2025年10月03日 「通訳が間に合わず不起訴」 高市氏の発言、捜査の現場はどうみたか
この記事は、自民党総裁選に立候補した高市早苗氏が「外国人を逮捕しても通訳の手配が間に合わず、不起訴にせざるを得ない」と発言したことをめぐり、その実態を警察・検察関係者に取材した内容である。
記事によると、警察庁では約1万4100人もの通訳人を登録しており、110言語に対応している。2024年7月には制度を改正し、遠隔地の場合でも電話やリモートで通訳ができるようになった。複数の警察・検察幹部は「通訳不足を理由に不起訴になった事例は聞いたことがない」と述べており、高市氏の発言については「根拠が乏しい」との見方が示された。
また、捜査通訳制度に詳しい名古屋市立大学の毛利雅子教授も、通訳が全く見つからない事態はほとんどなく、英語やフランス語などの第2言語の通訳を介して対応していると指摘している。実際に問題となっているのは「通訳の質の確保」であり、多様化する事案に対応するための専門性・訓練体制が課題として挙げられている。
外国籍が不起訴になる主な理由
- 外国籍の被疑者が日本で不起訴になる理由は、いくつかの要因が複雑に絡み合っています。主な理由は以下の通りです。
証拠不十分
- 検察が不起訴処分を下す最も一般的な理由は「証拠不十分」です。特に性犯罪などでは、被害者の証言が主な証拠となることが多く、物的証拠が乏しい場合は「裁判で有罪にできる可能性が低い」と判断され、不起訴となることがあります。
外交的配慮
- 日本と外国(特に中国など)との政治・経済的関係を考慮し、外交上の影響を避けるために不起訴となる場合があります。例えば、事件が国際関係や貿易交渉などに悪影響を及ぼす可能性があると判断されると、検察が穏便な対応を選ぶことがあります。
軽微な犯罪・初犯
- 犯罪の内容が軽微であったり、初犯である場合は、起訴猶予(不起訴)となることがあります。これは日本人の場合にも見られる処分理由です。
被害者との示談成立
- 被害者と示談が成立した場合、検察が不起訴とするケースが多くなります。これも日本人・外国人を問わず適用される一般的な理由です。
司法の負担軽減・制度的要因
- 外国人犯罪が増加傾向にある中、全ての案件を起訴し続けることは司法機関の負担となるため、軽微な案件などでは不起訴処分とする傾向が強まっています。また、通訳人の不足や手続きの煩雑さも影響しています。
永住資格等の事情
- 永住資格を持たない外国人の場合、起訴され有罪となると日本に住めなくなる可能性が高いため、弁護側が不起訴処分を強く求めることもあります。
まとめ
- 外国籍が不起訴になる理由は「証拠不十分」「外交的配慮」「軽微な犯罪」「示談成立」など、法的・社会的・国際的な観点が複雑に絡み合っています。特に外交関係や証拠の有無が大きく影響することが多いですが、日本人にも共通する理由も多く、決して一律に「外国人が優遇されている」とは言い切れません。
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