先進国では青年・壮年ニート、途上国では若年ニート
世界各国におけるニート(NEET: 就労・教育・職業訓練のいずれにも参加していない状態)の割合は、定義する年齢層(世代)や各国の社会・経済構造によって大きく異なります。
国際機関(ILO、OECD、Eurostat)による分類と各国データの比較は以下の通りです。
概要
| 世代区分 | 特 徴 | 傾向・高水準な地域の例 |
|---|---|---|
| 若年層(15~19歳) | 義務教育・中等教育の在学率が高いため低水準傾向 | トルコ、メキシコ、南アジアなどの教育普及途上地域 |
| 青年層(20~24歳) | 高等教育の修了・就職の移行期で上昇 | 南欧(イタリア等)、中南米、中東 |
| 壮年層(25~29歳) | 就職難や家庭環境(育児等)による固定化が顕著 | トルコ、南アジア、北アフリカ等 |
| 中高年層(35~59歳) | 「ひきこもり」や無業者層。国際的定義(NEET)外 | 日本や一部欧州(長期失業・病気離職者) |
年齢層ごとの状況
1. 若年層(15~19歳)
高校・大学等への進学率が高い先進国では非常に低い割合にとどまります。一方、中途退学率が高い国や新興国では比較的高くなります。
- OECD平均: 約6%前後
- 低い国: 日本(約3~4%)、ドイツなど
- 高い国: トルコ(約15%)、メキシコ(約14%)
2. 青年・壮年層(20~29歳)
学校卒業後の就職難や労働市場の流動性、出産・育児などの影響を受け、10代よりも割合が跳ね上がる傾向にあります。国際比較(OECD基準等)で最も参照される中心世代です。
OECD平均: 15~29歳全体で約13~14%
- 日本:約10%(※厚生労働省の狭義の若年無業者定義では3%未満とされるが、国際基準の「学生以外の無業者」では10%前後)
- アメリカ:約13~14%
- イギリス・ドイツ:10~11%
- イタリア・スペイン(南欧):15~20%超(若年失業率の影響)
高水準な地域・国:
- トルコ:約28~30%
- 南アジア・中東・北アフリカ地域:25~33%(女性の家事労働参加や社会的制限が主な要因)
3. 中高年層(35~59歳)
国際的な「NEET」の定義は主に15~29歳(一部34歳)を対象とするため、国際比較統計は存在しません。
ただし、日本をはじめとする一部の国では、35歳以上の無業者(長期未就労者)が問題視されており、日本では「中高年ひきこもり」や「高齢ニート」の増加が指摘されています。欧州等においては、この年代の未就労者は主に「長期失業者」や「病気・障害による非労働力人口」として分類されます。
主な地域的特徴と要因
- ジェンダー差
世界全体で見ると、若い女性のニート率(約28%)は男性(約13%)の2倍以上に達します。特に南アジアや中東・北アフリカでは、家事や育児への従事、文化的背景により女性の割合が非常に高い特徴があります。 - 欧州の構造問
南欧地域(イタリア、ギリシャ等)では経済危機以降の若年失業率の高止まりが影響し、高水準が続いています。 - 新興国・発展途上国
教育制度の不備やフォーマル(正規)雇用の不足により、若年層が早期に労働市場や教育から取り残されるケースが多く見られます。

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