イギリスの中国大使館は、ヨーロッパ最大級の規模となる計画
敷地は約2万平方メートルで、歴史的なロイヤルミント(王立造幣局)の跡地に位置しています。中国政府は2018年にこの土地を取得し、新大使館の建設を計画しましたが、住民や議会、香港民主派活動家などの反対や安全保障上の懸念により、イギリス政府は建設許可の決定を何度も延期しています。
イギリスでは、中国大使館がスパイ活動の拠点となる可能性や建設計画書の一部が黒塗りであること、透明性が欠如している点が問題視されています。現在のところ、正式な建設許可はまだ出ておらず、最新の延期日としては2025年12月10日までに決定が持ち越されています。
地元住民や人権団体は、香港や新疆ウイグル自治区での中国政府の対応に対する抗議の意図も込めて大規模な反対デモを行っています。イギリス政府は安全保障、外交、人権問題が絡む複雑な問題として慎重に判断を進めている状況です.
この中国大使館計画はイギリスと中国の関係だけでなく、欧州における安全保障や都市計画の在り方にも影響を与える重要な案件となっています
2025年11月06日 中国外相、大使館問題の解決要求 英に「雑音対処せよ」
中国外相の王毅氏は2025年11月6日、英国のクーパー外相と電話会談を行い、中英間の「雑音や干渉に対処すべきだ」と主張した。背景には、ロンドン中心部に中国政府が計画する欧州最大規模の中国大使館の建設問題がある。英国側はこの大使館を中国の諜報活動の拠点になると懸念し、建設承認の判断を繰り返し延期しているため、中国側は強く反発している。
英国政府はこの大使館の建設承認を複数回先送りしており(2025年10月現在、最終判断を12月10日まで延期)、延期の理由としては複数政府部門の意見聴取など詳細検討に時間が必要なためとしている。一方、地元住民や議員、英国在住の香港民主派活動家からも治安リスクや諜報行為拠点懸念で強い反対がある。英国側の慎重姿勢が続く中、中国は「信頼性と倫理に欠ける」と批判し、早期解決を求めている。中国側は計画地を2018年に購入し、新大使館は欧州最大級となる見込みだが、政治的対立が続いている。
したがって、中国外相の発言はこの大使館建設問題を受け、英側に政治的な圧力をかけるねらいがあり、両国間の外交摩擦の一つの焦点となっている。
2025年10月17日 英政府 欧州最大級の中国大使館の建設承認を先送りに 延期は2度目
イギリス政府は、ロンドン中心部に計画されているヨーロッパ最大級規模の中国大使館建設の承認を再び延期しました。これは2度目の延期となります。
当初、建設許可は9月上旬に出される予定でしたが、10月21日に延期され、さらに今回12月10日へと再度先送りされました。予定地は中国政府が2018年に取得したもので、完成すれば欧州最大の中国大使館となる見込みです。
地元住民や安全保障の専門家からは、「スパイ活動など中国政府の情報収集拠点となる恐れがある」との懸念が強く上がっており、政治的にも敏感な問題になっています。
これに対し、在英中国大使館は「新しい大使館の開発計画は現地の規制に従った正当なものだ。英政府による承認延期は理由がなく不当だ」と強く反発しています。
2025年08月24日 ヨーロッパ“最大級”中国大使館の建設計画 英ロンドンで大規模反対デモ
計画概要
- 中国政府は2018年、ロンドン中心部・ロンドン塔の向かいにある旧王立造幣局跡地(約2万平方メートル)を取得。ここにヨーロッパ最大級の中国大使館を建設する計画を進めている。
反対の動き
- 2024年8月23日、約1000人がロンドンでデモを実施。香港出身者や地元住民が中心で、「諜報活動の拠点になるのでは」と懸念を表明した。
主催者は「この建設を認めることは、イギリス政府が全体主義に屈することだ」と批判している。
政府の対応
- イギリス政府は、提出された設計計画の一部が黒塗りになっていたことなどを理由に、建設許可を保留しており、最終判断を10月下旬に行う予定とされる。
この問題は、ロンドンの都市計画だけでなく、中国の影響力拡大をめぐる英中関係の政治的・安全保障的懸念とも深く結びついている。

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