パナマ運河をめぐる米中対立は、運河の港湾運営権と中国の影響力拡大が主な争点

世界

パナマ運河、米中対立の概要

パナマ運河をめぐる米中対立は、運河の港湾運営権と中国の影響力拡大が主な争点です。

  1. 対立の経緯
    トランプ米大統領は2025年就任後、中国系香港企業がバルボア港とクリストバル港を管理している点を「中国支配」と批判し、運河の取り戻しを主張しました。 これに対し、パナマは運河主権を堅持しつつ、中国の「一帯一路」から離脱を表明して米側に歩み寄りました。
  2. 港湾権益争い
    香港企業が保有する港湾運営権の売却で、米ブラックロック主導の買収が中国のCOSCOによる支配的持ち分要求で難航し、ブラックロック撤退の可能性が高まっています。 米国はこれを中立条約違反とみなし、安全保障上の脅威と位置づけています。

 

 

パナマの経済依存度、国別ランキング

  • パナマの経済はパナマ運河を中心とした物流・貿易に強く依存しており、輸出の約69%が米国、台湾、オランダなど10カ国に集中しています。

輸出依存国ランキング

  • 現行データに基づくパナマの輸出先上位国は以下の通りで、米国が最大の依存先です。
  1. 米国:輸出の大部分を占め、運河関連貿易の主要パートナー。
  2. 台湾:主要輸出先の一つ。
  3. オランダ:再輸出拠点として重要。

貿易依存度の全体像

  • パナマの貿易依存度は世界的に見て高く、物流セクターがGDPの約35%を占め、将来的に50%超へ拡大の見込みです。 中国は港湾運営権争いを通じて影響力を強めていますが、直接的な輸出依存ランキングでは上位に入っていません。

 

 

パナマ運河、アメリカの中国の最新情報

パナマ運河の運用は2025年半ばまでに干ばつからの回復が進み、フルキャパシティで機能していますが、米中間の港湾運営権をめぐる緊張が高まっています。

  1. 運河の運用状況
    パナマ運河は2025年8月時点で停泊時間が大幅に短縮され、プエルト・コロン港で10.6時間に改善、通航時間も安定しています。 ただし、船舶量増加による一時的な遅延が発生しており、インフラ拡張プロジェクトが進行中です。
  2. 米中対立の背景
    トランプ米大統領は就任後、パナマ運河の港湾(バルボア港とクリストバル港)を香港企業が管理し中国が支配していると批判し、取り戻す姿勢を示しました。 これに対し、パナマ政府は運河管理権は自国にあると反発しています。
  3. 最新の港湾買収争い
    香港系企業が保有する港湾運営権の売却で、米ブラックロックなど米企業連合が228億ドルで合意しましたが、中国が国有企業COSCOに支配的持ち分を要求し交渉が難航。 ブラックロックは撤退を検討中であり、米中対立の焦点となっています。

 

 

米海軍の戦略的な弱点は、パナマ運河というチョークポイントに兵站が依存している点

2025年08月16日 米海軍の対中抑止、「アキレス腱」はパナマ運河 西海岸の造船強化が急務

米海軍の対中抑止戦略とパナマ運河の危うさについて、以下にまとめます。

米海軍は中国の膨大な通常戦力に対抗するため、小型自律型艦艇の大量展開を構想しています。この兵站や展開計画は、パナマ運河の運用状態に大きく依存しています。パナマ運河が利用できなければ、効率的な太平洋配置や作戦遂行が困難になるため、西海岸での造船能力強化が急務とされています。

歴史的にも、第二次世界大戦中、米海軍は小型高速艇PTボートを東海岸で建造し、パナマ運河経由で太平洋戦線に投入してきました。そのため米軍の日常的な作戦計画にはパナマ運河の自由利用が前提となっています。しかし、現代の安全保障専門家は運河が常に安定して利用できる状況ではなく、敵対勢力や犯罪者による封鎖や妨害のリスクを指摘しています。

近年は中国企業による運河両端の港湾運営や建設が進んでおり、米国議会でも中国の影響力拡大への懸念が強まっています。米国防長官や政府も「中国の影響から運河を取り戻す」と明言し、安全保障協力や軍事的関与の強化方向でパナマ政府と連携しています。

米海軍の戦略的な弱点は、パナマ運河というチョークポイントに兵站が依存している点です。今後の対中抑止力維持には、運河が封鎖や混乱した場合の代替策(西海岸の造船能力強化および兵站多様化など)が求められています。

 

 

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