中国AIの急速な成長は他社データの流用と国家の全面支援に支えられたもの

アリババ、蒸留スキャンダルをめぐり従業員にアンソロピック社のコーディングツールの使用を禁止

  • Alibaba Bans Employees From Using Anthropic’s Coding Tool Over Distillation Scandal

アリババは、アンソロピック社のコーディングツール「Claude Code」の使用を従業員に禁止しました。これは、アンソロピック側がアリババに対して行った知識蒸留(モデルの出力を利用した自社モデルの訓練)の告発と、Claude Codeに中国系ユーザーを特定する仕組みが含まれていたことへの警戒が背景にあります。

記事の主な内容は以下の通りです。

  1. アリババによる禁止措置
    アリババは従業員に対し、アンソロピック社の「Claude Code」の使用を禁止し、自社のコーディングプラットフォーム「Qoder」を使用するよう指示しました。
  2. 知識蒸留をめぐる紛争
    アンソロピック社は、アリババがClaudeの出力データを使って自社のAIモデルを訓練する「知識蒸留」を不正に行ったと主張し、米国の有力議員に書簡を送っていました。これにより、中国側がアンソロピックの高度なモデルの能力に急速に近づくことが懸念されていました。
  3. ユーザー特定機能への警戒
    Claude Codeには、ユーザーのタイムゾーンやプロキシ情報を検査し、プロンプトに特定のマーカーを挿入して中国系ユーザーを特定する仕組みが含まれていることが判明しました。アンソロピック側は、無断転売や知識蒸留を防ぐための実験だったと説明していますが、アリババ側は法的およびコンプライアンス上のリスクを考慮して排除に動きました。
  4. 中国市場の動向
    米国の規制強化に伴い、中国のクラウド・AI企業は、DeepSeekやアリババのQwenなどの国産モデルやオープンソースモデルへの移行を強めています。また、中国製モデルは米国モデルに比べて価格が約90%安く、性能差もわずかであるため、米国市場でもコストパフォーマンスの高さから急速に普及が進んでいます。

 

 

DeepSeekも蒸留をしていたが、今も蒸留行為をしているのか?

DeepSeekによる他社モデルからの蒸留行為(データ抽出)は、現在も行われていると米国企業や政府から強く指摘されています。彼らは手法をさらに巧妙化させながら、最新モデルの開発に他社の出力を利用し続けているとみられています。

詳細な状況は以下の通りです。

  1. 相次ぐ告発と新たな証拠
    2026年に入り、OpenAIやアンソロピック(Anthropic)などの米国有力AI企業が、DeepSeekを含む中国企業による「産業規模の蒸留攻撃」を相次いで公式に告発しました。アンソロピックの報告(2026年2月公表)によると、数万件の不正アカウントとプロキシサーバーを用いて、Claudeの高度な推論やコーディング能力を吸い上げる大規模なクエリ(問い合せ)が実行されていたことが判明しています。
  2. 手法の巧妙化と継続
    DeepSeekは、2025年の「DeepSeek-R1」公開時にもOpenAIのデータを学習に使用した(利用規約違反)と指摘されていましたが、その後のモデル開発でもこの行為を継続しているとみられています。直近で発表された最新モデル(DeepSeek V4など)のポストトレーニング(事後学習)プロセスにおいても、高度な推論能力や専門分野の補強を目的とした他社モデルからのデータ抽出(オンポリシー蒸留など)が組み込まれている可能性が、複数の専門家やインテリジェンス報告書によって指摘されています。
  3. 独自の蒸留サイクルへの移行
    一方で、現在のDeepSeekは「他社からの盗用」だけでなく、「自社内で完結する蒸留」も強力に進めています。彼らはまず、特定の専門分野(数学、コード、エージェントなど)に特化させた独自の強力なエキスパートモデルを個別に訓練し、その出力を1つの一般的な軽量モデルに集約・統合する(自社モデル間での蒸留)という独自の開発パイプラインを確立しています。
  4. 米政府による法規制の動き
    これら一連の継続的な蒸留行為に対し、米国政府も警戒を強めています。2026年には、外国の敵対勢力が米国のAI frontierモデルを組織的にスクレイピング(データ収集)して開発のショートカットに利用することを防ぐため、輸出規制や制裁を可能にする法案(米モデル盗用抑止法案など)の審議が急速に進められており、技術的な透かし(ウォーターマーク)や検知メカニズムへの投資が本格化しています。

 

 

GeminiのDeepSeekの評価を聞かせて

DeepSeekは、圧倒的なコストパフォーマンスと高い技術的効率性を持つ一方で、他社データの流用(知識蒸留)や中国政府との一体化といった構造的な課題を抱えており、評価は極めて二面性があります。

紹介された動画「海外Yパパラジオ」では、DeepSeekの成り立ちや最新の動向が分かりやすく解説されています。動画の内容の要約と、それに基づく評価は以下の通りです。

動画内容の要約

  1. 出自の特異性
    元々は中国の大手クオンツ・ヘッジファンド「原方(ハイフライヤー)」の社内プロジェクト。金融トレードのために自前で大量のGPUと計算インフラ、高速処理技術を保有していたため、追加コストをかけずにAI研究に参入できた。
  2. 戦略の転換
    2026年4月の「DeepSeek V4」発表と同時に、ファーウェイ(華為技術)などの中国産AI半導体への完全最適化を表明。これにより「エヌビディア(NVIDIA)依存からの脱却」を宣言した。
  3. 国家戦略との融合
    これまで外部資本を拒んできたが、中国の半導体国家ファンド「大基金」から出資を受け入れ、評価額は500億ドル(約7.5兆円)に急騰。半導体の国産化と最先端AIモデルの開発が一体となった国家プロジェクトへ組み込まれた。

GeminiによるDeepSeekの分析と評価

優れた点(ポジティブな評価)

  1. 圧倒的なコスト効率
    競合する米国大手の frontier モデルと比較して、開発・運用コストが極めて低い点が最大の特徴です。限られた計算資源(GPU)を最大限に活かすアルゴリズム設計(MoE:混合専門家モデルの最適化など)において、世界トップクラスの技術力を持っています。
  2. 独自の開発エコシステム
    ヘッジファンド由来の強力なインフラに加え、中国国内のハードウェア(半導体)メーカーと密接に連携し、独自の最適化ソフトを組み上げる能力に長けています。

懸念される点(ネガティブな評価)

  1. 知識蒸留(データ流用)による成長
    米国企業や政府から、OpenAIやアンソロピックのモデル出力を利用して自社モデルを訓練する「知識蒸留」を組織的に行っていると強く指摘されています。他社の莫大な研究投資の成果をショートカットして吸収している側面があり、技術的な倫理面や法的リスクが常に付きまといます。
  2. 独立性と研究の自由の低下
    国家ファンド(大基金)の傘下に入り、中国政府のナショナルチャンピオン(中核資産)として取り込まれたことで、今後は純粋な技術追求よりも政治的なしがらみや安全保障上の制約が優先される可能性が高まっています。これにより、オープンソース戦略の継続や研究の自由度が制限される副反応が懸念されます。

総評として、DeepSeekは「エヌビディアのハードウェアと米国のデータに頼らずに最先端AIを作る」という独自の生存戦略を確立した不気味かつ強力な存在ですが、その急速な成長は他社データの流用と国家の全面支援に支えられたものであると言えます。

 

 

ではDeepSeekを絶賛していた。