即時決済システムのブラジル「Pix」 アメリカを排除するためトランプ激おこ

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インド見逃しブラジルは標的に=米国が狙うグローバル決済覇権

米国はグローバル決済覇権を狙う中で、ブラジルの即時決済システム「Pix」を「不公正な実務」として通商調査の対象にしている一方、インドの同様システム「統合決済インターフェース(UPI)」には目をつぶっている。この差異は、両国システムの運営モデルと米国IT企業の利害関係に起因していると見られる。

ブラジルのPixはブラジル中央銀行が直接設計・実装を主導する公的インフラであり、決済は各金融機関のアプリ内で完結するため、米国の大手IT企業(例:WhatsApp、Google、Netflix)が十分に参入できず、これが米政府の関心を集めた可能性が示唆されている。一方、インドのUPIは官民連携型で、Google PayやウォルマートのPhonePeなど米系企業が主要な提供者となり、全取引の8割以上を占めているため、米政府の調査対象外となっている。

Pixは2020年に導入され、24時間無休・手数料無料の送金が可能で、すでに人口の約74%に普及し金融包摂を促進している。UPIは2016年に開始され、約5億人に利用され、月間取引件数は180億件を超える規模に成長している。

米通商代表部の調査通知ではPixの名称こそ直接記されていないが、「政府開発の電子決済サービスを推進している」との表現があり、ブラジルの国家プロジェクトが米系フィンテック企業に不利益をもたらしている懸念が背景にあるとされる。

また、Pixはクレジットカード市場の成長を阻害しているとの見方もあるが、実際には決済アクセス拡大に伴いカード発行数も増加している。UPIも同様の傾向を示している。

インドのUPIはすでにネパール、シンガポール、UAEなど複数国と接続し国際決済ネットワークの基盤を築き、BRICSへの展開も視野に入れているのに対し、Pixの国際展開は民間主導の越境送金事例が出始めた段階であり、本格化していない。

このようにPixとUPIはいずれも自国の金融包摂と技術革新を支えているものの、制度設計の違いとそれに基づく米国の通商対応の差異は、単なる貿易問題を超え、グローバルなデジタル決済の力学を反映している。

 

 

Pixはブラジルの即時決済システム

ブラジルのPixは、2020年にブラジル中央銀行が導入した即時決済システムで、24時間365日いつでもスマホや銀行アプリでリアルタイムに送金や支払いができる仕組みです。個人の送金は無料で、企業も低コストで利用可能なため急速に普及しています。

Pixの特徴としては以下が挙げられます。

  • 即時決済:送金や支払いがその場で完了し、夜間や休日も利用可能。
  • 利便性:QRコードや携帯電話番号など簡単なキーで取引可能。
  • 低コスト:個人の送金は無料、企業も従来の銀行送金やカード決済より手数料が安い。
  • 経済効果:導入以来、累計で約2兆9000億円の経済効果をもたらし、決済構造の変化を促進している。
  • 通貨はブラジルレアル(BRL)のみ対応。
  • ブラジル国内に所在する利用者のみが利用可能。

Pixはブラジルのデジタル決済の革命と言われ、金融包摂や競争促進にも貢献しています。

なお、外国人旅行者向けなど国外利用の拡大も進んでいますが基本的にはブラジル国内向けの決済手段です。

 

 

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