習近平は形式上の権力を維持しているが、実際の主導権は他の指導層に移っている

習近平とベラルーシ大統領会見 不可解な十の疑問と中国政治の内幕

習近平とベラルーシ大統領会見の不可解な十の疑問と中国政治の内幕

  • 2025年6月4日、中国の習近平国家主席が14日ぶりに公の場に姿を現し、ベラルーシのルカシェンコ大統領と北京・中南海で会見しました。しかし、この会見は「家族的集まり」と称され、通常の国賓訪問や実務訪問とは異なる多くの不可解な点が指摘されています。

十の不可解な点

  1. 公式行事の欠如・・・ルカシェンコ氏は大統領再任後初の訪中であり、本来ならば正式な歓迎式典や業務会談、国賓晩餐会などが行われるはずでしたが、今回は「家族的集まり」として全て省略されました。
  2. 会見日程の不自然さ・・・ルカシェンコ氏は6月2日に北京入りしたものの、習近平との会見は最終日の6月4日にようやく実現。通常と異なる日程運びです。
  3. 「家族的」なのに家族不在・・・ルカシェンコ氏は「あなたの家に招かれた」と述べたものの、習近平の家族や夫人の彭麗媛が同席した形跡はありません。
  4. 会見場所の違和感・・・重要な外国首脳との会見に使われる「瀛台」ではなく、中南海の「純一斎」という場所が使われたことが判明。これは異例の対応です。
  5. 報道の簡略化・・・CCTVによる映像はわずか1分32秒で、出迎えや見送りの様子も報じられませんでした。過去のオバマ氏やプーチン氏の時とは対照的です。
  6. 実質的な成果なし・・・新華社の報道も極めて簡潔で、経済・技術・文化・国際協力に関する協定や共同声明は一切ありません。
  7. 上海協力機構サミット招待の情報非公開・・・ベラルーシ側は習近平からサミット招待があったと報じましたが、中国側は一切触れていません。
  8. 中国高官との面会なし・・・ルカシェンコ氏は3日間の滞在中、中央政治局常務委員6人や蔡奇(中央弁公庁主任)とも会っていません。同席した高官は王毅外交部長のみでした。
  9. 中国側の事前告知なし・・・訪中の事前告知はなく、到着時も新華社は報じず、詳細説明も避けられました。
  10. 写真公開の遅れ・・・新華社は最初に会見ニュースを配信した際、写真を添付せず、2時間後に追加するという異例の対応でした。

背景にある中国政治の内幕

  • これらの奇妙な点から、「習近平は形式上の権力を維持しているが、実際の主導権は他の指導層に移っているのではないか」という見方が浮上しています。実際、近年は習近平の権力低下や軍権喪失説も報じられており、党内の力学に大きな変化が生じている可能性が指摘されています。
  • また、ルカシェンコ氏の訪中の主目的は、盟友プーチン氏の意向を受け、習近平の現状や中国共産党内部の権力構造を直接観察することだった可能性が高いとみられています。

まとめ

  • 今回の会見は、通常の外交儀礼や成果発表が一切なく、極めて異例かつ不可解な点が多いものでした。中国政治の内幕では、習近平の権力基盤が揺らいでいるとの観測が強まっており、今回の一連の対応もその現れとみる向きが強まっています。

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