中国 9月に南シナ海でロシアと合同軍事演習
中国国防省は、中国海軍がことし9月に南シナ海でロシア海軍と合同軍事演習を行うことを明らかにし、南シナ海で「航行の自由」作戦を継続する姿勢を示しているアメリカをけん制するねらいもあるとみられます。
中国国防省の楊宇軍報道官は28日、定例の記者会見で「中国とロシアの海軍が、ことし9月に南シナ海で合同軍事演習を行う」と述べました。そのうえで、「演習は定例のもので、海上で起きる脅威に対処する両国海軍の能力を強化することが目的であり、第三国に向けたものではない」と説明しました。
中国はロシアとこれまで日本海や東シナ海、それに地中海など各地の海域で定期的に合同軍事演習を行ってきましたが、南シナ海で行うのは初めてとみられます。
南シナ海を巡っては、今月、国際的な仲裁裁判で南シナ海のほぼ全域に管轄権を持つとする中国の主張には法的根拠がないという判断が示されました。
また、中国が南シナ海で造成している人工島の周辺などで、アメリカが艦艇を航行させる「航行の自由」作戦を継続する姿勢を示していて、今回の演習はアメリカをけん制するねらいもあるとみられます。
中国とロシア海軍 南シナ海で合同軍事演習へ(160729)
中国国防省は28日、9月に南シナ海でロシアと合同軍事演習を行うと発表しました。
中国国防省は、演習の目的について「両国の海軍が海上安全の脅威への対応能力を高めるためだ」としています。中国とロシアの海軍の合同軍事演習は毎年、定期的に行われていますが、南シナ海での実施は異例です。仲裁裁判で中国の主権が及ぶという主張が否定された南シナ海で今後も実効支配を続けることと、ロシアもそれに賛同していることを世界にアピールしたい考えです。また、南シナ海で「航行の自由作戦」を続けるアメリカを牽制(けんせい)する狙いもあるとみられます。