ニュースは「悪いこと」ばかりを報じるため、世界が悪化していると感じる

日本

10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

FACTFULNESS(ファクトフルネス)
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『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』の著者ハンス・ロスリングが最も伝えたかったのは、「世界は思っているよりもずっと良く、その事実はデータが証明している」ということです。

彼は、人間が進化の過程で身につけてしまった「10の思い込み(本能)」が、現代の正確なデータを見る邪魔をしていると分析しました。

1. 分断本能と所得の4段階

多くの人は世界を「先進国と途上国(金持ちと貧乏)」の二つに分けて考えがちですが、ロスリングはこれが最大の誤解であると説きました。

実際には、世界の人口の大部分は「中間層」に属しています。彼は所得レベルを以下の4つのレベルで定義しました。

  • レベル1: 1日2ドル未満。極度の貧困。
  • レベル2: 1日2〜8ドル。靴が買え、自転車が持てる。
  • レベル3: 1日8〜32ドル。水道があり、バイクが買える。
  • レベル4: 1日32ドル以上。自家用車があり、教育を受けられる。

現在、人類の多くはレベル2と3に位置しており、世界は二極化ではなくグラデーションになっています。

2. ネガティブ本能と直線本能

人間は悪いニュースに反応しやすく、また「一度始まった傾向はずっと続く」と思い込む傾向があります。

ネガティブ本能: ニュースは「悪いこと」ばかりを報じるため、世界が悪化していると感じます。しかし、データで見ると、乳児死亡率の低下や識字率の向上など、多くの指標で世界は劇的に改善しています。

直線本能: グラフが右肩上がりだと、どこまでも突き抜けると思いがちですが、実際には「S字カーブ」や「山型」になり、どこかで止まったり下がったりするのが自然の形です(人口爆発の懸念に対する回答など)。

3. 恐怖本能と過大視本能

私たちは、めったに起きない恐ろしい出来事(テロ、飛行機事故、パンデミック)を過大評価し、数値の全体像を見失います。

恐怖本能: 恐怖を感じると、合理的な判断ができなくなります。

過大視本能: 一つの数字(例:特定の病気による死者数)だけを見て、それが全体の中でどれほどの割合なのかという「比較」を忘れてしまいます。

4. 運命本能と単純化本能

「あの国は文化的に進歩しない(運命)」と考えたり、「一つの原因ですべてを説明しよう(単純化)」としたりする本能です。

ロスリングは、文化や宗教よりも「所得レベル(経済状況)」こそが人々の生活スタイルを決定する大きな要因であることを示しました。

5. 犯人探し本能と焦燥本能

悪いことが起きたときに誰かを責める「犯人探し」や、「今すぐ行動しないと手遅れになる」という「焦燥感」は、冷静なデータ分析を妨げます。

『ファクトフルネス』は、これらの本能を自覚し、「ドラマチックすぎる世界の見方」を捨てるためのガイドブックです。

 

 

目次

第1章 分断本能 「世界は分断されている」という思い込み
第2章 ネガティブ本能 「世界はどんどん悪くなっている」という思い込み
第3章 直線本能 「世界の人口はひたすら増え続ける」という思い込み
第4章 恐怖本能 危険でないことを、恐ろしいと考えてしまう思い込み
第5章 過大視本能 「目の前の数字がいちばん重要だ」という思い込み
第6章 パターン化本能 「ひとつの例がすべてに当てはまる」という思い込み
第7章 宿命本能 「すべてはあらかじめ決まっている」という思い込み
第8章 単純化本能 「世界はひとつの切り口で理解できる」という思い込み
第9章 犯人捜し本能 「誰かを責めれば物事は解決する」という思い込み
第10章 焦り本能 「いますぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込み
第11章 ファクトフルネスを実践しよう

 

 

クイズに挑戦してみよう

  • この本は世界についての本なのに、なぜサーカスの話をしたのか? なぜわたしは講義の最後に、けばけばしい服装で芸を披露するのか? その理由を説明する前に、あなたがどれほど世界のことを知っているかチェックしてみてほしい。紙とペンを用意して、世界の事実に関する13問のクイズに答えてみよう。

質問1 現在、低所得国に暮らす女子の何割が、初等教育を修了するでしょう?

