2025年10月25日 『約3.8万人から集めた出資金2000億円超』は「もうほぼない」『みんなで大家さん』元関係者が「自転車操業」の実態を明かす 出資者は「半分でもいいから返してほしい」
- この記事は、不動産投資ファンド「みんなで大家さん」シリーズの実態を取材したものです。約3万8000人が総額2000億円以上を出資したにもかかわらず、2025年7月末から分配金の支払いが突然停止し、多くの出資者が混乱しています。以下に要点をまとめます。
概要
- 運営会社は大阪市の都市綜権インベストファンド。
- 「シリーズ成田」は、成田空港近くに大型ホテルやドームを備えた新都市「ゲートウェイ成田」開発を目的とする投資商品。
- 年6〜7%の分配金をうたって1口100万円から出資を募り、累計で1561億円を集めた。
問題の経緯
- 分配金は初期のうちは支払われていたが、今年7月末から突然停止。
- 表向き「賃料収入が途絶えたため」と説明されたが、実際には開発が進まず、用地は依然としてほぼ更地。6年経っても進捗率2.3%しかない。
- 行政処分も受けており、説明義務の怠慢や計画不履行が指摘されている。
出資金の不透明な流れ
- 出資金1561億円の使途を巡り疑念が浮上。
- 運営側は「全額を土地購入資金に充当した」と説明するが、地元不動産業者によると土地価格はせいぜい約125億円。
- 元関係者の証言では、「本当は出資金はグループ内を循環させ、実質的には出資金を原資に分配金を支払う“自転車操業”状態だった」ことが示唆される。
- 「もうほぼ残っていない、いろんなものに使った」とする証言も出ている。
出資者と法的対応
- 出資者の中には退職金を投じた高齢者も多く、「半分でも返してほしい」と切実な声があがる。
- 被害額は2000億円規模に上り、1000人以上が原告となる集団訴訟(100億円規模)が準備中。
- 弁護士らは「資金流用の疑いが濃く、単なる事業失敗では済まされない」としている。
専門家の見解
- 菊地幸夫弁護士:「現実性の薄い開発構想に対する慎重な確認が欠けていた。形のないものへの投資はリスクが高く、運営側も投資家も説明責任と慎重さが必要」と指摘。
まとめると、「みんなで大家さん」シリーズは一見安定的な不動産投資を装いながら、実態として資金の循環構造や計画未達が重大な問題となっており、事実上資金が消失した可能性が高い事件です。今後、刑事・民事両面での追及が本格化する見通しです。

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