日本がかつて経済摩擦でアメリカから圧力を掛けられたのに対して、台湾はそうなっていない。台湾のロビー活動のうまさ?
台湾がアメリカからかつての日本のような激烈な経済叩きに遭っていないのは、ロビー活動の巧みさではなく「アメリカ側の戦略的依存度」の違いによるものです。台湾はアメリカの製造業を脅かす存在(競合)ではなく、アメリカのハイテク産業や軍事安全保障を支える不可欠な基盤(不可欠な下請け)として組み込まれているためです。
主要な相違点
産業構造の関係(競合か補完か)
- かつての日本
自動車、家電、半導体などの完成品市場で米企業を直接追い詰め、市場を奪う脅威とみなされた。 - 台湾
TSMCに代表されるファウンドリ(製造受託)に特化。AppleやNvidiaなどの米巨大IT企業(設計・開発側)の成長を支える共存関係を構築した。
地政学的リスクと安全保障上の位置づけ
- かつての日本
冷戦期から後期の経済摩擦期にかけて、米国内では「ソ連の脅威」以上の「経済的脅威」とみなされた(日本脅威論)。 - 台湾
中国に対する防波堤として最前線に位置する。台湾の半導体供給網が途絶するとアメリカ自体の経済・軍事が機能不全に陥るため(シリコンの盾)、叩き潰す対象ではなく保護・維持すべき対象となる。
対米ロビー活動の実態
- 台湾のロビー活動が特別に優れているわけではない。実際のワシントンにおけるロビー人員や投資規模では、日韓の巨大企業群(サムスンや日本の総合商社など)の方が格段に大規模である。
- 台湾は外交的なロビー工作の巧みさというよりも、米国内での巨大な半導体工場建設などの対米直接投資を迫られた際、要請に応じる形で政治的摩擦を未然に回避している。
まとめ
米国からの圧力自体が皆無というわけではなく、先端半導体製造の国内回帰(工場のアメリカ移転要求など)という形での強い要請は常に受けている。しかし、産業の相互依存と安全保障上の重要性が根底にあるため、かつて日本に対して行われたような全面的かつ壊滅的な貿易制裁や産業叩きには至っていない。

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