資産国日本のサバイバル成長戦略
- 政治評論家 高藤和昭氏に聞く【持論時論】
資産国日本の現状と課題
1. 日本の経済的地位と資産状況
- 2025年の世界の名目GDPランキングで日本は米国、中国、ドイツ、インドに次ぐ第5位となる見込みであり、かつて第2位だった日本の相対的地位低下が顕著となっている。
- 日本の総資産は1京2649兆円に上り、その内訳は政府資産、金融機関の資産、そして民間の預貯金(非営利団体の金融資産)が含まれる。民間預貯金は2179兆円と、過去数年で大きく増加している。
- 一方、国全体の負債総額は8650兆円であり、国債が約1000兆円、地方債が200兆円、企業や個人の負債も含まれる。総資産から負債を差し引いた正味資産(国富)は約4000兆円で、国富がマイナスの国も多い中、日本は依然として資産国家である。
2. 資産の課題と経済成長の停滞要因
- 日本の資産は政府や企業の内部留保、海外流出分が多く、「生き金」として経済を循環させる力が弱い。企業の内部留保は2年前の476兆円から現在は600兆円を超えているが、投資に回らず「死蔵資金」となっている。
- 名目GDPは600兆円を超えているが、円安(145円/ドルは過度で、115~120円が適正と指摘)や個人消費の低迷、設備投資の伸び悩み、貿易収支の赤字(エネルギーやデジタル機器の輸入増)などが成長を阻害している。
- 政府予算の多くが福祉や国債費に充てられ、経済発展に寄与する投資が少ない点も課題とされている。
成長戦略の方向性
1. 半導体産業の復活
- かつて世界シェア50%を誇った日本の半導体産業は現在、台湾や韓国に後れを取っている。2030年には世界の半導体市場規模が100兆円に達するとされ、日本は最先端の2ナノメートル技術開発を推進し、政府主導の積極的投資が不可欠とされる。
2. レアアース資源の開発
- 南鳥島周辺の海底に大量のレアアースが埋蔵されていることが注目されており、これを開発できれば日本の資源小国イメージを払拭できる。レアアースは半導体やEVなど先端産業に不可欠であり、中国の戦略的輸出規制に対抗するためにも、安定供給体制の確立が重要。
3. 政府主導の投資と資金循環の活性化
- バブル崩壊後の「失われた30年」を繰り返さないためにも、政府が方向性を明確にし、思い切った投資で産業界を巻き込み、国内資金を活性化させることが必要とされている。
まとめ
- 日本は依然として世界有数の資産国家である一方、資産の活用や経済成長の面で多くの課題を抱えている。成長戦略としては、半導体産業の復活やレアアース開発、政府主導の積極投資による資金循環の活性化がカギとなる。
内容・主旨
- この書籍は、中国共産党がオーストラリアの政界、経済界、メディア、教育機関、地方自治体などのあらゆる分野に組織的に影響力を拡大し、内政干渉やプロパガンダ活動を行っている実態を、具体的な事例とともに告発したノンフィクションです。
主な論点や事例:
- 中国系富豪による政界への資金提供や、政治家・有力者の取り込み
- 華僑・中国系移民を組織票や世論操作に利用する「僑務工作」
- オーストラリアの大学や研究機関への資金流入と「学問の自由」への圧力
- 中国企業によるインフラや農地の買収、経済的依存の深化
- メディアや文化活動を通じた親中派の育成と世論誘導
著者は、オーストラリアが中国からの経済的利益を重視するあまり、主権や制度の独立性が損なわれつつあると警告しています。また、こうした中国の影響工作はオーストラリアだけでなく、日本を含む他国にも応用されていると指摘しています。
目次(抜粋)
第一章 オーストラリアを紅く染める
第二章 中国は世界における自国の立場をどう見ているのか
第三章 僑務と華僑
第四章 黒いカネ
第五章 「北京ボブ」
第六章 貿易、投資、統制
第七章 誘惑と強要
第八章 新旧のスパイ
第九章 「悪意あるインサイダー」と科学機関
第十章 オーストラリアの大学で「魂に工作する」
第十一章 文化戦争
第十二章 中国の友人:親中派
第十三章 自由の価格
評価・影響
- 本書は、オーストラリア国内で大きな議論を呼び、ターンブル政権による外国からの献金禁止やスパイ活動の定義拡大など、法制度改革のきっかけとなりました。また、アメリカや他の西側諸国にも影響を与えたとされています。
推薦・解説
- 「中国が他国をどのように影響下におこうとしているのかを知りたければ、まず本書を読むべきである」(ジョン・フィッツジェラルド教授)といった推薦の声もあり、専門家からも高く評価されています。
中国の影響工作の実態や、その手法の詳細を知りたい方にとって、非常に示唆に富む一冊です。
レアアース
Twitter / Google / Youtube / 5ch / mimizun / togetter
Genspark / リアルタイム / Google トレンド / Yahoo!ニュース
- 2015年5月19日 中国ついに“白旗” VS日欧米「レアアース兵糧戦」で自ら首を絞めた
- 2011年3月7日 中国商務相、レアアース代替の開発「日本と共同で」