  • A 20%
  • B 40%
  • C 60%

質問2 世界で最も多くの人が住んでいるのはどこでしょう?

  • A 低所得国
  • B 中所得国
  • C 高所得国

質問3 世界の人口のうち、極度の貧困にある人の割合は、過去20年でどう変わったでしょう?

  • A 約2倍になった
  • B あまり変わっていない
  • C 半分になった

質問4 世界の平均寿命は現在およそ何歳でしょう?

  • A 50歳
  • B 60歳
  • C 70歳

質問5 15歳未満の子供は、現在世界に約20億人います。国連の予測によると、2100年に子供の数は約何人になるでしょう?

  • A 40億人
  • B 30億人
  • C 20億人

質問6 国連の予測によると、2100年にはいまより人口が40億人増えるとされています。人口が増える最も大きな理由は何でしょう?

  • A 子供(15歳未満)が増えるから
  • B 大人(15歳から74歳)が増えるから
  • C 後期高齢者(75歳以上)が増えるから

質問7 自然災害で毎年亡くなる人の数は、過去100年でどう変化したでしょう?

  • A 2倍以上になった
  • B あまり変わっていない
  • C 半分以下になった

質問8 現在、世界には約70億人の人がいます。下の地図では、人の印がそれぞれ10億人を表しています。世界の人口分布を正しく表しているのは3つのうちどれでしょう? (※画像内の地図の配置)

  • A
  • B
  • C

質問9 世界中の1歳児の中で、なんらかの病気に対して予防接種を受けている子供はどのくらいいるでしょう?

  • A 20%
  • B 50%
  • C 80%

質問10 世界中の30歳男性は、平均10年間の学校教育を受けています。同じ年の女性は何年間学校教育を受けているでしょう?

  • A 9年
  • B 6年
  • C 3年

質問11 1996年には、トラとジャイアントパンダとクロサイはいずれも絶滅危惧種として指定されていました。この3つのうち、当時よりも絶滅の危機に瀕している動物はいくつでしょう?

  • A 2つ
  • B ひとつ
  • C ゼロ

質問12 いくらかでも電気が使える人は、世界にどのくらいいるでしょう?

  • A 20%
  • B 50%
  • C 80%

質問13 グローバルな気候の専門家は、これからの100年で、地球の平均気温はどうなると考えているでしょう?

  • A 暖かくなる
  • B 変わらない
  • C 寒くなる

正解はこちら。何問正解したか計算してみよう。
1 C、2 B、3 C、4 C、5 C、6 B、7 C、8 A、9 C、10 A、11 C、12 C、13 A

 

 

中国で1960年に何千万人も餓死した

世界の平均寿命が1960年に少し落ち込んだのは、何千万人もが中国で餓死したからだ。推定死者数は1500万人から4000万人以上と言われ、正確な数字は誰にもわからない。人工的な大飢饉としては、人類史上最も多くの死者を出したと言われている。

1960年の中国では、凶作が続き、そのうえ中央政府の的外れな政策が重なって、農作物の収穫量が大幅に落ち込んだ。地方政府はそれをごまかそうと、あるだけの食料をかき集めて中央政府に送ってしまった。地方には一切食べ物は残らなかった。翌年になると、道路のあちこちに転がる死体の様子や、人食いの痕跡が中央政府に報告された。

政府は計画経済の失敗を認めず、このことを36年間もひた隠しにした。当時の様子が英語で記され、諸外国の知るところとなったのは1996年になってからだった。もしも現在、同じように政府の失策で1500万人以上の人が亡くなったら、いかなる政府であろうと、世界の批判を浴び、その事実を隠し通すことはできないだろう。現代ではソーシャルメディアやインターネットの普及により、悲劇的な事実は瞬時に世界中に広まるからだ。わたしたちは、1960年当時よりもはるかに透明性の高い世界に生きている。

