ホンジュラスを巡る米中関係は、主に台湾外交と経済影響力の競争が焦点
ホンジュラスを巡る米中関係は、主に台湾外交と経済影響力の競争が焦点です。2023年にホンジュラスが台湾と断交し中国と国交樹立したものの、期待された中国投資が少なく経済不振が続き、米国の影響力が再強化される可能性が高まっています。
- 中国の影響拡大
中国はインフラ投資や貿易でホンジュラスに接近し、中南米での「裏庭」支配を狙いました。しかしカストロ政権下で成果が薄く、国民反発を招きました。アスフラ氏勝利で中国離れが進む兆候が見られます。 - アメリカの対抗策
トランプ政権はアスフラ氏支持と恩赦で介入し、不法移民・麻薬対策を強化。中国の影響抑制を外交目標に掲げ、台湾国交復活を後押しする立場です。米ホンジュラス貿易(送金GDP25%超)が基盤です。
ホンジュラスはアメリカへの違法薬物輸出の主要経路
ホンジュラスは長年、アメリカへの違法薬物輸出の主要経路として知られています。特にコカインがコロンビアやペルーからホンジュラス経由で北上し、メキシコカルテルを通じて米国に流入していました。
- 歴史的背景
1980年代以降、ホンジュラスは中継地として麻薬密輸のハブ化。カリブ海ルートから陸上ルートへ移行し、米墨国境経由でコカインの90%近くが運ばれました。政治家や治安当局の汚職がこれを助長し、MS-13などのギャングが関与しています。 - 選挙との関連
前大統領エルナンデス氏は400トン以上のコカイン密輸を共謀したとして米で禁錮45年。アスフラ氏勝利とトランプ氏の恩赦が、この麻薬問題の文脈で国内外の批判を強めました。
ホンジュラス政権
| 氏名 | 姿勢 | 着任 | 離任 | 政党 |
|---|---|---|---|---|
| フアン・オルランド・エルナンデス | 親米 | 2014年1月27日 | 2022年1月27日 | 国民党 |
| シオマラ・カストロ | 親中 | 2022年1月27日 | 2025年12月31日 | 自由復興党 |
| ナスリー・アスフラ | 親米 | 2026年1月 | 国民党 |
「ホンジュラスはアメリカへの違法薬物輸出の主要経路」なのに「エルナンデス受刑者にトランプ氏が恩赦を与えた」のはなぜか?
トランプ氏がホンジュラス前大統領フアン・オルランド・エルナンデス受刑者に恩赦を与えた主な理由は、ホンジュラス国民の強い支持と選挙戦略です。トランプ氏はエルナンデス氏が「不当な罠にかかった」と主張し、バイデン政権の政治的迫害だと位置づけました。
- 恩赦の政治的文脈
選挙直前に恩赦を発表したのは、国民党候補アスフラ氏の勝利を後押しするため。トランプ氏はアスフラ氏を「自由の友人」と呼び、支援継続を条件に付けました。エルナンデス氏は過去に米麻薬対策で協力したとされ、国民の間で無実を信じる声が多かった点も影響しています。 - 麻薬問題との矛盾
ホンジュラスが米へのコカイン経路である中での恩赦は批判を招きましたが、トランプ政権は移民・麻薬流入抑制を優先。アスフラ新政権との協力で実効的な抑止を狙ったと見られます。
アスフラ氏とエルナンデス氏の関係
ナスリー・アスフラ氏とフアン・オルランド・エルナンデス氏は、同じ右派政党「国民党(PN)」の所属で、政治的に密接な関係にあります。アスフラ氏は首都テグシガルパの市長を務め、エルナンデス政権下で国民党の有力幹部として活動していました。
- 同党内の協力関係
エルナンデス氏の在任中(2014-2022年)、アスフラ氏は国民党の主要メンバーとして市政を担い、トランプ氏の支持表明で両者のつながりが強調されました。選挙ではトランプ氏がエルナンデス氏恩赦とアスフラ氏支援を連動させ、党勢回復を狙いました。 - 論争の背景
エルナンデス氏の麻薬密売罪が党のイメージを損なう中、アスフラ氏勝利は国民党の継続支配を意味しますが、不正疑惑で批判を浴びています。
アメリカの国益を考えて一連の対処をした?
トランプ氏の一連の対処(アスフラ氏支持とエルナンデス氏恩赦)は、アメリカの国益を優先した現実主義的な判断と見られます。不法移民・麻薬流入抑制と中国影響力排除を主眼に、中米の親米政権維持を狙いました。
- 国益の具体的内容
ホンジュラスは米へのコカイン主要経路で、年間数万人の移民源泉国です。エルナンデス氏恩赦とアスフラ氏支援で国民党政権を安定させ、麻薬・移民対策の協力強化を図りました。トランプ氏はエルナンデス氏を「不当判決の被害者」と位置づけ、バイデン政権の司法を批判しつつ、実効支配を優先。 - 地政学的文脈
中国のホンジュラス接近(台湾断交後)を封じ込め、親米右派勝利で台湾復交と経済優位を確保。短期的な麻薬批判を上回る長期国益(安全保障・貿易)を重視した戦略です。
一見矛盾しているように見えるが、アメリカの一貫した行動
トランプ政権の一連の行動は、一見矛盾する麻薬恩赦に見えつつも、アメリカの移民・安全保障優先という一貫した「アメリカ・ファースト」路線に基づいています。ホンジュラスへの介入は短期批判を覚悟の上で、長期的な国益確保を狙ったものです。
- 政策の一貫性
トランプ氏は過去から麻薬・移民流入を中米右派政権との協力で抑止する方針を維持。エルナンデス氏恩赦は「政治的被害者」扱いしつつ、アスフラ氏勝利で実務的抑止力を強化。ルビオ国務長官の協力表明もこれを継承しています。 - 矛盾の解消
麻薬経路国への麻薬犯恩赦は表面的矛盾ですが、地政学的現実主義(中国排除・親米政権安定)が優先。トランプ政権のトップダウン外交は常に結果主義で、司法イデオロギーより実効性を重視します。
2025年12月25日 ホンジュラス大統領選、トランプ氏が支持したアスフラ氏が勝利
ホンジュラス大統領選挙で、トランプ氏が支持したナスリー・アスフラ氏が僅差で勝利しました。投票は2025年11月30日に行われ、開票遅延や不正疑惑で数週間争われましたが、12月24日に最終結果が発表されました。
- 選挙結果の詳細
国民党のアスフラ氏が得票率40.3%で当選。中道右派自由党のサルヴァドル・ナスララ氏が39.5%で僅差の2位となり、左派リブレ党候補は3位に終わりました。開票システムのクラッシュや手作業集計が必要になったため、全国で抗議デモが発生しました。 - トランプ氏の関与
トランプ大統領は選挙直前にアスフラ氏を支持し、敗北なら支援停止を警告。アスフラ陣営の前大統領フアン・オルランド・エルナンデス氏(麻薬犯罪で米服役中)に恩赦を与え、干渉との批判を招きました。退任するシオマラ・カストロ大統領はこれを「選挙クーデター」と非難しています。 - 米国の反応
マルコ・ルビオ国務長官は結果尊重を求め、次期政権との協力で不法移民対策と経済強化を表明。アルゼンチンのミレイ大統領ら右派指導者も祝福しました。

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