パキスタンと米国、投資・貿易協定に向けた協議を継続
パキスタンとアメリカは現在、投資や貿易に関する協定の最終調整を続けています。両国は先月に19%の関税率を確定した貿易協定を結び、これは南アジア地域で最も低い関税となっており、今後の関係強化を目指しているところです。
具体的には、パキスタンは米国側に原油輸入の拡大や、鉱業分野への米企業の投資機会を提供することで、関税の不均衡是正を図っています。アメリカもパキスタンの大規模な鉱物資源やエネルギー資源の開発に関心を持っており、両国はこれらの分野での協力を深めようとしています。また、米側は輸出入の市場アクセス拡大や仮想通貨、IT分野など新興セクターでの連携強化も視野に入れています。
交渉はパキスタンの財務・経済担当者や外務省、米国の商務長官や通商代表らが行っており、パキスタンのシャリーフ首相もこの歴史的な合意を歓迎する声明を出しています。これにより両国間の貿易が活発化し、パキスタンへの米国からの投資が増えることが見込まれています。
簡潔に言えば、米パキスタンは貿易協定と投資促進策を進めることで経済関係を大幅に強化し、二国間の協力を新たな段階に押し上げつつある状況です。
パキスタンとインドの仲が悪い理由
パキスタンとインドの仲が悪い理由は、主に歴史的・宗教的・領土的な対立にあります。以下に主要な要因を説明します。
1. 分離独立と宗教対立(1947年)
- 1947年、イギリスの植民地だったインドが独立する際に、ヒンドゥー教徒が多いインドと、イスラム教徒が多いパキスタンに分離されました(「印パ分離独立」)。
- このとき、多くの人が宗教に基づいて移動を余儀なくされ、暴力・殺戮・難民の大移動が発生しました(死者は100万人以上とも言われる)。
- この歴史が現在でも両国間の感情的なわだかまりとして残っています。
2. カシミール問題(領土争い)
- 印パ分離時、カシミール地方という地域の帰属をめぐって争いが始まりました。
- カシミールはイスラム教徒が多数派ですが、当時の王はヒンドゥー教徒でインドへの帰属を選んだため、パキスタンはこれに反発。
- これまでに**3回の戦争(1947年、1965年、1999年)**と、無数の小競り合いが起きています。
- 現在もインドとパキスタンが実効支配する地域が分かれており、緊張状態が続いています。
3. テロと安全保障
- パキスタンの一部の武装勢力(特にイスラム過激派)が、インド国内でのテロ行為に関与しているとインドは主張。
- 例:2008年のムンバイ同時多発テロでは、パキスタンに拠点を置く組織が関与したとされています。
- インドは「パキスタンが過激派を支援している」と非難し、信頼関係が悪化。
4. 核兵器を保有する隣国同士
両国とも核兵器を保有しており、武力衝突がエスカレートすると世界的にも大きな脅威になります。
そのため、国際社会もこの対立に強い懸念を持っています。
5. 民族・文化・国民感情の違い
- 両国のメディアや教育でも互いを敵視する傾向があり、国民感情としても対立が根強い。
- 政治的にも「反インド」や「反パキスタン」を掲げる政党が支持されやすい状況。
こうした複合的な歴史と政治的背景によって、インドとパキスタンの関係は長年にわたり緊張状態が続いています。