【社説】トランプ流、温室ガス規制からの解放策
オバマ政権でのCO2「危険性認定」を撤回、化石燃料エネルギーの禁止は困難に
Liberation From the Greenhouse-Gas Mandates
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の編集委員会がこの「Liberation(解放)」という強い言葉を用いた点に、今回のEPAによる決定の本質が表れています。
1. 「強制(Mandates)」からの脱却
この記事における「Mandates」は、オバマ政権が温室効果ガスの「危険性認定」を法的根拠として進めてきた、広範な行政規制を指しています。
これは単なる環境保護の枠を超え、自動車の燃費基準や火力発電所の操業制限、家電製品の効率規格などを通じて、米国の産業構造を半ば強制的に組み替えてきた仕組みです。
今回の撤回は、これらの「官僚による指示経済」的な介入を根底から無効化することを意味します。
2. サプライチェーンの再構築と実力行使
「解放」という言葉の裏には、中国が主導権を握るクリーンエネルギー技術(太陽光パネル、EVバッテリー等)への依存を強いる構造からの脱却が含まれています。
米国内の化石燃料利用を再び法的に正当化することで、安価なエネルギー供給を武器に、製造業を中国や第三国から米国内へ回帰させるための強力な誘因(インセンティブ)を作り出す狙いがあります。
3. 中立国への選択の強要
この政策転換は、環境規制を厳守する欧州などの経済圏と、安価な化石燃料を基盤とする米国の新経済圏との間に、他国を二者択一で追い込む実力行使の一環とも言えます。
これは名目上の環境問題ではなく、エネルギーコストを通じたグローバルな産業競争力の再定義を試みています。

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