汪楠 怒羅権をつくったのは1980年代後半

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怒羅権の創設時から活動した元メンバー

「おれおれ詐欺は俺らがはしりだと思いますね。まさか、ここまで広がるとは思わなかったね」千葉県市川市にあるスナック。経営者の男はメンソールのたばこをくゆらせながら、取材に答えた。その口調は丁寧で、穏やかだ。男の名は汪楠(ワンナン)(51)。東京近郊に根を張る不良グループ「怒羅権(ドラゴン)」の創設時から活動した元メンバーだ。窃盗や詐欺の罪による13年の服役を経て2014年05月に出所し、9年近くがたつ。特殊詐欺の初期の手口で、今も被害が後を絶たない「おれおれ詐欺」。数々の犯罪に手を染めてきた汪は、その始まりにも関わったと明かした。被害が急増し、社会問題化した03年の数年前の話だ。

「おれおれ詐欺は俺らがはしり」 10億円奪った半グレ元メンバーの告白【仮面の罠  断て特殊詐欺】

 

 

汪楠

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88年ごろに怒羅権を名乗る 億単位の金を荒稼ぎ

汪は中国の吉林省で生まれ、86年に来日した。当時14歳。中国人の父親が中国残留孤児の日本人女性と再婚したのをきっかけに、移住した。東京都内の中学に入ると日本語がうまく話せず、いじめを受けた。同じような境遇の残留孤児2世たちと徒党を組み、88年ごろに「怒羅権」を名乗るようになった。報復のために暴力を振るった。やがてエスカレートし、犯罪で金を得る集団に変質した。「薬物に人身売買、売春…。やくざよりレパートリーは多かった」と汪は語る。中でも繰り返した犯罪は事務所荒らしだった。深夜に事務所に忍び込み、通帳を盗んでは持ち主になりすまして口座から金を引き出した。億単位の金を荒稼ぎした。

 

 

00年前後。別に本人じゃなくても金を取れる

特殊詐欺の起源とも言える犯罪との出合いは00年前後。暴力団傘下のヤミ金グループの元メンバーが怒羅権に加わったのがきっかけだった。超高金利での金貸しに対する警察の取り締まり強化の動きが合流の背景にあったという。このグループの取り立てには特徴があった。金が返せない若者に対し、借金があるのを隠して親に電話させる。そして「給料を落としてしまった」などとうそを言わせ、金を振り込ませる手法だ。ある時、元メンバーが債務者名簿にあった若者の親に電話をかけた。「俺だけど、お金送ってよ」。そんなふうに息子を装った。すると相手はわが子と信じ込み、指定した他人名義の口座に振り込んだ。口座の金をどう引き出すか。その手口は事務所荒らしの経験から怒羅権が得意にしていた。うまく組み合わせれば、労せずして金が手に入る―。「元ヤミ金業者は気付いたんですね。別に息子本人じゃなくても金を取れるじゃん、と」。汪は述懐する。

 

 

仕事だと思い、罪悪感も疑問もなかった

犯罪は一種の仕事だと思い、罪悪感も疑問もなかった。他に生きる道を知らなかったから。常に他の人よりいい資金獲得手段を求めていた

 

 

03年、おれおれ詐欺と呼ばれて社会問題に

実験的に始めた詐欺の手口は他の犯罪組織でも生まれ、広まっていく。03年、おれおれ詐欺と呼ばれて社会問題に。その後、だます口実は多様化し、「特殊詐欺」の一つとなった。

 

 

2025年11月06日 ガス点検装い強盗致傷、元「怒羅権」メンバーの男性に懲役13年「主導的立場で最も重い責任」

  • この記事は、元「怒羅権(ドラゴン)」メンバー汪楠(ワン・ナン)被告に対し、東京地裁が強盗致傷などの罪で懲役13年(求刑14年)の判決を下したことを伝えている。

事件の概要

  • 汪被告は2023年3月、共犯者と共にガス点検を装って東京都東池袋の事務所兼社員寮に侵入。室内にいた男女2人を結束バンドで拘束し暴行、現金約109万円や携帯電話、ノートパソコンなど計153万円相当の19点を奪い、男性に3週間のけがを負わせた。さらに取調べ中にプリンターを壊し、公務執行妨害と器物損壊の罪にも問われた。

