リュックの背負いベルトを伸ばし過ぎ 頭が悪いことが露呈 他人に迎合する意志の弱い人の証明

リュックの肩ひも、長すぎ!

しばらくすると、山道の下のほうから人の声が聞こえてきた。おばちゃんのグループだ。彼女たちは、力エル状態の私を見るなりすとんきよう素っ頓狂な声をあげた。「あんたあ、何ふびんやってんの」。よっぽど不閥に思えたのか、水やらナッツやらをぐいぐい押し付けてくる。彼女たちだって、あと10キロは歩かねばならないにもかかわらず。どうやらフランスのル・ピュイからずっと歩いている、アメリカ人のグループらしい。おばちゃんたちは私を助け起こすと、ロ々にチェックを始めた。

肩ひもを調節してからは、驚くほど身体が軽くなった

「リュックの肩ひも、長すぎ!それじゃ荷物をお尻の上に乗せてるみたいじゃないの。肩ひもは脇にぴったり付くぐらいじゃないとダメよ」「あんたなんで長袖なのよ。Tシャツ持ってないの?あげようか?J「山を歩く時は小股で歩くのよ。あらっ、その靴、大きいわねえ!靴下2枚履きなさいよ!」う、うう。しまいには「あんたの荷物、重すぎ!見せてごらん、いらないもの捨ててあげるからjJと言い出したので「わーっ、やる、やる、自分でやるからJJと、私はあわててリュックを抱え込んだ。これがカミーノの洗礼なのか。出発前に聞いていた、この道を歩く人々はみんな驚くほど親切でフレンドリー、というのはどうやら本当みたいだ。おばちゃんたちの言う通り、肩ひもを調節し、歩き方を変えてからは、驚くほど身体が軽くなった。

人生に疲れたらスペイン巡礼

飲み、食べ、歩く800キロの旅

B013G57FFS