権威主義国家のプロパガンダ。中国ロシア北朝鮮の連携と歴史修正主義

韓国が朝鮮戦争の歴史を書き換えてはならない理由

  • Why South Korea Cannot Rewrite the Korean War

提示されたスクリプトは、韓国の国防部傘下の機関が、朝鮮戦争(韓国では625戦争)の教育プログラムに中国側の呼称である「抗美援朝(アメリカに抵抗し北朝鮮を助ける)戦争」を取り入れようとした問題を批判する論説です。

著者の韓永燮(ハン・ヨンソプ)氏は、朝鮮戦争の本質は北朝鮮による不法な侵略であり、中国や北朝鮮による「アメリカの侵略に立ち向かった」という歴史の書き換え(歴史修正主義)を認めるべきではないと主張しています。

また、過去の歴史を偽る姿勢は、現在の北朝鮮による核武装の正当化や、北朝鮮・ロシア・中国の軍事的連携という現実の脅威に直結していると指摘し、韓国は同盟国との連携を強めて抑止力を高めるべきだと結論付けています。

論文の主なポイント

中国と北朝鮮による歴史の歪曲

中国の教科書や公式な説明では、北朝鮮による奇襲侵略の事実が隠蔽され、戦争が「米中対決」へと単純化されています。これにより、北朝鮮の責任を免除し、自らの介入を正当化しています。

北朝鮮も同様に、自らを被害者として描く虚偽の物語を、体制の維持やアメリカ・韓国への敵対心を煽る道具として利用し続けています。

歴史修正主義がもたらす現代の脅威

北朝鮮の金正恩体制は、1950年当時と同じ「自衛のため」という論理を用いて核開発を正当化しています。

現在、北朝鮮は先制核使用のドクトリンを法制化し、韓国を「敵対的な両国関係」と定義するなど、実質的な脅威を高めています。

地政学的な危機の再来

朝鮮戦争当時の「金日成・スターリン・毛沢東」の同盟関係と酷似した、現在の「金正恩・プーチン・習近平」による権威主義国家の連携が強まっています。

北朝鮮によるロシアへの軍事支援や、中国による北朝鮮の擁護は、北東アジアの安定を揺るがしています。

韓国が取るべき対応

民主主義社会は、多様な視点という名目のもとに権威主義国家のプロパガンダを受け入れてはなりません。

韓国は奇襲攻撃に対する警戒を強め、圧倒的な報復能力を維持するとともに、米韓同盟の抑止力強化や、日米韓3カ国の安全保障協力を実質的な抑止力へと発展させる必要があります。

 

 

歴史修正主義

歴史修正主義(れきししゅうせいしゅぎ)とは、広く合意されている既存の歴史的解釈や事実に対して、新たな証拠の提示や異なる視点からの解釈によって、その歴史像を見直そうとする動きや立場のことです。

本来は歴史学における学術的な検証プロセスを指す言葉ですが、政治的な意図やイデオロギーに基づき、都合の悪い事実を否定・隠蔽したり、自国を正当化するために歴史を歪曲したりする行為を指す批判的な言葉として使われることが多くなっています。

歴史修正主義の2つの側面

1.学術的な見直し(本来の意味)

新しい史料の発見や、分析技術の向上によって、これまでの通説をより正確な内容に修正する科学的な手続きです。これは歴史学の発展において不可欠なプロセスです。

2.政治的・イデオロギー的な歪曲(批判的に使われる意味)

客観的な証拠を無視または改ざんし、特定の政治的目的のために歴史を書き換える行為です。先ほどの朝鮮戦争の例のように、侵略行為を正当化したり、自国の戦争責任を否定したりするために用いられます。

現代における問題点

権威主義国家などでは、政権の正当性を維持し、国民の愛国心を煽るために、国家主導で歴史修正主義的な教育やプロパガンダが行われることがあります。

民主主義社会においても、「多様な視点」や「表現の自由」を隠れ蓑にして、検証済みの不都合な歴史的事実を否定する言説が拡散することがあり、社会的な分断や外交問題を引き起こす原因となっています。

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