裁判の争点と判断

  • 争点は、汪被告に強盗の故意と共謀があったかどうか。
    東京地裁は共犯者の証言を信用し、被告が「ちょっと脅せば金を出す」などと話していたと認定。暗号資産2億円を狙っていたとされ、実行段階で強い脅迫を想定していたと判断した。弁護側の「共謀はなかった」との主張は退けられた。

判決内容

  • 裁判所は犯行を「組織的かつ計画的」と認定し、汪被告を「主導的立場にあり責任は最も重い」と結論づけた。被害弁償も行われていないことから、懲役13年を言い渡し、未決勾留550日を刑期に算入した。

背景

  • 汪被告は中国残留孤児2世らで結成されたグループ「怒羅権」の創設メンバー。服役後は更生支援活動として「ほんにかえるプロジェクト」を立ち上げ、受刑者に本や手紙を送る活動を行っていたが、今回の事件で再び刑事責任を問われる形となった。

 

 

2025年08月10日 「あっちは悪いと線引きしない」受刑者と不思議な交流、”本と手紙”を届ける人たちの10年

この記事は、刑務所の受刑者に「本と手紙」を届ける活動「ほんにかえるプロジェクト」の10年にわたる歩みを紹介している。東京都江戸川区を拠点に、全国約200人の受刑者に書籍を郵送し、文通を通じて社会との絆を保つ取り組みだ。

このプロジェクトは、元受刑者の汪楠(ワン・ナン)さんが2015年に立ち上げた。服役中に孤立する仲間たちを見て、「更生には社会とのつながりが不可欠」と痛感した経験が原点にある。現在では本の差し入れだけでなく、書籍購入や写真印刷などの代行サービスも行い、受刑者のエッセイを掲載・報酬を支払う「プリズン・ライターズ」も展開している。

ボランティアは受刑者の過去を調べず、ペンネームで手紙を交わす。受刑者から届く言葉を読みながら、偏見を超えた「人」としての交流が築かれていく。家庭環境に恵まれず社会から疎外された人々に、外の世界の気配を届けることが、彼らに希望を与える。

スタッフの庄子佳代子さん(75)は、受刑者との文通を続ける中で、怒りしかなかった相手が「ありがとう」と言うようになる瞬間に心の変化を感じるという。活動の目的は「更生」よりも、「誰かが自分のために動いてくれている」と感じる機会をつくることだと語る。

ある無期懲役受刑者は手紙で「文通こそが『心』を支援する取り組みであり、更生の原点だ」と書いた。彼らにとって、本や言葉を通じて誰かとつながることは、世界と再び関わるための最初の一歩になっている。

 

 

2025年07月03日 【深層ルポ】100人規模の乱闘の真相…「香港マフィア、住吉会、チャイニーズ・ドラゴン同盟」の裏側

  • この記事は、2022年10月に東京・池袋のサンシャイン60で発生した「チャイニーズ・ドラゴン」による100人規模の乱闘事件と、その背景を追った深層ルポである。ライター鈴木智彦氏による調査をもとに、事件の構図と警察・メディア報道の実態が分析されている。

事件の発端と構図

  • 2022年10月、サンシャイン60の高層階フランス料理店で、刑期を終えた白井宇太郎(当時53歳)の出所祝いの席が設けられた。ところが、白井を快く思わない「上野グループ」派が圧力をかけるため会場を包囲し、混乱から乱闘が勃発。襲撃側・被襲撃側ともにチャイニーズ・ドラゴン系のメンバーが入り乱れ、結果として“ドラゴン・オールスターズ”と呼ばれる主要構成員が勢揃いする事態となった。
  • 乱闘は早期に収束し、後日双方は和解の飲み会を開いたとされる。しかし事件は世間に大きく報じられ、警察は白井を「チャイニーズ・ドラゴン幹部」として発表した。

白井宇太郎の経歴と“誤認”

  • 白井の過去には、2007年に山梨県で発生した貴金属工場襲撃事件がある。この事件で強盗致傷・1億円超の強奪により懲役12年の実刑判決を受けた。当時の報道では「中国残留孤児2世で新宿拠点の犯罪グループリーダー」とされ、ドラゴンの名は一切出ていない。
  • 取材によれば、白井は新宿のキャッチ業を仕切るOという人物の舎弟で、Oは中華系勢力の有名不良ではあるがドラゴンではなかった。白井も残留孤児2世としてその人脈と関係を持つ一方、派閥をまたいで若手を引き抜くなど対立を招くこともあったという。
  • つまり白井自身はドラゴン幹部を名乗っておらず、警察の発表とマスコミ報道が「ドラゴン」像を一方的に形成した構図だと指摘されている。

