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北海道 釧路市
野犬がシカ襲撃、北海道・釧路市で相次ぐ 群れで行動か/市、わな設置し注意喚起
2022年8月24日
釧路市周辺で野犬がシカを襲ったとみられる事案が相次いでいる。24日早朝に市内広里の釧路大規模運動公園内で野犬3頭がシカを襲っていたのが目撃され、9日夜には市昭和で野犬5頭がシカを襲う様子が防犯カメラに写されていた。市内での野犬の出没は珍しく、市は現場周辺の住民に注意喚起している。
市によると24日午前4時半ごろ、同公園西側の入り口付近の草地でジョギング中の男性が、野犬3頭がシカを襲っていると警察に通報した。現場では子鹿1頭の死骸が確認された。また、前日23日の朝7時半ごろには、同公園の隣にある釧路めぐみ幼稚園(釧路町)で野犬2頭が敷地内から逃げていく姿が目撃されている。
市は24日、公園周辺の住民に広報車で注意喚起を行ったほか、25日にも公園内に注意看板を設置する予定。今後、箱わなの設置などの対策を検討する。
市内では今月上旬にも同様の事案が発生。9日午後8時ごろ、釧路湿原に近い市昭和の病院周辺で、野犬5頭が子鹿1頭を襲う姿を入院患者が目撃し、防犯カメラにも様子が写っていた。市が敷地内に箱わな3台を設置したが、野犬はまだ捕獲されていない。
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山口県 周南市
住宅街で群れをなす野犬 山口県周南、かまれて負傷・囲まれる…被害相次ぐ
2022年6月8日
市街地にすみ着く野犬が問題になっている山口県周南市で、市民がかまれるなどの被害が2021年度に46件あったことが市のまとめで分かった。40件を超えるのは4年連続となる。直近1年間で目撃のピークは6、7月だった。市は出没する時間やエリアを知ってもらう取り組みを強め、注意を呼びかける。
被害の内訳は、人がかみつかれて負傷したケースが2件、囲まれたり追われたりしたのが33件、ペットへの危害が1件、物損10件。負傷は1、3月に久米地区のほぼ同じ場所で歩行中に襲われた。総数は20年度の56件から17・8%減り、2年ぶりのマイナスだった。
市は3月、出没の傾向を紹介する新しいサービスを始めた。通報アプリで得た1年分の目撃情報を月別や時間帯で分類し、グラフにしてホームページで公開した。従来は地図上で個別に確認できるだけだった。
直近の統計では、見かける機会は夏場に増える。目撃は7月が最多の137件で、次は6月の114件だった。時間帯は午前7時台が多い。地点は徳山地区の周南緑地とその周辺、JR新南陽駅近くの宮の前、県周南総合庁舎がある街中の住宅地と、広範だった。
市内の野犬は、飼い犬が周南緑地で無責任に捨てられて増えたとの見方がある。今月1日には改正動物愛護法が施行され、所有者情報をたどれるマイクロチップの犬猫への装着が販売業者などに義務付けられた。市は引き続き遺棄の自粛を呼びかけ、増えるのを食い止めたい考えだ。
市環境政策課は「被害をゼロにしたい。目撃の多い時間や場所を知り、危機を避けてほしい」と求める。遭遇したら目を合わさず立ち去るよう勧めている。
山口県 周南市
野犬に襲われる事案、減らない理由は「餌やり」…被害突出の市「同情しても不幸な犬増えるだけ」
2021年1月16日
山口県周南市内で市民が野犬にかまれる事案が相次いでいる。元日には同市古泉で飼い犬を散歩中の女性がかまれて軽傷を負い、今年度の咬傷こうしょう被害は3件となった。県と市は檻おりによる捕獲を強化しているが、捕獲数は微増にとどまっており、対応に苦慮している。(大野亮二)
住宅地に囲まれた都市公園「周南緑地」。計80ヘクタールの敷地にスポーツ施設や緑地が広がる憩いの場だが、野犬がすみ着き、目撃情報が相次いでいる。市は公園が広大なために犬が身を隠しやすく、捨てられた犬が繁殖したとみている。
7日午後3時頃に訪ねてみると、国道2号線側の東緑地内に中型の4匹が出没した。いずれも体は茶色で、顔は黒っぽい。舗装された道を横切り、植え込みに入っていった。近くの工事現場で交通整理をしていた男性は「毎日のように見かける。これまでに襲ってきたことはないが、気持ちが悪い」と話した。
市によると、出没が相次ぐようになったのは2014年頃から。同年度は県全体で捕獲された1322匹の犬のうち、周南市内が518匹と4割を占めた。県全体に占める市の割合が突出して高い状態は続いており、19年度も市内で841匹が捕獲され、全体の5割を超えた。一部は迷子の犬が含まれるが、ほとんどが野犬という。
市民が野犬にかまれる被害は17年度が1件、18年度が4件、19年度が2件と、毎年発生。今年度は昨年10月、12月、今年1月と相次いでいる。
野犬の捕獲は保健所を管轄する県の業務だが、19年5月に就任した藤井律子市長は「市が率先して対策を講じる」と言明。同7月には県、周南署と連絡協議会を設立し、周南緑地付近の大型檻を1基から7基に増やすなど対策を強化した。
しかし、1年間の捕獲数を強化前(18年8月~19年7月)と強化後(19年8月~20年7月)で比べると、強化前の792匹に対し、強化後は811匹で、2・4%の微増となっている。
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市環境政策課によると、捕獲数が増えない理由の一つが、一部の人による餌やりだ。餌があれば食べ物を求めて檻に入らず、檻が置かれた状態が続けば犬が警戒し始める。設置の効果が薄れるというわけだ。
餌やりを防ぐため、市は週4回のペースで職員2人態勢によるパトロールを実施。餌やりを注意したり、放置された餌を撤去したりしている。橋本俊彦課長は「同情して餌をやるほど、不幸な野犬が増えるだけだ。餌やり禁止を粘り強く伝える」と話す。
むやみな餌やりは、市迷惑行為禁止条例で禁止されており、命令に従わない場合は名前を公表できる規定がある。しかし、実際に公表した事例はなく、実効性は乏しい。
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最近、効果を発揮しているのが、スマートフォンのアプリを活用した市民からの犬の目撃情報の通報。目撃情報を入力すると、画面上の地図に位置が表示される。開始した昨年9月10日から12月末までに延べ740件の情報が寄せられた。通報をもとに鳴いている子犬を見つけるなど、捕獲に役立てているという。
ただ、野犬を怖がる市民の声もアプリに届く。コメント欄には「ずっと吠ほえられ怖かった」「いつまで我慢をしなければならないのか」と切実だ。
藤井市長は6日の記者会見で、相次ぐ被害に対し、「市民が襲われることになり、申し訳なく思う」と陳謝。「これからも野犬対策に全力で取り組む」と述べた。