都会、特に東京は、地方から上京した若者を含む多くの住民から搾取する構造
都会、特に東京の賃貸物件の家賃高騰は、地方から上京した若者を含む多くの住民から「搾取構造」として捉えられています。東京は所得水準が高いものの、生活費、特に家賃がそれを大きく上回るため、実質的な手取りの低さが問題視されています。家賃が高騰する理由としては、都心部の土地の希少性、企業本社や人気エリアの集中による需要の偏り、そして不動産投資家の強気な価格設定が挙げられます。
さらに、賃貸市場は需要が非常に高いため、価格交渉の余地がほとんどなく、家賃は高止まりする傾向にあります。地方で賃貸収入を得ている大家の収益が都心の不動産に吸い上げられる構図も「搾取」として見られる背景の一つです。この構造は高齢者や資産家が資産を増やし、若者たちが大きな家賃負担を強いられることで世代間の経済格差を拡大しています。
東京都はこの問題に対し「アフォーダブル住宅」などの低廉な賃貸住宅供給促進策を進めていますが、依然として住宅費の負担は重く、若い世代の生活の質を圧迫し、将来的な資産形成も阻害しています。このように、東京の賃貸物件問題は単なる価格の問題を超え、都市の構造的な搾取と経済的不平等の象徴として議論されています。
2025年10月21日 若年女性の流出はなぜ止まらない?地方都市・富山の女性14人の選択から見えてくるもの
富山県で若年女性の県外流出が止まらない主な理由は、以下の点に集約されます。
まず、富山は生活環境や所得面などで豊かさはあるものの、仕事やプライベートの多様な選択肢が都市部に比べて限られていることが挙げられます。特に20代の女性は就職や生活の利便性、好きなアーティストのライブや買い物といった趣味活動を優先し、都市部へ流出しやすい傾向があります。富山は主要都市へのアクセスが良くないため、一度県外へ出た女性は戻りにくい状況です。さらに、若い女性は転出した後は地元に戻る意志が薄く、生活の拠点を転出先に置くことが多いです。
また、情報伝達がSNSやメディアを通じて早い時代であり、都市部の華やかな生活や働き方が若者たちの価値観に影響を与えていることも流出の一因です。地方に残ることの魅力が十分伝わっていないこともあります。
したがって、若年女性の流出問題は単なる数の減少ではなく、彼女たちの生き方や価値観に深く関わる課題であり、地方の働き方の多様化やアクセス改善、生活全般の魅力向上が求められます。この問題の解決には、彼女たちの声を直接聞き、単なる統計以上に「生身の人間としての女性」の視点からのアプローチが重要となります
富山県が日本の保守的な地方色を持ちながらも、社会民主主義的な特徴を備えた独特の社会変革を遂げている点に注目した著作です。富山は県民総生産は全国31位と小規模ながら、一人当たりの所得は6位、勤労者世帯の実収入は4位に位置し、持ち家率の高さや生活保護被保護率の低さも特徴です。
この背景には、ワークシェアリング的な雇用環境、女性の高い就労率、質の高い公教育への信頼、3世代同居などの家族や共同体を重視する文化があります。北陸地域の保守的な共同体秩序を尊重しつつ、実質的にはスウェーデンのような高福祉社会の要素を取り入れた独自のモデルを形成しており、「日本的北欧型社会」への変革の大きなうねりがあるといいます。
富山型デイサービスという高齢者や障害者、児童を対象に年齢や障害の枠を超えて一体的な支援を行う福祉サービスも富山の特徴であり、地域の豊かさを支える重要な要素として紹介されています。
つまり、富山は保守王国とされつつも、家族や地域の結びつきを基盤にして社会民主主義的福祉や女性の社会参加が進み、独自の日本の北欧モデルを体現している自治体として注目されています。

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