バークシャー・ハサウェイ 現金保有比率の推移
| 時期・出来事 | 現金保有比率(目安) |
|---|---|
| 2000年前後(ITバブル期) | 約 35% 〜 40% |
| 2005年〜2007年(リーマン前) | 約 38% 〜 40% |
| 2010年〜2020年(強気相場期) | 約 15% 〜 18% |
| 2022年12月末(直近の低点) | 約 13.6% |
| 2024年12月末 | 約 29.5% |
| 2025年9月末(最新) | 約 31.1% |
バフェットからの危険信号?
投資の神様、ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイの現金保有額が、2025年時点で約3,470億ドル(日本円で約54兆円)という過去最高水準に達しています。これほどの巨額資金が動かずに滞留している状況を見て、市場の暴落を予見しているのではないかと不安に感じる投資家も少なくありません。
特に注目すべきは、バークシャーが12四半期(丸3年間)連続で、株式の購入額よりも売却額が多い「売り越し」の状態にあるという点です。神様が株を売っているのに、自分たちが今から買うのは無謀ではないかと考えるのは、投資家として自然な心理と言えるでしょう。
現金をため込む本当の理由
しかし、バフェット氏が現金を保有しているのは、決して暴落を予測して怯えているからではありません。彼は常々「明日、市場がどう動くかなんて誰にもわからない」と公言しており、マーケットを予測して動くことはしないからです。
現金を積み上げている真の理由は、単に「バフェット氏の厳しい基準にかなう、割安で魅力的な投資先が今の市場に見当たらない」という極めて冷静な判断に基づいています。彼は無理に投資をせず、規律を守って最高のチャンスが来るのをじっと待っているのです。
「他人が貪欲なときに恐れ、他人が恐れているときに貪欲になれ」という彼の有名な格言通り、周囲が楽観的な時ほど冷静になり、忍耐強く現金を保持しているに過ぎません。
バフェット vs 私たち
バフェット氏が株を売っているからといって、個人投資家である私たちがすぐに真似をして現金を貯めるべきかというと、答えはノーです。なぜなら、バフェット氏と個人投資家では、投資の目的も手法も全く異なるからです。
バフェット氏は数兆円という単位で会社を丸ごと買収する「事業オーナー」としての投資を行っています。一方、私たちの多くは、毎月の給料からコツコツと積み立てを行い、市場全体の成長の恩恵を長期で受け取ることを目的とした「資産形成者」です。
彼の成功は、相場を読んだからではなく、自分の投資哲学を貫いた結果です。私たち個人投資家の王道は、市場に勝つことではなく、市場全体の成長(ベータ)を長い時間をかけて受け取ることにあることを忘れてはいけません。
あなたの最強の投資戦略
私たちが取るべき最善の策は、投資をやめることでも現金を溜め込むことでもなく、これまでの戦略を継続することです。具体的には、以下の3つのポイントを守ることが、どんな相場でも生き残るための「最強の守り」となります。
第一に、自分のリスク許容度を超えた無理な投資をしないこと。第二に、投資先を分散し、淡々と定期的な積み立てを継続すること。そして第三に、いざという時のための生活防衛資金をしっかりと確保しておくことです。
本当の「守り」とは、現金を握りしめて相場から離れることではありません。周囲のニュースや騒音に心を乱されることなく、自分で決めたルールに従って投資を続けられる状態を維持することこそが、資産1億円への最も確実な道となります。