「チャイニーズ・ドラゴン」という概念

  • 警察が「チャイニーズ・ドラゴン」という呼称を使い始めたのは2013年。「準暴力団」として「怒羅権」や「関東連合OB」を対象にした後、残留孤児2・3世による不良集団全体をその“総称”として分類するようになった。実際には、ドラゴンと称されるグループの多くは互いに独立しており、警察は便宜上、在日中国系犯罪集団をまとめて“ドラゴン扱い”しているという。

フェイク創設者・汪楠(ワンナン)氏の登場

  • 汪楠氏は「ドラゴン創設メンバー」と名乗り、2021年に自伝『怒羅権と私』を出版。メディアは更生の象徴として彼を好意的に報じた。しかし実際の創設関係者によると、汪楠は初期メンバーではなく、少年期に一時同行していた程度の人物だった。
  • 出版後、汪楠は2021年に千葉でみかじめ料要求で逮捕、2023年にも池袋の強盗事件で再逮捕。現在は勾留中であり、中国のSNS上では「反日的闘士」として支持されるなど、自己演出的な“フェイク・アウトロー”像を利用していると記事は指摘している。

総括 この記事の核心は、

  • 「チャイニーズ・ドラゴン」という実体の曖昧さ
  • 白井宇太郎を巡る警察発表と報道の乖離
  • 汪楠のような“伝説化された虚像”の氾濫

を通じて、日本社会が「中華系不良グループ=ドラゴン」として単純化・過剰報道する現状を批判している。記事は、裏社会の現実が一枚岩ではなく、個人・派閥・利害の錯綜したネットワークで構成されていることを強調している。

 

 

2025年01月26日 がんで獄死した死刑囚は最期にどんな言葉を遺していたかー獄中結婚した妻と支援者に聞いた

  • この記事は、名古屋拘置所で末期がんの闘病の末に亡くなった死刑囚・松井広志(養子縁組後の姓は山田)氏の最期と、その生涯を見届けた妻と支援者の証言をまとめたもの。編集者である篠田博之氏によって記録された。

松井広志死刑囚の最期

  • 松井氏は2017年の殺人事件で起訴され、2023年3月に死刑判決を受けた。しかしその時点で膵臓がんが末期に進行し、「がんで死ぬか、死刑が先か」という極限の状態にあった。控訴審を待つ中で病状が悪化し、同年12月13日に刑の執行を待たずに獄死した。最期の手記には「早く死刑になりたい。確定して医療刑務所に行くのが願い」と綴られていた。

妻が語る面会と別れ

  • 獄中で結婚した女性によると、亡くなる前日の面会では松井氏は酸素マスクを着け、声が出せない状態ながら泣きながら必死に何かを伝えようとしていたという。翌日夜に死亡の連絡を受け、安置所で最後の対面を果たした。
    妻はその遺骨を分骨して自宅に祀り、毎日線香と供物を供えている。彼は生前「自分ができないから、被害者の供養を代わりにしてほしい」と託しており、その言葉を守り続けている。
    また彼は、苦痛の極限で自殺未遂も起こしたが、妻は「人の命を奪った者が自ら死を選ぶことは許せない」と語り、彼に代わり償いを続ける決意を述べた。

支援者サユリさんの証言

  • 支援活動「プリズンライターズ」を運営するサユリさんは、松井氏の執筆・通信を支援し、彼の文章をnoteで発表する手助けをした。タイトルは当初「1200円で、強盗殺人にされた俺」だったが、被害者への配慮から「がんで死ぬか死刑が先か」に改題。
    松井氏は自分の体験を社会に伝えたいと強く望み、「本を出版して印税を寄付したい」と記していた。支援者との往復書簡を重ねるうちに文章は整い、精神的にも落ち着きを取り戻していったという。

note活動の反響と遺稿

  • 松井氏は死の直前まで執筆を続け、最後の作品「俺はまだ生きてるって証拠」(2023年11月24日)では、「文章を書けていることが、生きている証だ」と記していた。
    支援者のもとに「亡くなった」との報が届いたのは面会を予定していた直前。彼のnoteは今も公開され、読者数は4万5000人を超えているという。松井氏の生と死、そして彼を支えた人々の姿は、死刑や償いの意味を問いかける記録となっている。

