クリスチャン・ラッセンの作品は「日本のヤンキー文化」「どんなに頑張っても垢抜けず安っぽい趣味に染まりやすい田舎者」

まとめ

 

ラッセンとは何だったのか?[増補改訂版]
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マリン・アーティストとして知られるクリスチャン・ラッセンの作品とその社会的受容を多角的に分析した評論集です。この本は、ラッセンのイルカなどの代表的モチーフを文化的・図像的に分析するとともに、日本の消費社会や現代美術制度の視点からその意味を考察しています。

ラッセンは日本で人気があり、多くの人に「癒し」を提供するマリンアートの画家として知られていますが、現代美術界では批判や無視の対象となってきました。この本では、ラッセンの作品が単なる消費されるインテリアアートなのか、あるいはアウトサイダー的な位置づけにあるのかといった論点が議論されます。また、日本の「ヤンキー文化」との類縁性なども指摘され、ラッセンを通じて現代日本の美術観や社会の欲望、規範を反省的に捉え直す試みがなされています。15名の美術評論家や哲学者、精神科医などが執筆しており、ラッセンをめぐるタブーや偏見を乗り越え、純粋に作品とその位置づけを考えるきっかけとなる本です。

要するに、本書はラッセン作品の社会的意味と現代美術システムや日本の消費文化との関係を深く掘り下げ、単なる「売れる絵」としての批評を超えて、現代の視覚文化や精神構造を映し出す鏡の役割を果たしていると評価されています。

 

 

日本の「ヤンキー文化」とクリスチャン・ラッセンの作品の類縁性

日本の「ヤンキー文化」とクリスチャン・ラッセンの作品には類縁性が指摘されている。クリスチャン・ラッセンはアメリカの海洋画家で、バブル期の日本で特に人気を博したが、その作品は「ヤンキー的な絵」と評価されることがある。この「ヤンキー」とは、日本で「どんなに頑張っても垢抜けず安っぽい趣味に染まりやすい田舎者」の意味で使われている。

ラッセン作品の鮮やかな色彩や幻想的な海洋生物の描写は、日本のヤンキー文化と結びついている。ヤンキー文化が好む派手でわかりやすい趣味性は、ラッセンの絵の大衆迎合的な要素と響き合っている。また、ヤンキー層はスピリチュアル的な感性や占い、お守りなどにも親和性が高いとされ、その点でもラッセンのニューエイジ的要素とヤンキー文化との間に「捻れた」親和性があると分析されている。

日本の現代美術の主流からは外れたものとして嘲笑されることも多いが、ヤンキー層にとっては癒しや憧れの対象となり、彼らの感性に合致したアートとして支持された。要は、ラッセンの作品は日本のヤンキー文化の趣味性や精神性と結びついた独特の美術的現象であると言える。

まとめると、ラッセンの鮮やかな海洋画は日本のヤンキー文化が好む派手さや大衆迎合的な特徴を持ち、スピリチュアルやニューエイジ的要素と融合しつつ、ヤンキーの感性にアピールしたため、両者に類縁性が認められている。これは単なる趣味の偶然以上に文化的な接点を示しているとされている。

 

 

類縁性

「類縁性」とは、広くは「互いに近い関係にあること」や「つながり・ゆかりがあること」を指します。具体的には以下のような意味があります。

  • 親類や一族といった親しい関係性のこと(親類縁者としての類縁)。
  • 似た性質や特徴を持ち、関連性や結びつきがある状態。
  • 生物学や言語学では、共通の起源や要素を共有していることを指し、たとえば言語の類縁性は共通の言語的特徴や歴史的起源を意味します。
  • 人間中心ではなくあらゆる命を「類縁」と捉え、自然や生態系における存在間の複雑な相互関係を重視する哲学的・文化的な概念としても用いられます。

要するに、類縁性は「あるもの同士が親しい関係や共通点によって結ばれていること」を指し、その対象は人間関係、言語、自然、生態系など多岐にわたります。

 

 

青の純度
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バブル期に一世を風靡したものの「終わった画家」と言われた外国人画家ジャンピエール・ヴァレーズの正体を追うアート×ミステリー作品です。舞台は東京とハワイで、主人公の美術系編集者・有沢真由子が50歳の誕生日にリゾートホテルでヴァレーズの絵と出会い、その再評価を探る過程を描いています。物語はものづくりの「純度」と真正面から向き合うテーマを含み、バブル絵画の裏側に潜む闇にも迫ります。ヴァレーズのモデルは実在の画家クリスチャン・ラッセンに重ねられているとの指摘もあります。文芸編集部は風評被害に対し作家への不当な批判に断固抗議していることも話題となっています。

 

 

 

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