タイ 2022年に大麻の一般使用と栽培を許可 2025年に医療以外の大麻使用を禁止

麻薬

 

トランプ関税19%へ大幅引き下げ その裏でタイが差し出した譲歩とは?

トランプ米大統領の決定により、米国はタイ産品への輸入関税を従来の36%から19%へ大幅に引き下げました。この引き下げは、タイ政府が非関税障壁の緩和や米国企業への投資優遇措置など、多方面にわたる譲歩をしたこと、そしてタイとカンボジア間での武力衝突が停戦に至ったことが背景にあります。タイ政府は、これらの譲歩内容を公表しており、特に中国製品のタイ経由による米国流入対策として厳格な原産地規則を導入したことが強調されています。米国は2025年08月1日以降、タイからの輸入品に対し19%の関税を課しています。

譲歩の内容には、以下が含まれています:

  • タイ国内で不足または生産されていない医療機器や特殊食品、自動車部品など、約1万品目の米国からの輸入品に対する関税撤廃
  • 衛生規制や通関手続きの緩和、通関後監査方式の導入により輸出コスト削減を目指す非関税障壁の削減
  • 米国企業に対する投資インセンティブの提供(特にクリーンエネルギー、半導体・ICT、物流分野での優遇)
  • 米国からの液化天然ガス(LNG)やボーイング機の購入計画による対米貿易収支の均衡化
  • 2030年までに対米貿易黒字を70%削減する目標
  • 厳格な原産地証明制度導入により、中国製品のタイ経由による関税回避を防止
  • 米国のデジタル/クラウドサービス企業の税率引き下げ措置
  • 米国農産品の輸入割当枠拡大による農業分野の支援

なお、タイは米国におよそ1万1000品目輸入しているうち9割に関税撤廃や大幅緩和を提供した一方、農産品の一部など戦略物資は関税を維持し国内産業保護も図っています。

また、米側は両国の武力衝突停止を条件に貿易交渉を再開し、トランプ氏が停戦合意直後に交渉指示を出すなど安全保障面も関税引き下げの重要因子となっています。

これによってタイは、ベトナムやインドネシアと並び米国市場での競争力を回復し、地域の主要貿易国として有利な位置を維持することが期待されています。

要点としては、「米国がタイ産品の関税を36%から19%に大幅引き下げたのは、タイが非関税障壁の緩和や投資優遇措置、厳格な原産地規則の導入など広範囲の譲歩を行い、さらに武力衝突を停戦した結果である」ということです。新しい関税率は2025年08月1日以降に適用されています。

 

 

タイで医療以外の大麻使用を禁止へ~「最終的には再び“麻薬”に戻す」

現状と新たな規制内容

  • 2025年06月24日、タイ保健省のソムサック・テープスティン大臣は、大麻の使用を医療目的に限定し、将来的には再び「麻薬」に分類する方針を正式に発表しました。
  • これまで大麻は「伝統医療」などを理由に規制が緩く、多くの販売店が乱立していましたが、「本来の目的を逸脱している」として、2025年06月23日に医療用限定の新たな規制に署名しました。
  • 今後は大麻の使用には医師の処方と診断書が必須となり、娯楽目的での利用は全面的に禁止されます。

規制の具体的な内容

  • 医療用途に限定し、娯楽利用は禁止。
  • 購入・使用には医師の診断書が必要。
  • 大麻関連ビジネスには厳しい営業許可基準が設けられ、違反が2回あれば営業停止となる見通し。
  • 新規ライセンス制度導入や未成年・妊婦への販売禁止など、規制が大幅に強化されます。
  • 罰則も強化され、違反者には重い罰金やライセンス取消の措置が科されます。

今後の見通しと議論

  • ソムサック大臣は「いずれ大麻は正式に“麻薬”として扱われることになる」と述べており、最終的には再び麻薬リストに戻す方針を示しています。
  • ただし、2025年1月1日から「麻薬リスト入り」と伝えられていたものの、現時点では「麻薬として再分類するのではなく、法律によって厳格に規制する」という方向転換も議論されています。
  • 法案の成立や詳細な運用は今後の議会審議に委ねられており、完全な「再犯罪化」か、厳格な管理下での医療用限定かは、最終的に議会の判断となります。

背景

  • 2022年にタイはアジアで初めて大麻の一般使用と栽培を認め、経済効果や観光業への期待から大麻産業が急成長しました。
  • しかし、規制の緩さから販売店の乱立や娯楽目的利用の拡大が社会問題化し、規制強化の流れとなりました。

まとめ

  • タイでは2025年06月から大麻の規制が大幅に強化され、医療目的以外の使用は禁止されます。今後は医師の診断書が必要となり、違反には厳しい罰則が科されます。最終的には再び「麻薬」として扱う方針が示されていますが、現時点では法律による厳格な管理が進められており、今後の議会審議が注目されています。

 

 

タイで解禁の医療用大麻 危険な違法製品も

[2019/08/23 08:55]

  • カナダやアメリカの一部の州で大麻が合法化され、日本でも検討を求める声が上がっています。そんななか、タイで医療用の大麻が解禁され、一部で違法製品まで容認する考えが広がっています。
  • タイで今年2月に医療用の大麻が解禁されたことを受け、現地の製薬メーカーのみならず、大学までもが製品の開発に乗り出しています。
    ランジット大学・リラワット教授「研究の結果、大麻に含まれる成分が胆管がん細胞の成長を抑える効果があることが分かった。大麻から安全な医薬品を作ることが今の目標だ」
    一方で、大麻製品を非合法的に製造している団体があることがANNの取材で明らかになりました。
    タイの伝統医「警察は逮捕したいならしてみろ。私の行為は違法だが、道徳的には間違っていない」
    この男性は何と自身で違法に“大麻オイル”を作り、希望者に提供しているといいます。
    タイの伝統医「一般の医薬品では治せない病気も大麻なら簡単に治すことができると信じている」
    伝統医は「金もうけが目的ではなく、病気で困っている人を助けたいだけ」と主張。製造費はすべて支援者らの寄付で賄われていて、この日は約300人に手渡されました。
    タイの伝統医「国が認可した大麻オイルより私が作ったものの方が安くて効果がある。国のものは高くて効果があるのか私は知らない」
    集まった市民も医療用の大麻は解禁されていて、違法製品だとしても不安はないと話します。
    大麻オイルの希望者「大麻は新たな治療方法であり、解禁して良かったと思う。実際、とても効果的だよ」「大麻はただの植物よ。化学薬品じゃないから安全だわ」
    さらに、目を疑うような光景が。大麻オイルが渡されている現場のすぐ近くには地元の警察官もいますが、取り締まる様子はありません。管轄する警察署に問い合わせると「伝統医は患者のためにセミナーなどをしていて、オイルもハーブで作ったものと聞いている」と話し、捜査はしていないことを示唆しました。
    ランジット大学・リラワット教授「大麻製品は用途を間違うと得られるはずの多幸感が不安や憂鬱(ゆううつ)な気持ちに変わり、最悪、精神病になる。患者は使用方法を必ず守るべきだ」
    医療用に限ったとはいえ、解禁されたことで「大麻は危険ではない」といった誤った認識を広める危険性があることが浮き彫りになっています。

 

 

 

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