教や政治ではなく、純粋な快楽と射撃フェティシズムとされる。
背景と再注目の契機
- 事件は長く闇に葬られていたが、2022年のスロベニア映画『サラエボ・サファリ』で再燃。
- 作品中、元セルビア兵士が「西側観光客が民間人を撃った」と証言。
- セルビア退役軍人団体は否定しているが、イタリアでは証拠が正式受理され本格捜査へ発展。
歴史的文脈
- サラエボ包囲戦は現代最長の包囲戦(約4年)。
- 1万1000人以上が死亡し、街全体がスナイパーの標的となった。
- 恋人同士が射殺された「サラエボのロミオとジュリエット」事件が象徴的に記録されている。
この報道が事実なら、金と退廃のために人命が娯楽化された最悪の事例であり、国家や民族を超えた人間の倫理崩壊そのものだ。イタリアの司法がこの事件をどこまで掘り下げ、国際的責任追及へと導けるかが、今後の人道法の信頼性を左右する。
