口は達者
金子圭一校長は2020年の3月で退職
定年で逃げ切ることしか考えてなかった?
学校のアイデンティティを問い直し, 山積する教育課題に対応する
令和元年7月4日発行 道中だより 第367号(7)
旭川市立北星中学校 金子圭一
1 はじめに
力向上,体力向上をはじめ,いじめ・不登校への 対応,道徳科の導入,ここに来て働き方改革の推進な ど教育課題は山積するばかりである。これまでPDC Aサイクルに基づき学校改善を繰り返してきたが,果 たしてそれは有効だったのだろうカも未解決の課題に 埋もれ,学校はアイデンティティを見失いつつあるよ うにみえる。学校はそのレゾントール(存在理由)を 問い,本来のあるべき姿を取り戻すことが必要ではな いかと考えた。 学校のアイデンティティを問い直すとは「我が校は いかなる学校カリをはっきりさせることである。それは, 歴代の教職員をはじめ保護者や地域の人々が協力し 営々と築き上げてきたその学校ならではの歴史や伝 統であり他の学校に類を見ない特色ということができ る。
2 本校の概要
の中心で輝く北極星を校名の由来とする本校は, まさにその名のとおり輝かしい歴史をもつ市内有数 の伝統校である。卒業生はまもなく二万人の大台に達 し,各地・各界で活躍する人材を多数輩出している。 地域の学校への愛着は強く,今なお熱い。 「めざす学校像」に「◇文化北星◇体力北星◇学 力北星~品格ある校風~」と合言葉がある。「文化北 星」とp国うとおり合唱部と吹奏楽部が設置されており 今も「文化祭」を2 日日程で実施している。校舎1階の エントランスホールに絵画,書,彫刻等幾多の美術作 品を展示し「北星ギャラリー」と称し「品格ある校風」 を醸し出している。品があって美しいメロディの校歌 は長年愛され歌い継がれており,歌詞の一部が学校 の教育目標になっている。「体力北国「学力北動も 過去に輝かしい実績がある。
3 近年の状況
年度は,主幹教諭配置の一方で生徒数減少等 の影響で定数減となり,部活動の指導体制を副顧問 の掛け持ちで賄うなど教職員の負担が大きくなってい た。発達障がいや集団不適応等の生徒が多くなって おり,いじめや不登校,ネットトラカレも少なからず発 生していた。教職員は真面目な勤務態度で様々な課 題にも真撃に取り組む一左多くが多忙感を抱えてい た。
4 アイデンティティの問い直し
職員の多忙感の背景には,日々の教育指導の成 果が生徒の成長となって見えにくい状況がある。本校 で働く誇りとやりがいをもってもらうため,学校のアイ デンティティを問い直した。「我が校はいかなる学校 でどのような生徒を育てようとしているのカり。そのよ りどころとしたのが校歌である。 ◇望は広く日日にたのし 今真理(まこと)を愛しつねにつとむ ◇ともに鍛えんからだ磨け精神にころ) 遡ること19年前当時の校長が校歌の一節をとって 教育目標とした。校歌自体は制定され66年になる。今 年の入学式において「北星中学校のアイデンティティ でありプライドです」と紹介した。 同時に,受け継がれてきた「めざす学校像」を踏ま え経営の基本方針を示した。 or品格ある校風」を引き継ぎ. 『和顔愛語Jで 一人一人が輝く楽しい学校づくり 『和顔愛語』は,学校像の「笑顔と歓声に満ちた 活力ある学校」を表したものである。
5 教育課題への対応
この「北星アイデンティティj をベースに教育課題 への対応を図る
(1)いじめ・不登校への対応
「いじめ・不登校への対応=楽しい学校づくり」と 捉え『和顔愛語』運動を推進する。笑顔と思いやり の言葉があふれる学校になるよう「ポジティプ名言シ リー刃など言語環境の整備に努める。
(2)持続可能な部活動運営
学校規模に応じた持続可能な設置部活動数に見 直しを図る。部活動育成会と協議し統廃合を進め「や りがい,仲間との緯,学校への愛着,挨拶や礼儀など 社会性の酒養」を重視し指導に当たる。
(3)学力を凌ぐ「生きる力」の育成
各教科や総合で「主体的・対話的・協働的な学習」 を推進し「学びに向かう力」を育てる。生徒会活動や ボランティア活動等を通し社会に貢献する喜びを得 て自己肯定感を高める指導に努める。道徳科は,学 校としての道徳教育の重点目標を明確にするとともに 学年毎の重,点指導内容を設定し,指導と評価の一体 化を図る。 こうして培われた学びに向かう力や人間性は,学力 を凌ぐ「生きる力」になると考える。