2025年10月25日 日本のバブル崩壊より「小さい」 中国の不動産不況―ＩＭＦ高官
IMF幹部の見解
- 国際通貨基金（IMF）アジア太平洋局のヘルブリング副局長は、中国の不動産不況について、1990年代の日本のバブル崩壊ほど経済全体に深刻な影響を与えていないと述べた。日本のような「失われた十年」に陥る懸念は限定的とみている。
背景と分析
- 中国の不動産バブル崩壊は主に個人住宅市場が中心であり、商業用不動産への波及は比較的軽微。
- それでも日本と同様に、不動産価格の下落によって銀行などの資産内容（バランスシート）が悪化している点を指摘。
- 問題解決には時間がかかり、包括的な再建策をまとめるのは難しいとの見方を示した。
デフレ懸念と政策対応
- 中国でデフレ圧力が高まっていると警戒。
- 政府にはさらなる金融緩和と財政出動を組み合わせた「断固たる」対応を求めた。
人民元の国際的地位
- 中国は輸出規模で世界最大の貿易国であり、人民元の国際的役割は今後拡大する可能性があると予想。
- ただし、基軸通貨としてドルを置き換えるには資本市場の開放が不可欠であり、「ドルの支配的地位に大きな変化はない」と述べた。
この見解は、1990年代の日本の不動産崩壊が金融システム全体を巻き込んだのに対し、中国の場合は現時点で「限定的被害」にとどまっているとの国際的評価を示している。
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