タイの大麻自由化により農家が増え、大麻の流通量が増加した結果、密輸の温床に
タイでは2022年6月にアジアで初めて大麻を合法化し、医療および娯楽目的での大麻使用が認められたことから、大麻産業が急速に発展している。2023年には約7700店もの大麻ショップが国内に登録されるほど乱立が進み、経済面では2025年に市場規模が約1700億円に達すると予測されている。これには観光客の利用が大きく寄与しているという。
しかし、近年は無秩序な販売や乱用への懸念から2025年6月に規制が強化される改正も行われ、栽培者には公衆衛生省の認証(GACP)が義務付けられ、不正な営業や無認可栽培者・販売者には処罰も課されるようになっている。農家の増加も規制強化の背景の一つである。
こうした合法化の動きによって、タイ国内では大麻生産と流通が活発化し、それが海外への密輸増加にもつながっていると見られている。
タイの大麻自由化により農家が増え、大麻の流通量が増加した結果、密輸の温床ともなっている。
2025年09月28日 タイから韓国経由でマカオへ大麻密輸…マレーシア人の運び屋の男逮捕
- マカオ司法警察局は9月26日、マカオ国際空港でマレーシア人の男(19)が乾燥大麻を密輸しようとしたとして逮捕したと発表した。
事件の概要
- 男はマレーシアで犯罪組織に運び屋として雇われ、タイで大麻入りのスーツケースを受け取った。
- 経路は「タイ → 韓国経由 → マカオ」で、マカオに到着後に検査を受け発覚。
- 押収量:乾燥大麻16袋、総重量8986.5グラム(約9kg)。
- 末端価格:約900万パタカ(約1億6850万円)。
犯行の目的と報酬
- 大麻の最終目的地は香港。
- 成功報酬は5000マレーシアリンギット(約18万円)とされる。
マカオ当局の対応
- 麻薬・向精神薬密売罪で検察院に送致予定。
- マカオ司法警察局は空路を利用した国際密輸が増加している現状を踏まえ、リスク評価を強化中。
背景
- 近年、タイ発の旅客による大麻を含む違法薬物のマカオ向け密輸事件の摘発が相次いでおり、香港をターゲットとした密輸ルートの一部にマカオが利用されている実態が浮き彫りになっている。
