桜木琢磨 (76)

中国・高裁で無期懲役判決 歯はほとんど抜け落ち…

「79歳日本人」を待ち受ける今後の運命と、中国当局が無視した「国際的詐欺事件」

共産党独裁政権下の中国で無期懲役刑を言い渡された79歳の日本人元市議。その処遇に目下、注目が集まっている。無実を訴え続けたものの、中国の司法当局が真剣に耳を傾けた痕跡は見て取れず、このままでは異国の刑務所で生涯を終えることにもなりかねないのだ。

11月25日、中国の高裁に当たる広東省高級人民法院は、愛知県の元稲沢市議・桜木琢磨被告 (79)の上訴を棄却し、一審判決を支持。二審制を採用する中国において、桜木氏の無期懲役刑が「確定」する事態となった。

大手紙の中国特派員が言う。

「2013年10月、中国・広州市の白雲空港から帰国しようとした桜木氏は安全検査の際、持っていたスーツケース内のサンダルの靴底から覚醒剤約3.3キロが発見され、“中国から日本へ覚醒剤を密輸しようとした”として逮捕。問題のスーツケースは、桜木氏が中国のホテルで会ったアフリカ・マリ出身の男から“東京にいる妻に靴のサンプルを渡して欲しい”と頼まれたもので、桜木氏は一貫して“覚醒剤が入っているとは知らず、騙された”と無罪を主張していました」

中国では50グラム以上の覚醒剤を密輸した場合、最高刑は死刑となる。一方で75歳以上の被告は原則、死刑適用の対象外となるため、無期懲役刑に落ち着いた事情があるという。

「桜木氏が起訴されたのは14年7月。翌月には結審しましたが、そこから約20回も判決の言い渡しが延期され、結局、一審判決までの拘束期間だけで6年におよびました。二審の審理は今年6月に始まり、今回は半年程度で判決を迎えた。日中間では、受刑者を母国に移送する受刑者移送条約が締結されていないため、現状、中国の刑務所で刑期を務めることになる公算が大きい」 (同)

「7000万円を騙し取られた」

“密輸”事件の背景を支援者のひとりがこう明かす。

「もともと桜木さんは市議会や講演の場で尖閣諸島問題などについて、中国に対して歯に衣着せぬ厳しい発言をしてきた保守系の議員です。中央政界とのパイプも有していた彼が、多大なリスクを伴う覚醒剤密輸に荷担する動機やメリットはどこにもない。実は桜木さんは中国に出国する前、ナイジェリアを舞台にした国際的な詐欺に巻き込まれ、70万ドル (約7200万円)を騙し取られる被害に遭っていたのです」

俗に「ナイジェリアの手紙」と呼ばれるもので、ある日突然、丁寧な英文メールが送られて来て、“ナイジェリアから日本への投資計画”や“ナイジェリア内に眠る巨額資金のマネーロンダリング”などを口実にカネを引っ張る手口で知られる。

桜木氏が中国に向かったのも、ナイジェリア国籍の“ハッサン”と名乗る男から「騙された70万ドルを取り戻してあげる」と言われ、誘い出されたためという。

「ハッサンから“広州市に来て書類にサインすれば70万ドルを口座に振り込む”と持ちかけられ、上海経由の電子航空券がメールで送られてきたそうです。桜木氏が空港で逮捕されたのも、返済を免れるためにハッサンらが中国側に“密告”した可能性も指摘されている。しかし中国当局はハッサンへの事情聴取はおろか、事件の背景に潜む詐欺事件を捜査した形跡すら窺えません」 (支援者)

最高人民法院での審理の行方
地元の同僚市議によると、この間、日本に残された家族の心労も大きかったという。

「外務省関係者が“必要な支援はします”と家族に話したこともあったそうですが、“救出”に向けた具体的な行動に乗り出すことはなかったという。今回の判決には関係者一同、ショックを受けています」

日本政府が介入できなかった理由について、全国紙政治部デスクはこう話す。

「スパイ容疑での拘束であれば、日本政府も当事者となり得るため、政府が前面に出る余地もありました。けれど今回は、事実認定は別にして、犯罪事案のため“政府として積極的に動きにくい事情がある”と自民党関係者は話しています」

9年の勾留生活において、歯はほとんど抜け落ち、入れ歯も入れてもらえないなどの不便や苦労も経験したという桜木氏。今後の見通しはどうなるのか。

「二審制が原則の中国ですが、最高裁に当たる最高人民法院への申し立ては可能です。ただ判決が見直される可能性は非常に低いとされる一方、適用法律に誤りがあると認められたり、判決の及ぼす影響が大きいと判断された事案については審理のやり直しが行われるケースもある。また今後、中国の裁判所が桜木氏の年齢などを考慮し、有期刑に減刑される可能性も残されています」 (前出・特派員)

