アメリカのホルムズ海峡封鎖でイラン産石油は全く流通していない

イランと米国が支配権を争う中、ホルムズ海峡での石油の隠密輸送が50%増加

  • Hormuz Oil Sneakouts Rise 50% as Iran and US Vie for Control

ホルムズ海峡を通過する石油の流量が今月に入り約50%急増しました。米国による封鎖の影響でイラン産の石油が全く流れていない一方、イラン産以外のペルシャ湾産石油の運送が活発化しており、この重要な航路における米国の支配力が強まっています。

調査会社ボルテクサ(Vortexa Ltd.)のデータによると、6月の最初の10日間で、イラン産を除くペルシャ湾産の原油および石油製品の輸出量が日量少なくとも180万バレルに達しました。

5月の実績である日量120万バレルから大幅に増加しており、今後の衛星画像分析などが進むにつれて、この数値はさらに情報修正される可能性があります。

この流量の急増は、世界的なエネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡の管理権をめぐり、米国とイランの間で激しい主導権争いが起きていることを示しています。

現在、米国が同海峡で実施している封鎖措置により、イラン産の石油は一切流通していません。この事実は、中東地域における米国の影響力や管理能力が一段と高まっていることを裏付けています。

 

 

イラン経済は崩壊寸前

米国による海上封鎖と経済制裁の強化により、イラン経済は主力の石油輸出が事実上ストップし、毎日約5億ドルの損失が出るなど極めて深刻な打撃を受けています。

石油輸出の壊滅的な減少

米軍が2026年4月13日からイランの港湾に対して実施している海上封鎖により、イランの石油輸出は激減しました。

調査機関のデータによると、2026年5月のイランの海上石油輸出量は、前年や年初の規模から90%以上も急落しています。

特に原油の輸出量は5月中に事実上「ゼロ」を記録し、わずかに中国向けの小規模なタンカーが封鎖の隙を突いてナフサ(石油製品)を運んだのみとなっています。

経済的損失の規模

米国政府の試算では、この海上封鎖によってイランは毎日約5億ドルの収入を失っています。

米国防総省の発表でも、封鎖開始から5月上旬までの短期間だけで、イランが失った石油収入は48億ドルに達したとされています。

イランの国家財政や軍事資金は、その大部分を石油や石油化学製品の輸出による外貨に依存しているため、この収入源が断たれたことは国家の資金繰りに直結しています。

貿易と国内経済への波及

原油だけでなく、通常の物品貿易も大きく停滞しています。中央銀行のデータでは、イランの物品輸入額は前の年に比べて30%以上減少しました。

また、物資の不足や外貨建て決済のネットワーク(影の金融システム)が米国の制裁で解体されている影響から、サービス貿易の赤字が過去最高の170億ドルにまで膨らんでいます。

国内で輸出できない原油が貯蔵タンクに溢れかえっている一方で、外貨不足による物資の調達難が続いており、イラン経済は崩壊寸前の強い圧力を受けています。

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