 

 

怒羅権と私 創設期メンバーの怒りと悲しみの半生
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1980年代後半に東京都江戸川区で中国残留孤児の2世や3世が自然発生的に助け合いのために結成した集団「怒羅権」の創設期メンバーの著者が、自らの半生を振り返りながら、その成り立ちや変質、個人的な苦難を語った自伝的な書籍です。

怒羅権は結成当初は助け合いや自衛のための集まりでしたが、やがて暴力団も畏怖する犯罪集団へと変わっていきます。著者である汪楠氏は14歳で中国から日本に渡り、貧困や差別、激しいいじめに直面し、その抵抗のために怒羅権に関わりました。後に詐欺罪などで逮捕され13年間刑務所で服役し、出所後は犯罪の世界から身を引き、受刑者へ書籍を差し入れることで更生を促す活動を行っています。

本書は、怒羅権が生まれた社会的背景や、創設メンバーの葛藤と苦悩、組織の変質と現在の問題点にまで踏み込み、著者自身が自分の罪と向き合いながら日本社会を見つめ直す壮絶なドラマがつづられています。創設期のメンバーの視点から、怒りと悲しみに満ちた半生が赤裸々に描かれています。

 

 

  • 何かの番組で南海の山ちゃんが「よく武勇伝を語ってる人がいるけど、その裏には被害者がいるんだからね?!被害者がいる以上清算なんか出来っこない!」って憤慨して、小籔は「二十歳になったからヤンチャはここまでにしといてとか、は?!最初から真面目にせえや!」ってキレてた。
  • こういうのが表に恥も贖罪の意識も感じる事なく出せる社会が間違いだと思う。猛省の上に一生をかけて償うべき。こんな人間が罪を償えるわけがない。でも現在の法はそれを許している。改善すべきは法だと考える。
  • したり顔で何を語らせてるのか!?被害者はの弁済は出来ないので…違う形で!?個人的にはふざけるな!と言いたい!一生涯をかけて少しでも弁済するのが人としての最低限やるべき事だろう!
  • 10億なんて タレントでもそう簡単に返済できる額ではない しかし 日本の司法は刑罰をうけたら 返済しなくてもおとがめは無い おかしいだろ?死ぬまで返済するべきだろ!返済努力義務ではなく 完済を義務付けるべきだと思う 自分がやられたら 絶対許さない。
  • 法律が対応できていない。10億詐欺で得たのなら、その10億返すまで刑務所に入れなきゃダメだろう。自動車窃盗も同じ。加害者の人権?そんなもの、被害金額返してから言え。基本的に被害金額は泣き寝入りで、加害者は懲役行って、はい、終わりの法律じゃ、今後ますます特殊詐欺は増える。間違いない。ヌル過ぎる。
  • 「返済するのは現実味がない」って日本語はおかしい。「刑期終了」「更生させるNPO法人やっている」「弁済」それぞれ全くの別物。詭弁だなぁ。もっといいシノギってNPOを隠れ蓑にしていることか?だったら政府は徹底的に調べるべきだと思うが。メディアも広告塔になっているべきじゃないんだが。
  • 移民受入推進派はこういった側面も考えるべきと思う。日本人の常識が海外のそれと一致するとは限らんと思うですたい。
  • “でも被害金額は大き過ぎて返すのは現実味がない” 加害者が言う事ではない。少しずつでも返せ。戦争被害を蒸し返すが、近年は相当、中国に色々迷惑している。
  • 例えば遠洋漁業の強制労働を懲役刑とすれば良い。人手不足が解消し、本人も技術と職と安定を得られ、懲役中の賃金を被害者への賠償に当てれば被害者の救済にもなる。変な更生活動よりも、はるかに効果がある。今の西洋の法律は何の役にも立っていない。選挙の争点の1つとしてほしい。
  • 経済界はこう言うデメリットも考えて移民受け入れの是非を考えてもらいたい。とは言え、そのデメリットは経済界だけへのものではないし、そのデメリットがあったとしても、経済界単体としてはメリットの方が多いから移民を推進するのだろうが。

 

 

 

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