もしも現在、同じように政府の失策で1500万人以上の人が亡くなったら、いかなる政府であろうと、世界の知るところとなり、厳しい追及を免れないだろう。統計データが整備され、透明性が高まった現代では、かつてのように大規模な悲劇を数十年にわたって隠し通すことは不可能に近いからだ。

 

 

福島原発事故で被ばくで亡くなった人は、ひとりもいない

2011年3月11日。日本の三陸沖の太平洋、深さ29キロメートル(米国地質調査所推定)の場所で、巨大な断層破壊が起きた。地震によって日本の本州は2.4メートルも東に移動し(米国地質調査所推定)、大きな津波が発生した。1時間後に到達した津波によって各地が水没し、約1万8000人が亡くなった。津波の高さは想定を上回り、防波壁を越えて福島の原子力発電所を襲った。世界中のニュース番組が、被害の大きさと、放射線被ばくの恐ろしさを報じた。

原発の近くに住んでいた人は避難したが、そのうちの約1600人は避難後に亡くなった。死因は放射線被ばくではない。そもそも執筆時点で、福島の原発事故による被ばくで亡くなった人は、ひとりも見つかっていない。避難後に亡くなった人の多くは高齢者で、避難の影響で体調が悪化したり、ストレスが積み重なったりして死亡した。人々の命が奪われた原因は被ばくではなく、被ばくを恐れての避難だった。

1986年に起きた史上最悪の原発事故、チェルノブイリ原発事故のときはどうだったか。このときも多くの識者が、被ばくした人のあいだで死亡率が大幅に高まると予測した。しかし、世界保健機関が後に出した報告書によると、事故による直接的な放射線被ばくで亡くなった人の数は、当初の予想をはるかに下回るものだった。もちろん、多くの命が失われた悲劇であることに変わりはないが、科学的なデータが示した事実は、わたしたちが抱く「放射能への圧倒的な恐怖」とは異なるものだったのだ。福島やチェルノブイリの例が教えてくれるのは、わたしたちがいかに「恐怖本能」に支配されやすいかという点だ。恐ろしいものに直面したとき、わたしたちの脳は冷静な計算ができなくなり、リスクを過大に評価してしまう。その結果、本来守るべきはずの命が、パニックや過剰な避難によるストレスで失われてしまうことさえある。

恐怖本能を抑えるためには、リスクを「恐ろしさ」ではなく「(危険度)×(さらされている度合い)」という計算で捉える必要がある。世界は恐ろしいニュースであふれているように見えるが、実際には過去数十年で多くの危険が減少している。核兵器の数も、自然災害による死者数も、かつてより大幅に減っているのが事実だ。わたしたちが事実に基づいた世界の見方(ファクトフルネス)を身につけるためには、まずこの「恐怖本能」を自覚し、感情ではなくデータに目を向ける勇気を持つことが不可欠だ。

しかし、世界保健機関(WHO)が後に出した報告書によれば、チェルノブイリ原発事故による直接的な死者数は、当初恐れられていた数に比べればずっと少なかった。 放射線そのものによる健康被害よりも、むしろ「自分は被ばくした」という絶望感や、将来への不安からくる精神的なストレス、アルコール依存、そして社会的な偏見が、避難民の健康をより深刻に損なっていたのだ。

 

 