故郷の土を再び踏む日は訪れるか。

愛知・元稲沢市議に中国の裁判所が無期懲役判決

[2019/11/08 12:36]

  • 中国から日本に覚醒剤を密輸しようとした罪に問われている元愛知県稲沢市議に無期懲役の判決が出ました。
  • 稲沢市の元市議・桜木琢磨被告(76)は2013年、中国・広州の空港でスーツケースの中に覚醒剤3キロ余りを所持した違法薬物運搬の罪に問われていました。裁判は2014年に結審しましたが、判決の言い渡しが5年間、延期されていました。そして、8日に中国の裁判所が桜木被告に無期懲役の判決を言い渡しました。

2ch / Twitter / Google / Youtube 桜木琢磨


インドネシアに覚醒剤を密輸した川田大被告(73)が終身刑確定

  • インドネシアへの覚せい剤密輸の罪で、川田 大被告(73)の終身刑が確定した。
  • インドネシアへ覚せい剤2.3kgを密輸しようとしたとして、5月、1審判決で終身刑を言い渡された、愛知・半田市の無職・川田 大被告が、控訴を断念したことがわかった。
  • 川田被告は、裁判で「かばんに覚せい剤が隠されていたことを知らなかった」と、一貫して無罪を主張していて、当初は控訴する意向を示していた。
  • しかし、控訴をしても、無罪を証明する新たな証拠はなく、1審判決が覆る可能性は低いと判断し、控訴を断念、終身刑が確定した。
  • 川田被告は「世界銀行の幹部を名乗る人物とメールで知り合い、荷物を運ぶように依頼された。
  • マカオで女性からリュックを渡された」などと主張していました

2ch / Twitter / Google / Youtube 川田大





「世銀幹部にハメられた」 終身刑の邦人“運び屋”

2015年5月21日17:06

「世界銀行の幹部にハメられた」と訴える日本人の男が20日、インドネシアの裁判所に終身刑の判決を言い渡されました。薬物犯罪には厳しい対応を取る東南アジアでは近年、外国人が極刑を受けるケースも多くあります。

  • 「絶対にやりません!神に誓ってやりません!」(川田 大 被告、去年11月)

人権上の配慮から覆面をかぶせられて記者会見に臨む男。語気を荒らげて無実を訴えているのは、愛知県出身の川田大被告(73)です。 去年11月、インドネシア西スマトラのパダンに覚醒剤2.7キロを密輸しようとして逮捕されましたが、「何が入っていたか知らなかった」と、一貫して否認しています。

  • 「(覚醒剤は)隠されていたんですから、誰にも分かりませんよ」(川田 大 被告、去年11月)

判決を前にJNNの取材に応じた川田被告は、改めて身の潔白を主張しました。

  • 「青天の霹靂。何たる天のいたずらかと思ったくらい、びっくり仰天でしたね」(刑務所の川田 大 被告、先月)

川田被告によると、最初、「世界銀行の『エドワード・マーク』と名乗る人物とメールで知り合い、荷物をマカオに運ぶよう指示された」と言います。そして、マカオで、今度は、シェリーと名乗る女性からリュックを渡され、インドネシアに運ぶよう言われました。その中に身に覚えのない覚醒剤が入っていて、入国する際に見つかったと主張しています。

  • 「エドワード・マークは雲隠れして・・・、その後、捕まったという話は聞いていません」(川田 大 被告、先月)

荷物を運んだ報酬は、わずか200ドル。「世界銀行のエドワードにはめられた」と訴え続けた川田被告ですが、インドネシアの裁判所は20日、終身刑を言い渡しました。

  • 「もしも5年以上の刑が確定した場合、私は3分間、息を止めて死にます」(判決前の川田 大 被告)

川田被告は上訴する方針ですが、インドネシアをはじめとする東南アジアでは覚醒剤の事案は罪が重く、外国人でも死刑判決を受けるケースが多くあります。今年4月には薬物密輸の罪でオーストラリア人ら外国人8人の死刑が執行され、オーストラリアやブラジルの政府がインドネシア政府に抗議するなど、緊張状態も生じています。

  • 「公正な裁判ならば、いいと思いますけど」(元看護師 竹内真理子 被告、マレーシア・2013年)

一方、マレーシアでも覚醒剤を密輸しようとしたとして、元看護師の竹内真理子被告に対する裁判が現在も続いています。竹内被告もJNNの取材に対し、「知人に頼まれて荷物を運んだだけで中身は知らなかった」と主張していますが、一審、二審の判決は「死刑」でした。上告した竹内被告に対して、近くマレーシア最高裁で判決が言い渡される見通しです。