実は「貧しい子供を助けると人口は減る」

女性ひとりあたりの子供の数が5人から8人と最も多いのは、ソマリア、チャド、マリ、ニジェールなど、乳幼児死亡率が最も高い国々だ。 そんな国でも、子供の死亡率が下がり、児童労働が必要なくなり、女性が教育を受け、避妊について学び、避妊具を入手できるようになれば、状況は一変する。 国や文化にかかわらず、男性も女性も子供の数を減らし、そのぶん子供に良い教育を受けさせたいと考えるようになる。 「貧しい子供を助けると、人口はひたすら増え続ける」という主張は正しいようで正しくない。 実際は、貧しい子供を助けないと、人口はひたすら増え続ける。 多くの家庭が極度の貧困に暮らし続ける限り、その子供たちによって人口はさらに増えてしまう。 人口増を止める確実な方法はひとつしかない。 極度の貧困を無くし、教育と避妊具を広めることだ。 いま、多くの親たちは、自らの判断で子供の数を減らしている。 この傾向は世界中で見られるが、子供の数が減る前に必ず、子供の死亡率も下がっている。 ちなみにわたしはまだ、もっとも大事なことについてひとつも触れていない。 極度の貧困という、人間の尊厳を傷つけられるような状況から、人々を救い出すという道義的責任だ。 いま、苦しんでいる人たちは世界にたくさんいる。 彼らを無視して「未来の人たちが苦しまないように、地球を守ろう」と叫んでも、言葉がむなしく響くだけだ。 しかし、「貧しい子供たちを助けるべきか」という質問に対しては、いまと未来を天秤に掛けなくてもいい。 感情か理性か、どちらかを選ばなくてもいい。 答えはひとつだからだ。 わたしたちは、病気で亡くなる子供を減らすために全力をつくすべきだ。 そうすることで、いま苦しんでいる子供も、未来の地球も救うことができるのだから。

 

 

中国とベトナムの戦争は、休戦期間も含めると、2000年以上続いた

わたしはニエムさんに連れられて、市の中心地にある公園にやってきた。そこには、真鍮(しんちゅう)のプレートがついた、1メートルほどの小さな石があった。これがベトナム戦争の記念碑だって? 冗談だろう?

西洋の若者たちは当時、熱に浮かされたようにこぞってベトナム反戦運動に参加した。わたしも、できる限りのことはしようと思い、医療器具や毛布を送った。戦争では、150万人以上のベトナム人と、5万8000人以上のアメリカ人が亡くなった。そんな悲惨な戦争の犠牲者をしのぶのに、こんな小さな記念碑でいいのだろうか?

がっかりしたわたしを見たニエムさんは、もっと大きな記念碑に連れて行ってくれた。こちらは4メートル近くある、大理石でできた記念碑だ。フランスからの独立を記念して建てられたらしい。しかしこれを見ても、わたしはまだ納得がいかなかった。

するとニエムさんは、「いままでのは序の口。次が本番ですよ」と言う。彼は少し遠くまで車を飛ばし、窓の外から指をさした。木よりも高い、金色の大きな仏塔がそびえ立っている。何十メートルもありそうだ。「ここが、戦争の英雄をまつる場所です。美しいと思いませんか?」と彼は言う。これは、中国との戦争の記念碑だった。

中国とベトナムの戦争は、休戦期間も含めると、2000年以上続いた。フランスに占領されていたのは200年間。「対米抗戦」があったのは、たったの20年間。記念碑の大きさは、戦いの長さと完全に一致していた。いまのベトナム人にとって「ベトナム戦争」は、ほかの戦争に比べたらそれほど大ごとではなかったのかもしれない。記念碑の大きさを比べるまで、わたしはそのことに気づけなかった。

 

 

昔と比べると凶悪事件は大幅に減っている

明らかに根拠がなくて当てずっぽうそうですけど、井野さんの答えは正しいんですね

その言い方ヒドくない?

偶然だとしても井野さんの答えは完璧に正しい

海老沢さんまで!

殺人事件などの凶悪事件は大幅に減っている

その統計データは 簡単に誰でも調べられる

1960年代と比べるとここ数年の殺人は半分以下

 

 

親殺しや子殺しなどは60年代の方がずっと多い

親殺しや子殺しなど猟奇的な殺人事件は60年代の方がずっと多い

未成年の殺人事件となると60年代のほうがずっと多くて今の6倍

現代の子供が暴力的になっている証拠などどこにもない

外国人の犯罪は本当に多いのか?

きっとそれも多くはないんですよね?